暗号解読(上) (新潮文庫)

  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (340ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102159729

感想・レビュー・書評

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  • 初期の頃の暗号は自分で頻度分析で手を動かして解けた。
    解けたときの快感たるや。
    エニグマは、大学入試の英文に出てきたときに初めて知ったが、それをこんなに分かりやすく知れるのは素晴らしい。

  • 歴史は戦争の記録だという有名な言葉がある。その中で華々しくクローズアップされる「民族の英雄」もいれば、表に出てこない功労者たちもいる。
    この『暗号解読』という本は普段日が当てられることがない情報戦を明るみに出してくる。
    こちらの情報を知られないよう複雑な暗号を生み出し、敵の情報を握るべく日夜研究する人々を取り上げている。

    情報が筒抜けになる恐ろしさは、ミッドウエイ海戦がよく知られている。日本軍はここで敗北し、それ以後どんどん追い詰められていったのは有名な話だ。
    「第2次大戦中にほとんど海外に知られていないナバホ族の言語が暗号として使えることに注目し、実際に利用していた」という解説があり、ああそういやそんなことがこの本に書いてあったなあと思い出した。
    ほかにも、とっくに解読した暗号機「エニグマ」を植民地に解読したそぶりも見せず下げ渡して、植民地の情況をしっかり探っていたというのは戦略としては正しいのだろうけど、えげつないね……。

    暗号の解読は第二次世界大戦で使われたエニグマまでしかついていけなかったが、読んでいてわくわくしていた。
    暗号を解く知的興奮だけでなく、暗号を解いた人々やその置かれた社会情勢を含めて面白い。

    もちろん情報戦ばかりではなく、古代文字も一種の暗号と取らえてシャンポリオンがどうやって解読したのか、プライバシーを守る暗号や、未来の暗号はどのようなものかも書いている。
    そして公開鍵番号は以前解説されたときもわかったようなわからないような微妙な気分になり、それを上回る量子論はさっぱりわからなかった。もっとものを知れば理解できるようになるんだろうか。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「読んでいてわくわくしていた。」
      難しいけど楽しませて呉れるライターですよね、サイモン・シンは。。。
      その中でも「代替医療のトリック」が一番...
      「読んでいてわくわくしていた。」
      難しいけど楽しませて呉れるライターですよね、サイモン・シンは。。。
      その中でも「代替医療のトリック」が一番お気に入りです。
      2013/03/28
  • やはりサイモン・シン、面白い。

    ただ、最後は量子コンピュータについての話が出てくるんだけど、何のこっちゃ分からん\(^o^)/
    「エニグマ」あたりがギリギリ肌感を持ってついていけるので楽しめた。

  • 子どものころ暗号作り、やったなあって懐かしい。秘密を守りたい、秘密を暴きたい、人間の根本的な欲求に沿った「暗号化・複合化」と「暗号解読」の世界は、現在も続いている歴史を紐解くとそれだけ真剣で深い戦いの歴史があった。壮大。久々に一気に読んだ本。
    メモ:単純な置き換え暗号からヴィジュネル暗号に、エニグマ機、アリスとボブとイブの鍵配送、そして量子コンピュータ。

  •  暗号解読はなぜかくも面白いのだろうか。暗号の魅力にとりつかれるのは、最先端の数学者やコンピュータ技術者だけではない。文字を理解し始めた子どもですら、メッセージを絵や形から読み解く「パズル」や「宝探しゲーム」に夢中になる。人間の営みの中でもこれほどまでに人を虜にするものが他にあるだろうか。
    本書はどうしようもなく暗号に魅かれてしまうその「暗号欲」とも言うべき人間の欲求に、たっぷりと答えてくれる。読み終わった後は、何だか世界の大いなる秘密を知ってしまったかのような満足感が残る。
    人間は本来、隠すこと、隠れること、そして隠されたものを見つけることを「楽しい」と思う動物なのかもしれない。そういえば、子どもは「かくれんぼ」が大好きだし、赤ん坊ですら「いないいないばあ」には強い興味を示す。
    そんな人間の、隠すことと見つけることへの欲望によって紡がれるドラマには、人間の知と力と金が存分に注ぎこまれてきた。そして今や暗号は我々の日常に寸分のすきも無く入り込んでいる。もう我々は暗号の無い生活には後戻りできないだろう。
    とにかく人間について、人間の欲望について考えさせられる一冊である。

  • 「フェルマーの最終定理」コンビの、作者・サイモン・シン氏&翻訳・青木薫さん。同じような難解なテーマを取り上げたが、「フェルマー」ほどは人間くささが感じられず、量子コンピュータなどは???という感じだけが残り、ちょっと残念。でも面白かったよ。

  • エニグマ暗号機のあたりもの凄く面白かった。暗号作成方法が詳しすぎるのでそこでちょっと飽きるかも。

  • アラン・チューリングは現代のコンピュータの基礎を作った人なので、もっと多くの人に知られるべきだと思った。チューリングのように活躍した人でも、その社会の中で差別されてしまうと、生きてきけないことに恐ろしさを感じた。そういう人たちがいることで今があることを再認識させられた。

  • 809-S-1
    文庫(小説・エッセイ以外)

  • 『フェルマーの最終定理』を読了後、本書にも興味がわいた。スコットランド女王の悲劇から、暗号の必要性と、その暗号を復号する人々の努力と苦悩を知ることができた。単アルファベット暗号、ヴィジュネル暗号という基礎的知識も得られた。ビール暗号が現在も解読されず、ガリンペイロを魅了していることも初めて知った。本書の約半分を占める第3~4章は、あの有名なエニグマ(謎)だった。もし傷心の元ドイツ軍人がいなければ、エニグマの謎は解けなかったかも知れない。

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著者プロフィール

イラストレーター

「2021年 『世界じゅうの女の子のための日』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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