ハンニバル(下) (新潮文庫)

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本棚登録 : 1988
感想 : 126
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  • Amazon.co.jp ・本 (466ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102167045

感想・レビュー・書評

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  • 飛行機の中で読んでいた気がする。
    「羊たちー」ほどでもない。

  •  うむむ。上巻の熱情に比べると、個人的には地味なように思う。というか、クラリスが都合のいい女になりすぎじゃないか? 男のロマンというか、マイ・フェア・レディというか。そうして作り出された彼女に私は魅力を感じなかった。
     マーゴの方が興味深い。

    (以下若干のネタバレあり)

     しかし、概説を読むと、レクター博士シリーズとして、これまでと同じように、猟奇連続殺人事件を主軸として、レクター博士を絡ませて続けていく手法もあったはずだ。けれども、それをやめ、新たな方向性へ舵を切ったのは、確かに英断だしすごい。

     あと、この物語が私にとって物足りないのは、私の心の中に抱いていた格好いいレクター博士から、より人間らしい、弱い一人の人間なのだと気づかされてしまったからかもしれない。確かに紳士かつ頭が良い天才で、狂気をはらみつつも性の危険性の無いおじさまっていうのは安全枠だ。
     結局、美しいクラリスがチョロくお相手になるわけだがそれでいいのかって思う。レクター博士もそんな自分の作り上げた理想の美女相手に欲情しているなんて、単なるエロオヤジじゃないの!っていいたくなる。彼の破綻が見たい。あるいはクラリスの反逆が見たい。それは私のエゴなのだろう。

     ハンニバル・ライジングはレクター博士の子供の頃の話。さて、どうなることやら。この先の時系列の物語を読むことが出来るのなら、それは幸せだろう。

  • 面白い。
    間違いなく面白いんだけど、『羊たちの沈黙』に比べると、登場人物全員の魅力が下がっちゃってるかなぁ。
    レクター博士が超人的なのはいいとして、そんなら超然さを貫くか、あるいは逆にもっと俗さを出してほしい。
    クロフォードやバーニーもそれぞれが魅力減。
    挙句の果ての主人公たちの結末は、結局レクターの一人勝ちかいという感想しか出てこなかった。

  • 食人(カニバリズム)を連想させる名前の通り、この作品の終盤にはハンニバル・レクターによるグルメショーがある。そこに至るまでにも様々な活劇がある。それは多くの読者が期待したものでもあるだろうし、見たくなかったものでもあると思う。厳戒房に囚われた危険でミステリアスなカリスマは、この作品で正体を晒し、ただのダークヒーローになってしまった感がある。
    ラストは映画版の方が多くの人に受け入れられるだろうが、衝撃的で革新的なのは小説のラストだろう。想像の外にあった終わり方だ。好き嫌いはあれど、この結末はすごいと思う。

  • レクターシリーズのうち、時系列的には最後にあたるものである。レクター博士が、その天才性・異常性をいささかも衰えることなく発揮してくれている一方で、そのレクター博士が、「怪物」でありつつも同時に「人間」であることが様々な場面で吐露されていくことになる。むしろ、もともとは一応(?)「人間」であった存在が、自身の理性によって「怪物」へと変化させている(それも、意図的に)その強さには、憧れすら抱かされる。
    そのレクターによってついにクラリスも・・・となっていってしまったのが、個人的には少し残念なところだ。レクターとクラリスは、お互いに決して交わらない平行線のようなもの・・・(どこかの漫画で聞いたような表現だ)だと思っていたのに、完全に重なっちゃあねぇ。もっと、バチバチやりあってもらいたかったな、という思いも残ってしまった。

  •  BOOKOFFで立ち読み(笑)
     だあぁぁぁぁぁめえぇぇぇぇぇ!!!
     なんでクラリスがカニバリズムに転向せにゃならんのだ! 間違っとるだろ!
     …そりゃ、『羊たちの沈黙』でクラリス役を務めたジョディ・フォスターさんが断るわけだわ(「クラリスが人肉を喰べることに難色を示した」とか)。

  • レクター博士とクラリスの関係が変わってしまって、ショックでした。

  • レクター博士はアメリカに帰還する。執念を燃やす復讐鬼は、クラリスを囮に使って博士をおびき出す計画を整えつつあった。その先には、究極の美食家に対する究極の屈辱となる報復が用意されている。かくして、“怪物と天使"の運命は凄絶に交錯するときを迎えた……。スティーヴン・キングをして「前作を凌ぎ、『エクソシスト』と並んで20世紀に屹立する傑作」と言わしめた問題作、登場。
    原題:Hannibal
    (1999年)

  • クレンドラーの脳を食べる(食べさせる)シーンはゾッとした。
    上流の暮らしを描くシーンにはうっとりさせられた。
    しかし結末がふに落ちない。薬の影響なのか?あと、クラリスの「ヘルメットのような髪型」はどんなものなのだろうか…笑

  • クラリス…、そのラストはないだろう。
    こうなったら、もう一度グレアムに出張ってもらうしかないんじゃないの。

著者プロフィール

ウィリアム・トマス・ハリス三世(William Thomas Harris III)
1940年テネシー州ジャクソン生まれ、テキサス州ウェイコのベイラー大学(Baylor University)卒業。地方紙記者を経てAP通信社でレポーター兼編集者に。この期間中の知見が小説の機縁となる。
著作は現在5作。映画化もされた『ブラック・サンデー』をはじめ、「ハンニバル・レクター」シリーズの『レッド・ドラゴン』、ブラム・ストーカー賞を獲得した『羊たちの沈黙』に、『ハンニバル』、『ハンニバル・ライジング』。

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