- Amazon.co.jp ・本 (424ページ)
- / ISBN・EAN: 9784102167106
作品紹介・あらすじ
マイアミに暮らす美貌のカリ・モーラは25歳。故国のコロンビアでの凄惨な過去を背負い、移民として働きながら、獣医になることを夢見ている。彼女は麻薬王の邸宅管理のバイトがきっかけで、屋敷に隠された金塊を狙う犯罪集団の作戦に巻き込まれ、彼らと対立する臓器密売商の猟奇殺人者シュナイダーの妄執の的にもなってしまい──。極彩色の恐怖と波乱の展開に震える傑作サイコ・スリラー。
感想・レビュー・書評
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ふらふらっと立ち寄った大型書店で見かけた。えっ!トマス・ハリスの新刊?これは当然買いでしょう。
「羊たちの沈黙」や「ハンニバル」は学生時代に貪るように読んだ。ホントに懐かしくて嬉しくなる。
トマス・ハリス御大はもう80近い。なのに、こんなテンポのよいポップなスリラー小説を書いたことに感動を覚える。
主人公カリがとても魅力的。
カミラ・カベロのイメージでずっと読んでました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
『羊たちの沈黙』などハンニバル・レクター博士シリーズでお馴染みのトマス・ハリス氏の新作『カリ・モーラ』が出版されたので読んでみました。
う~ん。まあまあ面白いんだけど、なにか満足感がないんだよね。
例えるなら、凄く面白い超大作の小説をむりやり2時間枠の映画に撮って、それを見せられた時に感じる心境って感じかな~。出来事がそれぞれ単発的に発生して、すぐに終わって、また次の出来事が起こって、そして終わるみたいな・・・。
ヒロインも登場する多数の悪役キャラクターもそれぞれ良いし、個々のエピソードも面白いんだけど、なんか全部さらっと駆け足でいってしまって心に残らないんですよね。
おしいな~、せめて本作は3部作にしてヒロインのカリ・モーラ以外の各キャラクターを掘り下げてほしかったなぁ。ちょっと残念。
では、読む価値がないかって言われたらそんなことはないですよ。
でてくるキャラクターがそれぞれ良い味を出しているからね。
特にヒロインのカリ・モーラの造形は秀逸。
コロンビアからの移民の彼女はアメリカのマイアミでの日々の生活に苦労しながらも獣医師を目指している25歳の美しき女性。
そして、彼女の周りに現れる登場人物が全員悪人(笑)。
本書のストーリーは簡単に言うとカリ・モーラがアルバイトで管理人を務めているいわく付きの大邸宅に隠された宝物をめぐって、海千山千の悪者達があの手この手を使ってその宝を奪おうとするというお話。
悪人の中には、ハンス・ペーター・シュナイダーというカリ・モーラ本人に異常で変態的な執着をみせる男もおり、シュナイダーのエロティックでグロテスクな想像力はこれでもかというくらい読者の神経を逆なでします。
もちろん、カリ・モーラも悪人達に黙ってやりたい放題させている訳ではない。そう、カリ・モーラにも実は隠された秘密があるのですよ。
と、物語はこんな感じなんだけどカリ・モーラの美しく、溌剌とした活躍は『トゥームレイダー』のララ・クロフトを彷彿とさせ、まさに手に汗握る冒険活劇と言っていいと思います。
まあ、本書は何となく終わってしまいますが、たぶん続編もできるでしょうから、今後のカリ・モーラの活躍を期待したいですね。-
kazzu008さん、こんにちは!
そうなんですよね。そこそこ面白いんだけど、満足感がないんですよね。
トマス・ハリス氏にはなにか特...kazzu008さん、こんにちは!
そうなんですよね。そこそこ面白いんだけど、満足感がないんですよね。
トマス・ハリス氏にはなにか特別なものを求めてしまうんですね。
まあ、続編に期待しましょう!2019/09/24 -
たけさん、こんにちは!
コメントありがとうございます。
まさにおっしゃるとおりで、トマス・ハリスという名前だけでハードルがものすごく上が...たけさん、こんにちは!
コメントありがとうございます。
まさにおっしゃるとおりで、トマス・ハリスという名前だけでハードルがものすごく上がってしまいますよね。そう、特別なものを求めてしまうんです(笑)。
カリ・モーラはすごく素敵なので続編に期待マックスです!2019/09/25
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トマス・ハリス『カリ・モーラ』新潮文庫。
まさかトマス・ハリスの新作が再び読めるとは思わなかった。『ハンニバル・ライジング』以来、13年ぶりの作品。タイトルの『カリ・モーラ』は主人公のマイアミで麻薬王の邸宅管理を行う25歳の美貌の女性の名前である。カリ・モーラが管理を任された邸宅に隠された金塊が眠る金庫を狙う変態的な臓器密売人のシュナイダーら犯罪集団が暗躍し、主人公のカリ・モーラも犯罪の渦中に巻き込まれるという一種のノワール小説。
カリ・モーラの過去については本作の読みどころの一つなので、触れないようにしたい。カリ・モーラの活躍はまるで『羊たちの沈黙』のクラリス・スターリングのようで、変態シュナイダーはバッファロー・ビルといったところであろう。
これまでトマス・ハリスが上梓した作品は『ブラックサンデー』と『レッド・ドラゴン』に始まるレクター博士4部作のみで、いずれも陰鬱な雰囲気の作品なのだが、本作はエキセントリックで、どこかポップな感じのする不思議な作品だった。ローレンス・サンダースの『汝殺すなかれ』にも似ている。超寡作のトマス・ハリスだけに期待は大きかったのだが……少し物足りなさを感じる。
本体価格890円
★★★★ -
内容にしたら少し短すぎる印象。
おかげでテンポはいいものの、登場人物に対するイメージが出来上がる前に物語が進んでしまう。そこが残念。
映画にして映像があればテンポはいいのかもしれませんが。
映画化するのかな? -
トマス・ハリスのレクター無しの新作。過去の大作に比べてちょっとページ少な目ですぐに読み終わってしまうのが残念。
しかし、テンポよくマイアミの美しい自然を舞台に犯罪組織の抗争と美女の活躍が微妙なバランスで展開され読みやすい。
続編があっても驚かない。 -
トマス・ハリスの映画は見たけど読むのは初めて。トラウマの過去を持つ主人公が、犯罪者の隠し金を狙う悪党たちの抗争に巻き込まれ、偏執狂の対象にされてしまう。そして…。出だしは淡々と読ませる感じでいたが、後半から映画にある臨場感と緊迫感を感じた。
映画化の可能性あるかも。 -
トマス・ハリスなので、もっとノワールなものを期待して読んだが…意外とスッキリした読後感。
「羊たちの沈黙」で代表されるレクター博士ものとは一線を画した作品だった。
カリ・モーラをヒロインとした連作ものにするのだろうか?
作者には、もっと黒々とした重い作品を期待したいのだが -
ハンニバル・レクター博士を世に送り出した著者の新作を書店で見つけた時は、小躍りした。映画化もされた『羊たちの沈黙』でも女性が主人公だった。本作も女性が主人公であり、徐々に彼女の過去が語られつつ物語も進んでいく。本作品もいずれ映画化されるのではと、期待している。
犯罪者がうごめくアメリカを舞台にした、容赦ない奴らの宝探しゲームに巻き込まれたヒロイン。最後のページまでハラハラ・ドキドキが止まらないスリラー小説。