スタンド・バイ・ミー―恐怖の四季 秋冬編 (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (434ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102193051

感想・レビュー・書評

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  • 映画とその主題歌が有名な「スタンド・バイ・ミー」。
    映画を見たことはありますが、スティーヴン・キングさんの原作小説は未読でした。
    というより、スティーヴン・キングさんの作品自体を、人生初で読みました。

    冒頭の序文で、スティーヴン・キングさんのジョークを交えた文章に若干の読みづらさを感じましたが、映画を見たことあるから何だかなるだろうと思って、本編へ。
    舞台は、1960年のアメリカ・メイン州。
    和暦で言えば、昭和35年です。昭和30年代の生活なんて想像もつきませんが、作中アメリカではすでに格差社会が生じているような雰囲気も感じます。
    そうした中で、映画でもお馴染みの死体探しの冒険に出発するのですが、途中、クリスが主人公に将来のことを話すシーンは、4人の家庭状況のことが書かれていることから、なおのこと心に残りました。

    もう1編中編の「マンハッタンの奇譚のクラブ」という作品も載っています。
    これは、展開が読めない構成でしたが、後半のある人物の語りがクライマックスでした。スティーヴン・キングさん流の世にも奇妙な物語というべき作品でした。

  • どんなに仲の良い友人も成長する過程で疎遠になって、そのまま二度と合わない人て必ずいる。好き嫌いではなく、きっかけが無くなってしまっただけなんだよなぁ〜

  • 「スタンド・バイ・ミー」The Body
    (あらすじ)
    メイン州の小さな街で暮らす12歳の少年達が、行方不明の少年の死体を探しに出掛ける。途中汽車に轢かれそうになったり、ヒルに血を吸われたり、コヨーテの声に怯えたり…夏休み最後の小さな冒険。

    言い出しっぺのバーンはちょっと鈍く、気が弱い。いつも不良の兄に虐められている。

    生まれつき視力の弱いテディは父親を尊敬していた。だがその父親は戦争の後遺症で神経がやられ、息子に暴力を奮った。そのせいでテディは聴力も弱ってしまった。テディ自身も少し情緒不安定の所がある。

    リーダー格のクリスの父親は飲んだくれで禄に働かず、しょっちゅうクリスに暴力を奮う。兄達も街のゴロツキになり、街の人達からクリスはいずれ不良になると思われている。

    主人公のゴードンの家は表向きは平和だ。しかし4ヶ月前に兄のデニスが不慮の事故で亡くなってから、両親は哀しみから抜け出せない。ゴードンは、自分は居なくてもいい存在だと思い煩っている。
    ーーーーーーーーーーーーーーーー
    ゴードンの家はアメリカ映画の『普通の人々』を思い起こさせる。親友のクリスはそれをとても気にかけている。

    このクリスが家庭環境も最悪な状況にいながら、男気があって面倒見がいい、よく出来た子で…泣けてしまう

  • 子どもならではの、感情剥き出しの旅に何か懐かしさなどを感じた。ゴーディーは作家になり、12歳のあの旅を共にした様な友達はずっとできないと述べた。
    クリスは家庭に恵まれず、ゴーディーは死んだ兄と比べられ、みんなが何か家庭に問題が抱えていた。子どもにとって家族は、自分の属する大きな世界で大きな影響を与える。
    悩みをぶつけ助け合う姿は、子どもならではの純粋さを感じた。

  •  収録作品は2編。森の奥にあるという子どもの死体を
    探しに行った4人の少年たちの冒険を描いた表題作『ス
    タンド・バイ・ミー』と、
    ニューヨークのとあるクラブのメンバーである産婦人
    科医が語りだしたとある患者との物語が描かれる『マ
    ンハッタンの奇譚クラブ』。

     名前だけ聞いたことのあった『スタンド・バイ・ミー』
    ですが子どもたちの友情やしょうもない話で盛り上がる
    様子など、懐かしさを覚えさせる場面もありながら、
    語りが回想形式なので、どこか郷愁の念や寂しさの念
    が感じさせられるあたりがいいなあ、と思います。

     自分自身も小学生時代どころか中高生時代の友人とも
    会う機会がなくなってきたので、余計に感じ入るものが
    あります。時間が経つごとにそうした時代に仲の良かった
    友達って幻だったのかなあ、と思ってしまうことがあり
    ます。

     作中の語り手ももう二度と起こりえない過去の冒険を
    そんな風に達観して眺めているのかなあ、という印象を
    受けました。

     この話の語り手は大人になってから作家になっている
    のですが、そのため子ども時代から物語を書いたり
    考えたりしています。そしてその物語を友人に話すシーン
    があるのですが、自分の物語を誰にも知られたくない、
    と思う一方で、誰かに聞いてもらいたい、とも思う
    そうした相反した心理がとてもリアルに書かれていました。

     キング自身の半自伝的な意味合いでの描写という点も
    あると思うのですが、こうして本や映画の感想を書いて
    いる自分も時折知り合いに、自分のブクログのレビューを
    見てもらいたくなるような時があったりして、でも一方で
    そのように自分の考えを読まれるのが恥ずかしいな、と
    思うこともあって、分かるなあ、となりました。
    (スティーヴン・キングと比べるのもかなりおこがましい
    話ですが)。

     あとどうでもいい話ですが、作中の小説があまりにも
    汚くて思わず笑ってしまいました(笑)。

     『マンハッタンの奇譚クラブ』は非常に不思議な
    雰囲気の作品です。

     話のほとんどを占める産婦人科医師話は、その患者
    との不思議な関係性が感じられ面白いのですが、
    このクラブのバーを仕切るスティーヴンズなどクラブ
    自体がどこか幻想的で現実離れしていて、どこかクセ
    になる雰囲気の作品でした。

  • スティーヴン・キングのスタンド・バイ・ミーを読みました。
    スタンド・バイ・ミーの映画は気に入って見ていたのですが、原作は読んでいませんでした。 今回、古本屋で原作を見つけたので買って読んでみました。 映画で見るのと小説を読むのでは結構イメージが違いました。 小説のほうが明確に作者の考えが伝わってきます。 表現方法の違いだとは思いますが面白く感じました。
    収録されているもうひとつの短編「マンハッタンの奇譚クラブ」も不思議な雰囲気のある小説で楽しめました。

  • なかなか読み進められず、かなり時間がかかってしまった。難解なわけではないが、自分には合わなかったのだと思う。 スティーブン•キングはかなり生々しいホラー的な描写が多いという印象を持った。

  •  ブックオフで百五円で購入しました。
     ホラーの巨匠と名高い、スティーヴン・キングの、青春もの。いやちょっとホラーじみた部分はありますけれども。
     前書きの、レッテルが貼られてしまうという能書きがおもしろかったです。
     映画と少し違う部分もあり、苦々しい思い出と最後のやるせなさはもう。だって、あんだけ青春しといてこんな最後ありかよ現実味あるけどぉ。

  • スティーブン・キングらしからぬホラーではない短編小説。
    アメリカでは「恐怖の四季」として四篇の短編小説集として出版されているが、日本では二分冊として出版されている。
    30年ほど前にもう一方の「ゴールデンボーイ」を読んだ時は、ホラーではないと言いながらも、ナチスの生き残りに洗脳されていく少年の物語を怖がりながら読んだ後、一緒に収録されている「刑務所のリタ・ヘイワース」(実はショーシャンクの空にの原作)に心を洗われたようになり、気分がよかったっものだ。
    スタンド・バイ・ミーの映画がとても評判が良かったので、読もう読もうと思いながら映画も見逃していてここまで来ていたが、ようやく宿題を終えたような気分である。

    キングの想い出に基づいて書かれたという表題作はノスタルジーを感じさせながら、少年時代のちょっとした驚き、怖さや思いを蘇らせてくれて感心したが、ずっと思い焦がれていたわりには少々拍子抜けしてしまったところもある。
    もう少し若い時に読むべきだったか。
    反面、もう一方の「マンハッタンの奇譚クラブ」の方が、ホラーではないがキング色が出ておりひんやりしながら読めて面白かった。
    不思議な感じを漂わせるクラブに通うようになった弁護士である主人公が、クラブの集まりで聞かされる話を思い起こす。
    未婚の妊婦と医者の話が向かっていった先は、、、

    久しぶりにキングのホラーを読んでみたくなった。

  • 「スタンドバイミー」って言葉だけでなんだかキュンとなる
    割には映画も2回‥もしかしたら1回しか見たことないという

    おもしろかった映画も
    おもしろかった本も
    基本的に1回しかみてないの多いなぁ
    おもしろい!!って言って何度も何度も見たりあんまりしない


    超有名なのにスティーヴン・キングを読んだことがなくて(映画はぼちぼち見てる)
    おすすめしてもらったり
    伯母さんがすごい推してたり
    で読んでみた

    泣けるのは
    いわゆる思い出補正なのかもしれない‥けど
    めっちゃ泣けた

    クリスもゴーディもテディも
    なんだか泣けてしまう(バーンもかわいくて好きだけど泣けない。笑)のも
    映画の子どもたちのぼんやり記憶があるから余計にそうなのかも‥

    でもでも
    やっぱり小説は心理描写がていねいでいいなー!
    なんか切なくって
    泣けました。

    そのまま仲良しでいてほしかったけどそうはいかないのが
    リアルに無常というか仕方ないのか‥うう‥

    ああでもいい話だな〜
    おもしろかったな〜

    といいつつ
    キングってやっぱりホラーとかが多いんだろうから
    こういう作品は異色なんだろうな‥

    ヒルのくだりは超こわかったけど(笑)
    笑ったらいけないけどちょっとおかしかった

    パイの話もおもしろかった!

    もういっこの話は
    黒後家蜘蛛みたいな
    うーん王道(なんの?)っぽいようなSF?ホラーみたいな

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著者プロフィール

1947年メイン州生まれ。高校教師、ボイラーマンといった仕事のかたわら、執筆を続ける。74年に「キャリー」でデビューし、好評を博した。その後、『呪われた町』『デッド・ゾーン』など、次々とベストセラーを叩き出し、「モダン・ホラーの帝王」と呼ばれる。代表作に『シャイニング』『IT』『グリーン・マイル』など。「ダーク・タワー」シリーズは、これまでのキング作品の登場人物が縦断して出てきたりと、著者の集大成といえる大作である。全米図書賞特別功労賞、O・ヘンリ賞、世界幻想文学大賞、ブラム・ストーカー賞など受賞多数。

「2017年 『ダークタワー VII 暗黒の塔 下 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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