- Amazon.co.jp ・本 (552ページ)
- / ISBN・EAN: 9784102193259
作品紹介・あらすじ
初めて彼女にキスした少年のあの夏、それ以上のキスが二度と訪れはしないことを、ぼくは知らなかった…。1960年、11歳のボビーとキャロル、サリー・ジョンは仲良し3人組だった。だが、ひなびた街に不思議な老人が現れてから、彼らの道はすれ違い始める。少年と少女を、母を、街を、悪意が覆っていく-切ない記憶へと変わってしまう少年の夏を描いた、すべての予兆をはらむ美しき開幕。
感想・レビュー・書評
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ひなびた片田舎の街に現れた物静かな老人との不思議な交流。名作『スタンド・バイ・ミー』からも分かる通り、キングのジュブナイルは傑作揃いである。
キングお得意のどこか淀んだ空気感のある田舎の夏の描写が素晴らしく、ヒステリックな母親との母子家庭特有の微妙な距離感などが非常にリアルで、また貧困家庭とまではいかないまでも、そう裕福ではない家庭の描写がとても生々しい。上巻は後半を除けば目立った出来事は起こらないものの、個人的に刺さったのは不思議な老人テッドから受ける文学講義で、ああいうレコメンドをしてくれる大人が近くにいるのはなんと素晴らしいことだろうか。読書好きのキングらしい人物造形であり、読書好きとして共感する部分が多かった。そうしたなんでもない日々の一つ一つが光り輝いていて、もう二度と戻ってこない少年時代の夏の日の美しさを思い出し、眩暈がするほど後ろ髪を引かれてしまうのだ。
上巻で一応話は一区切りはつくものの、今まで読んだキングの小説と違って上巻の時点では話のオチや解決がまるで見えてこず、そうした意味では下巻が気になる作品である。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
購入した本。
上下巻の上巻。母子家庭の少年ボビーのアパートの上階に引っ越してきた謎の老人テッド。ボビーはテッドに興味を持ち、近き本を借りたり、下衆男の話を聞いたりするが母親はそれを良く思わない。ある日母親の仕事の都合でボビーを置いて出張することになり、その間テッドにボビーを預けることになる。 -
まさかの早い展開がスティーブン・キングらしくて良かった。面白い。
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本当に久しぶりのキングです。この前読んだのは確か「スタンド・バイ・ミー」。
はっきり言ってよく判りませんでした。全体を通してまとまりが無いという感じで。
第一話には何やら怪しげな宇宙人めいた集団や、読心術のようなものが出て来ます。これはキングのほかの物語とも関連するようなのですが、最近まったく離れていたので付いて行けません。物語の中では楽しめるのですが、終わってしまうと、この話だけでは非常に中途半端な気がします。
「それぞれの生が目に見えぬ糸を紡ぎながら、物語は解きほぐされ、感動のクライマックスに向かっていく」これが下巻の解説ですが、どうも解きほぐれてないように思えるし、さほどクライマックスというほどの盛り上がりも見せないし・・。
色々書きましたが、一話一話にはそれなりの雰囲気があり、悪い本ではと思います。私が長くキングから離れすぎてしまってるために、戸惑ってしまっただけかもしれません
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面白かった( ´ ▽ ` )ノ。
でも、みんなのレビュー読むと、あれ?あれ?......って感じ。
これ、中短編集なのかな? 一つらなりの長編として読んだけど......?
スタンドバイミーぽいのを期待したのに、全く違かった......と思ったのに、皆はそれに似てるという...... -
むむ。
スティーブンキングのホラー以外の著作では一番つまらない。
宇宙人と賭けトランプとベトナム戦争など色々ごっちゃになってて最後は回収せず・・
どうした!スティーブン! -
老人と少年との心温まる交流、といった感じ。
どこかほっとする感じがあって暖かくて良い。 -
5つの中短編で、登場人物や場所、出来事などが密接に絡み合い、時系列上に進行してゆく小説。
1巻は不思議な力を持つ老人と、母にないがしろにされる母子家庭の少年の交流。老人を狙う黄色いコートの不思議な影。少年の成長期、自分に真摯に、一人前の人間として接してくれる老人を大切に思う気持ち。とても温かい気持ちになれる「ホラーじゃないキング」の良さ。
で、続きがあるのかなと思ったら、下巻は違う短編という衝撃。えええええ。 -
ダーク・タワーと関係する部分があったりして、最初から最後まで楽しめた
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上下二冊。大人になった主人公が少年時代を回想するようなスタンド・バイ・ミー形式。そこで語られる60年代のアメリカは生々しい。ちなみにアトランティス大陸は全く出てきません