- Amazon.co.jp ・本 (399ページ)
- / ISBN・EAN: 9784102202128
作品紹介・あらすじ
「なぜなんだ、アーセナル!」と頭を抱えて四半世紀。熱病にとりつかれたサポーターの人生はかくも辛い。すべてのスケジュールは試合日程次第。頭のなかでは自分とチームとがこんがらがっている。人生設計なんて立てられたもんじゃない。そんなひどい生活だったけど、ぼくには見えてきたことがあった-。英国で百万部を突破し、WHスポーツ・ブック賞を獲得した鮮烈なデビュー作。アーセナルにとりつかれてミリオンセラー作家となった男の魂の記録。
感想・レビュー・書評
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人や物を好きになることを人間に課せられた呪いや病の一種かのように捉えるホーンビィの狂信的アーセナル愛が炸裂した自叙伝です!
思えば自分も映画が好きなんですが、単にそれは面白い、楽しい、好きだからとかいうものではなくて、自分の生活や人生の中心にいつしか据えられてしまったものだからというのもあり、時に休日を映画を見に行くこと前提でスケジューリングしている自分に心底気味の悪くなる瞬間があったりします。
今作はアーセナルに人生を同化させすぎてしまった男の悲しくもおかしいエッセイで、好きな物を語っているはずなのにどこか陰鬱な雰囲気が漂っているのがとても面白かったです。
ちなみに今作はファレリー兄弟によって映画化されていますが、そちらはボストン・レッドソックス狂信者の男と結婚適齢期に悩む女のラブコメで全くの別物といっていい作品でした。どちらも好きですが、映画化の方にホーンビィの色は感じられないのでご注意を。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ここ最近、某掲示板のプロ野球実況に張り付いた生活を送っているので、かなり共感のいく小説だった。特に、「フットボールに興味のない知り合いがアーセナルという名前を聞いて僕のことを思い出してくれるなんて素晴らしいじゃないか」というくだり(306-7)は、のちの具体例と相まって的確にファン心理を代弁している。
以下気になった箇所。批判能力が芽生えると物事を素直に楽しめなくなる(38-9)、執着は精神に敏捷性を要求する(127)、就活しない(173)、フットボールとエンターテイメントの違い・たとえば「高いチケットを買いながらスターが出てこないことを願う演劇ファンなんて、この世にいるだろうか」(210)、志を同じくする人がいるんだということを恋人に知ってもらうことで無実を証明されたような気持ちになること・「ほらね、世界の破滅みたいな気持ちになるのは僕だけじゃないんだよ。これで僕が不機嫌なのもちょっとはうなずけるでしょ?」的な気持ち(259)、父と監督(266-7)。 -
知ってる選手ほとんど出てこなかった。満足度4
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サッカーのこと、ましてやイングランドのサッカーじじょうなども全くわからないけれど、かなり可笑しい。笑える。
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この人のアーセナル愛、痛いほどわかる。上質のフットボールエッセイであると同時に、11歳〜35歳までの24年間の自分史でもある。
サッカー観戦とプライベートの予定がかち合ったときの葛藤(本当は葛藤なんかしてなくて、どう断るかを考えてるだけだけど)とかメチャメチャ共感できた。
昔読んだよりいまよっぽど刺さった。
ずっと本棚にいれときたい一冊。 -
J 20年目に読みたいシリーズ。23シーズン、アーセナルを見続けてきた「ぼく」の自虐的なサポーター日記。イギリスの村上春樹という雰囲気で、ある種のハードボイルド小説だと思う。
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サッカーのワールドカップが始まったので久しぶりに手にとってみました。
アーセナルの熱狂的サポーターである著者の自伝的小説でデビュー作。
主人公がアーセナルの過去の試合に絡ませて半生を語る形式がユニーク。
スポーツファンだったら試合結果に一喜一憂する気持ちがわかるはず。 -
ガナサポの友人に薦められて読んだ本。
サッカー好きなら必読の本。 -
著者の記憶力に驚嘆。少年の描写が良い。