二人がここにいる不思議 (新潮文庫)

  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (446ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102211052

感想・レビュー・書評

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  • 以前に買って、数編読んでそのままにしていた本。80年代の短編作品集。

    亡くなった両親と会食する表題作。山田太一の「異人達との夏」のようなシミジミだったり、ドッキリだったりを予想していると、う~ん、何でしょうね。しかし、昔は呑み込みづらかった話が、変に納得してしまう。
    倦怠期がテーマになっている作品が多い。「気長な分割」の終りが巧いな、ちゃんとした短編みたいと感じる自分。ブラッドべリを何だと思ってるんだろ。

    兎も角、ブラッドベリはブラッドベリなんだよと納得しているんだよな。

  • トインビー・コンベクター
    ローレル・アンド・ハーディ恋愛騒動
    プロミセズ・プロミセズ
    この三作だけで、買う価値は十二分にある。

  • 文章の力があるなぁと思う。しかし、外国の特有の固有名が多く出てくるのでそれがときには嫌気がさすこともあった。

    「トインビー・コンベクター」
    「十月の西」
    「二人がここにいる不思議」
    「プロミセズ、プロミセズ」
    「墓石」
    「ストーンスティル大佐の純自家製本格エジプトミイラ」

    が好き。
    「ときは六月、ある真夜中」はよく意味がわからなかった

  • 追悼、レイ・ブラッドベリ。


    -------------------------------------

    名作短編集『二人がここにいる不思議』。

    23編もの短編が収められている。贅沢な一冊。

    一つ一つは本当にスッと心に入ってきて、フッと抜けていくように読み終えてしまう、小さな物語たち。

    だけど、その小さなボリュームに似合わない、ユーモア、叙情、驚き、諧謔、ほとばしるセンス・オブ・ワンダー。

    海外物の小説は、どうしても読みにくい。

    元々の海外の作家の文章の書き方と、さらには翻訳家の手が入った上で構築された日本語と、その両方が、うまく合致していないと、読み進めるのが大変なことも多々ある。

    どうしたって、日本人は日本人が書いた文章を読む方が楽だし。

    超超有名な作家にしても、海外翻訳物では、やはりその業からは逃れることはできない。

    それでもこのブラッドベリの短編集は、非常に読みやすい。

    訳文、訳者の力量ももちろんだと思いますが、ブラッドベリの筆致そのものが、「非常に読みやすく書かれている」。

    おかげで、海外の、しかもSF、しかも、短編集と、僕にとって、いろいろと苦手なものがそろった作品だったにも関わらず、むさぼるように読みふけってしまった。

    今まで、なかなかそのすべてを手に取る機会がなかったブラッドベリ。

    追悼の意も込めて、そしてもちろん、純粋なる作品への興味とともにページをめくって、そのあまりの面白さに、心鷲掴みにされました。

    海外の、しかもSFに、あまり強くない方々。

    是非、本書を手にとっていただきたい。

    きっとそれまでの海外SFに対する認識が、変わると思う。(この短編集が、純粋に「SF」として括られているのかどうかはよくわかんないけど)

    SF風味と短編とは、まるで兄弟ででもあるかのように、よく合う。

  • 思えばこの本が初ブラッドベリだった。

  • 星 新一を思い出す。

    なんていうんだろう、ブラックというか、ジョークを込めた小コントあり。
    慣れてなくて、意味不明なのも多かったけど。

  • 巨匠の短編を手にする

     楽しみにしていた短編集だ。

     SFの色もさることながら、ブラッドベリの人間味あふれる筋を読みたかった。

     でも、玉石混合というか石ばかりというか・・・。SFとして期待しない方がいい短編集だ。


     23の短編は以下の通り。

    生涯の一度の夜
     古き良き時代とでもいうのだろうか。でも、意味が不明なお話。

    トインビー・コンベクター
     100年のタイムトラベルにより明るい未来を発見して帰ってきたトラベラー。彼の影響で人類は明るい未来に向かって邁進する。

     100年後、トラベラーは当時の自分と会うタイミングにさしかかる。しかし、何も起こらない。100年前の話は暗い未来ばかりを予測することへの反抗から起こした大きな作り話だったのだ。

     いい話だ。ストーリーには数多くの矛盾を抱えながらも、人類は明るい未来を与えればさぼらずに進歩するという健康的な立場に立ったエンディングは最高だ。

    トラップドア
     ちょっとしたミステリー。可もなく不可もなく。

    オリエント急行、北へ
     オチが楽しいが、これもふつうの幽霊話。強いていえば、信じてやると元気になるという幽霊がほほえましい。この意味でネバーエンディング・ストーリーっぽいかな。

    十月の西
     一人の体にたくさんの人格が・・・というSFっぽいテーマなんだが、消化不良。

    最後のサーカス
     趣のあるいい話なんだが、今ひとつ雰囲気が伝わらずに終わったなぁ。

    ローレル・アンド・ハーディ恋愛騒動
     きれいなエンディングを見せるラブ・ストーリー。それぞれの家庭を持った二人が出会うシーンはバタフライ・エフェクトのラストを思い出した。

    二人がここにいる不思議
     亡き父母をレストランにに招待する。父から「おもしろくない奴」と告白され驚く主人公。父母は食事が終わると墓地に帰っていく。

     主人公はこどもとの会食をキャンセルする。意味が深くてわかりにくい感じだ。タイトル作だし再読の必要があるかな。

    さよなら、ラファイエット
     ヴォネガットっぽい雰囲気。戦争体験が色濃く残る老人と隣に住む作家。老人は天寿を全うし、瞬間を切り取った写真が作家の手に残る。

     いい味なんだが、ラストがぴりっとしない。全体的にこんな感じが多いのは、作者より訳者のせいかも・・・。

    バンシー
     オカルト作。なんだか意図不明。ひねりもないし直球すぎておもしろくない。

    プロミセズ、プロミセズ
     事故死寸前の愛娘を助けるため、愛人との決別を神に約束する男。愛人はキリスト教徒で神に誓ったことを破ることができない。

     ジレンマは「なぜ私より娘を選んだのか」という叫びになる。おもしろいような、そうでないような・・・。

    恋心
     火星人が侵略者である地球人に恋をして、会いに行くのだが、結末はどうなるんだろうってな作品。イマイチ。

    ご領主に乾杯、別れに乾杯!
     ワイン好きの老人が亡くなり、通夜の席でワインパーティーをという感じ。これもなぁ・・・。

    ときは6月、ある真夜中
     意味不明。

    ゆるしの夜
     なかなかいいタッチ。牧師が懺悔する感じ。

    号令に合わせて
     意味不明シリーズ。軍隊ごっこの父を持つ子の未来はどうなったのか。オチがよくわからん。

    かすかな刺
     未来の自分と電車の中で出会う。未来の自分は妻を殺したという。ワクワクしそうなはじまり方なんだが、終わりが全然すっきりしない。

    気長な分割
     ブラックユーモアかな。離婚で資産を山分け。ところでこどもはどう分けるのってなオチはおもしろい。

    コンスタンスとご一緒に
     これも意図不明。

    ジュニア
     なんだがわからないシモネタ。

    墓石
     ミステリーかな。はっきりしたオチはあるが、おもしろいとは思わない。

    階段をのぼって
     ミステリーとしては非常によくできた内容だろう。ウルトラQにでれるぞ。でも古めかしい。

    ストーンスティル大佐の純自家製本格エジプト・ミイラ
     意味不明。

  • 短編集なので読みやすい。標題作はやっぱり良かったよ。これ、面白いの?というお話も結構入ってたんだけども。

  • 海外の作品は一つひとつの作品の好みが出やすいものだと思う。
    しかし、この短編集は中々面白いと思う。はじめは読みにくく感じるが、文字を追っているうちにすんなりと作品の中に入って行ってしまうようだ。

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著者プロフィール

1920年、アメリカ、イリノイ州生まれ。少年時代から魔術や芝居、コミックの世界に夢中になる。のちに、SFや幻想的手法をつかった短篇を次々に発表し、世界中の読者を魅了する。米国ナショナルブックアウォード(2000年)ほか多くの栄誉ある文芸賞を受賞。2012年他界。主な作品に『火星年代記』『華氏451度』『たんぽぽのお酒』『何かが道をやってくる』など。

「2015年 『たんぽぽのお酒 戯曲版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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