- Amazon.co.jp ・本 (446ページ)
- / ISBN・EAN: 9784102273012
感想・レビュー・書評
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ティンチ先生——ぼくはほかのバカどもに先生が嗤われるのがイヤだったので、教室でウソをつきました。でも、先生の息がほんとうはかなり臭いことはご承知おきください。すみません。
T・S・ガープ
(p.140)この手紙すき。
祖母はだまっていたが、テオバルト氏が生命に別条はないといわれた負傷者のようにひょろつきながら部屋を出ていくと、父にいった――
(p.213)ここのテオバルト氏への比喩がすき
「きっと右の眼はおまえが夢を見るときの眼になったんだろうね」とガープ。
「かもしれないけど、でもほんものそっくりなんだよ」
「それはおまえの想像の眼なんだよ。想像ってのはより本当のものが見えることがあるんだよ」
「この眼だとまだウォルトが見えるんだ。分かる?」
「分かるとも」ガープは答えた。
(p150-151)ダンカンの右目。
だがT・S・ガープはマスクス・アウレリウスとともに古い精神によって導かれていたのである。「およそ人の生涯において、その生命の時間は一瞬にすぎず……その感覚はほのかな灯心草のろうそく」と認識するだけの英智と緊張を有していたマスクス・アウレリウス。
ガープは恥ずかしくなった。人間というものが恥ずかしくなった。
(p.313)
「死は、我々の覚悟ができるまで待っているのはお嫌いと見える」とガープは書いている。
「死は奔放にして、できることなら、ドラマチックなものを狙うのを趣味とする」
(p.325)
ガープはこういうところに居合わせたヘレンに申し訳ないとは思ったが、すぐそばに彼女のにおいを嗅げることがうれしかった。スティアリング学院レスリング室の慣れ親しんだその他のにおいのなかにあったも、とりわけそのにおいがいとおしかった。もししゃべることができるのなら、彼はヘレンにもうひきがえるを怖がる必要はないよといったことだろう。
(p.421)これだけ読むと、ひきがえる?となるけど本を全部読むとそこに込められた意味がわかって心にくる詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
潔癖と軽薄。ときどき出てくる過激、卑猥なシーン。こんなに混乱したことはないという意味で初の星五つ。
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エキセントリックな母に育てられた作家ガープの話。上巻はガープが作家になり、結婚して二人の子供を授かる30歳ぐらいまでが描かれてる。
同著者の『サイダーハウス・ルール』を一章で挫折したものの、本作品で再チャレンジ。『サイダーハウス・ルール』とは打って変わって、数ページ読んだだけで作品に引き込まれてしまった。風変わりなガープの母ジェニーの言動と随所に入るガープの突っ込み、その他の豊富なエピソードに終始笑っていた。
最初の100ページぐらいで、この作品は凄いかも!?と思うようになった。そして、一気に読み終えたいという気持ちと、読み終えるのが勿体ないという矛盾した気持ちをうちに読み進めた。
さて、下巻はどのような展開を見せるのだろう。凄く楽しみ。
☆x4.5 -
ずっと積読状態だったこの本、予想以上に面白かった。昔見たロビン・ウィリアムズ主演のこの映画は、その内容がとてもユニークで、いつか原作を読もうと思っていた。B-17球状銃座の記述はとても興味深い。今度のスピルバーグ、トム・ハンクスの新作ドラマが更に見たくなってきた。
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若き日の私が映画の原作として読んで、いまだに本棚にあります。
映画が先か?原作が先か?友人と話した懐かしい一冊です。
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結婚せずに子供を産む
大ベストセラーフェミニスト
弱者の楽園を作った元看護師の女性の生き方に注目 -
これは素晴らしいですね。ガープさんの一代記っていう態を取っているけど、なんとまあ、波乱万丈なこと。ここまで色んなことを経験しながら生きたら、そらまあ物語にしてみたくもなるわな、っていう内容。しかも職業・作家さんだけに、途中、作中作も披露されたりなんかして、更に物語の内容が濃いものに。これでまだ前半戦。もうお腹いっぱいって感じもするけど、読んでて飽きが来ないだけに、まだまだイケますって感じ。映画も観てみたいです。
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(下巻に)
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ジョン・アーヴィングの小説で一番好き。もう何度読んだかわからないが何度読んでも面白い。