ガープの世界〈下〉 (新潮文庫)

  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (489ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102273029

感想・レビュー・書評

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  • ときどき訳の日本語が変

  • 生と死がきれいな曲線を描いて結ばれています。
    その、何本もの線が、混ざったり離れたり、織り成す模様が、この本の世界。
    描写が細かすぎてたまにエグくもあり、美しくもあります。
    文章から匂いを感じたのは久しぶり。秀逸。

  • アーヴィング作品をいろいろ読んで、やっとこの代表作と言われる作品にたどり着きました。
    好きな作家であるだけに、ちょっと期待値が高かったせいか、
    読み終わってちょっと「あれ?」という感じ。
    面白く、読みごたえもあって、いい小説、なんだけど…。

    主人公ガープの一生を丹念に追った物語。
    母親ジェニーがガープをどのように授かるか、というところから話は始まります。
    ジェニーの独特の価値観と存在感が冒頭から炸裂。
    一気に読者を物語の世界に引きずり込みます。
    この剛腕ぶりがアーヴィングらしい。

    悲劇的であり喜劇的であり、
    家族愛と社会との軋轢に満ちた、ガープの人生。
    その人生をたどるように読み始めると、最後まで見届けずにはいられない。
    たとえつらくても、心が痛んでも。

    人間や社会の、見て見ぬふりをしたいところや、
    できれば関わりたくない事柄を、
    読者にしっかりと見せ、意識させてくれる作家。
    もちろん、物語の構築力、豊かな人物造形があってこそ。
    まあ、いつも言うように、いささか暴力的で過剰気味ではあるけれど。

    が、今回は、ガープのほとばしるエネルギーを受け止めきれなかった感あり。
    ちょっと間を置いて、もう一度向き合ってみたい気がします。
    現時点では、「ホテル・ニューハンプシャー」の方が好きかも。

  • 死とか暴力とか強姦とかそんなものに満ちているのに奇妙に明るくて美しくもある不思議な世界。
    ガープの母親・ジェニーのキャラがいい。
    作中小説『ペンション・グリルパルツァー』がとても好き。

  • 16章辺りから展開が速くて一気に読みました。

    エレン・ジェイムズ事件への抗議の為に舌を切り落としているエレン・ジェイムズ党員はガープの母ジェニー・フィールズを支持し白衣着て女性運動するが、息子ガープに対しては反感を抱いている。しかし、当人エレン・ジェイムズは彼の作品が好き。エッセイ『どうしてわたしはエレン・ジェイムズ党員ではないか』を執筆する。エレン・ジェイムズ党員は裏切られたように感じ、「子どもエレン・ジェイムズは悪の代表者ガープに洗脳されて、女性運動反対の立場に追いやられた」などと言って噛み付く。「敵味方にわけたがる」人間の心理である。

    女性になりたいロバータなどコミカルで楽しいけれども読み終わると切なさが残る不思議な作品でした。

  • 081111(m 不明)
    110118

  • 2010.03:ブックオフ流し

  • これも貸したきり帰ってこない。また買おうかな。

  • 内容(「BOOK」データベースより)
    結婚したガープは3編の小説を発表し幸福な毎日を送るが、妻ヘレンの浮気に端を発した自動車事故で1人の子供を喪い、ガープ夫妻も重傷を負う。女性に対する暴力をテーマに、傷ついた心と体を癒しつつ書いた小説は全米にセンセーションを巻き起こした。一躍ベストセラー作家となったガープは悲劇的結末への道を歩み出していた―。現代をコミカルに描く、アーヴィングの代表作。

  • くま

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