鏡の国のアリス (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (211ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102401026

感想・レビュー・書評

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  • 相変わらず支離滅裂な展開。
    でもそれがいいんでしょうね。

  •  ゲスト出演、ジャバウォック。
     不朽の名作、数多の国で愛される児童文学の代表作。少女アリスの冒険ファンタジーの第二作。
    『不思議の国のアリス』の続編だが、前作ほど面白くはなかった。『不思議の国のアリス』が人気過ぎるのもあるが、ストーリーの展開やキャラクターの魅力が前作に及ばないのが専らの理由だろう。

     あらすじ
     主人公の少女、アリスは飼い猫ダイナの生んだ白と黒の子猫と戯れていると、鏡の向こう側の世界に入り込んでしまう。
     鏡の向こう側の世界にあったのは、奇妙な詩集や生きたチェスたち。アリスは赤の女王と出会い、道をまっすぐ進めば女王になれるという助言に従い、道を行く。道中、ソックリダムとソックリディや、ハンプティ・ダンプティ、白の女王、赤と白の騎士などと出会う。ナンセンスな会話を繰り返しながら、道の最奥に辿り着いたアリスは、チェスのルールに従いプロモーションし、女王になる。女王になったアリスの許に、赤の女王と白の女王が現れ、禅問答の後、アリス主催のパーティーを開く。乱痴気騒ぎの中、アリスは食事も挨拶もまともにできない状況に激怒し、テーブルクロスを引っぺがし、白の女王をスープに突っ込み、赤の女王を子猫に変えてしまう。
     夢から醒めたアリスは、黒い子猫と戯れながら、夢の出来事に思いを馳せる。

     オリジナリティのあるキャラクターが少ないのが残念だった。ハンプティ・ダンプティを始め、マザーグースを題材にしたキャラクターが多い。だがオリジナルの詩であるジャバウォックは非常に中二心をくすぐるキャラクターで素晴らしい。
     ストーリーはナンセンス度が上がり、あってないようなものだ。一応、女王になるという目標のようなものは設けられているが、障壁となるようなものはない。
     総合的に見て前作ほどの名作ではなかった。だがジャバウォックを生み出しただけでもこの作品が生み出された価値はある。

    キャラクター:☆☆☆
    ストーリー :☆
    世界観   :☆☆☆
    テーマ   :☆☆
    文章    :☆☆☆
    台詞    :☆

  • アリスの翻訳は、矢川さんのが一等好きです。
    そして、挿絵は金子先生のが一等よいです。

    ちなみに、鏡の国のアリスの表紙に使われている
    絵、持っています。
    いつでも、どの場所からでも見える位置に飾って
    あります。

  • <歴史に残るチェスの名勝負大一番だ!!>


    『不思議の国のアリス』の7年後、最初から出版することを念頭に創作されたこの童話。鏡を通り抜けて(原題もThrough the Looking-Glass)、左右対称の世界に迷いこんだアリスの冒険譚です☆

     即興性の高かった前作と比べて、言語遊戯も高度でシャープ! 英語の語呂合わせは、訳文で読むと少々苦しい印象もあるけれども、それにしてもスリリングなやりとりです★ そこでは物事の因果関係も逆転しているから、会話もあべこべになってしまうのです。物語がチェスボードの上で進行しているという構成も面白く、惹きつけられるモティーフの宝庫です。

     人間チェスが好きらしい。

     かつて、知人に好きなファンタジー作品はとたずねられて、『鏡の国のアリス』を挙げたことがあります。「ファンタジーじゃないじゃん!」とばっさりで、萎れてしまったのですが、しかしどうしてファンタジーじゃないのでしょうか? 今なら「ハリポタだって、人間チェスの場面があったでしょう」と言い返してやるんですけどね★

     そう、ハリーポッターの映画を観た際、それまでは結構しらっとしていたくせに(ひどい)、ロンのチェスの名勝負になったら、俄然、身を乗り出していたのです。なぜだろう、チェスのファンタジー性には不思議と惹き込まれます。そして、読み手の想像力(創造力)を喚起するものを、ファンタジーと呼びたいと思うのです。

     この物語もアリス・プレザンス・リデル嬢に捧げられましたね。もっとも、リデル嬢は大きくなっても童話のイメージにつきまとわれて、「私でなければよかった」と呟いたとか! う~ん……、でも、愛情のこもった贈り物というのは、自分の思い入れを相手にずっしりかぶせてしまうようで、時々重苦しくもありますよね★
     しかし、『鏡の国』ではすべてが不確定です。「私は、本当にアリス?」と、彼女が彼女であることさえ曖昧になる話なのです。

  • 不思議の国と混同しがちだけどこっちのほうがマニアックで好きかも。チェスがベースになっていたり、マザーグースネタ(ハンプティ・ダンプティ、トゥイードルダムとトゥードルディー、ライオンと一角獣など)が多いのもこちらですよね。夢を見たのは誰だったのか、というのも哲学的で深い。

  • 請求記号・933/Ca
    資料ID・310006372

  • 「不思議の国」にくらべるとドタバタ感が少なく落ち着いている気がするが、面白かった。チェスを下敷きにしている。私はチェスはあまり知らないが、それほど気にならなかった。ハンプティ・ダンプティのくだりが印象的だった。

  • 「不思議の国」と同様、この翻訳が一番好き。

    キャラクターは記憶に残るけど、全体的な印象はちょっと薄い。
    「不思議の国」に比べて、どこか寂しく陰がある感じがします。

    出だしの詩でもう泣けます。最後も。

  • 個人的なことだが、不思議の国のアリスよりもこちらのほうが面白く感じた。きっと好みの問題なのだろうが、大筋がチェスゲームにそって進み、一貫して前作より理解しやすいということが理由なのだろう。
    相変わらず登場するキャラクターたちは魅力的だし、言葉遊びやウイットに富んだ表現は勉強になる。
    作者はやはり、多くの意味をこのなかに含みたかったわけではなく、ただ単純に楽しいものを書きたかったのだと思う。少女を笑わすために書かれた、なんて、とても素敵じゃないか。

  • あまり話を理解できなかった。

    初めの方についていたチェスの図説も参照しつつ読んだのですが、何が何だかさっぱりでした(--;)

    他の方のレビューで、

    「チェスがわかればなぁ…」

    という感想をいくつか見たけれど、チェスのルールを知っていても多分私には理解できないだろうなぁ…。

    もう一度読み返すか、別の方の翻訳したものも読んでみるかしたいと思います。

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著者プロフィール

ルイス・キャロル (Lewis Carroll, 1832-98)
イギリスの作家。本名Charles Lutwidge Dodgson(チャールズ・ラトウィッジ・ドッドソン)。チェシャー州の牧師の家に生まれ、オックスフォード大学クライスト チャーチ学寮に学び、卒業後、同大学の数学講師となる。『不思議の国のアリス』(1865)、『鏡の国のアリス』(1872)の作者として最もよく知られているが、本来の数学者・論理学者としての、また最初期のアマチュア写真家としての功績も高く評価されている。

「2021年 『鏡の国のアリス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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