狂気の山脈にて クトゥルー神話傑作選 (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102401422

作品紹介・あらすじ

ダイヤー率いるミスカトニック大学探検隊は、南極大陸に足を踏み入れた。彼らは禁断の書『ネクロノミコン』の記述と重なる、奇怪きわまる化石を発見する(表題作)。一九〇八年五月十四日、ピーズリー教授の身に異変が起きた。“大いなる種族”との精神の交換がなされたのだ(「時間からの影」)。闇の巨匠ラヴクラフトの神話群より傑作八篇を精選し、新たに訳出。あなたに、眠れぬ夜を約束する。

感想・レビュー・書評

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  • 20世紀アメリカ。ラヴクラフトの暗黒神話。クトゥルー(邪神・発音できないのが目的なので便宜上)
    神話、短編8作。

    「狂気の山脈にて」
    冒険ありの怪奇小説。
    南極大陸の探検隊が、驚くべき発見をする。
    独特な進化をした大型生物の化石群。
    広大な都市跡。
    人類史よりも古く、壁画に謎の文明の歴史を残す。
    栄華を誇っていたその文明の崩壊は、下等生物の反乱か。
    しかし、隊員隊は、未知の生物の復活により危険が迫る。
    脱出できた隊員達は、この危険な場所を秘密にする。
    なかなか大作で、込み入って、同じような表現がぐるぐる出てくるので、上手く説明できません、が!
    2017年ドラえもん「南極カチコチ大冒険」が、オマージュっぽいという噂があるようです。
    また、あの 「遊星からの物体X」は、こちらが元ネタらしいですね。

    人類が現れるよりも遥か以前、宇宙から飛来して地球を支配していた存在。彼らは、地球の面舞台から姿を消したが、今も復活を伺っている。(訳者解説略) これが全編共通のテーマになっています。

    「ランドルフ・カーターの陳述」
    「ピックマンのモデル」
    「エーリッヒ・ツアンの音楽」
    「猟犬」
    「ダゴン」
    「祝祭」
    「時間からの影」
    テーマが同じで、恐ろしい経験をした人が、思い出すのも辛いけど、語らなければならないって感じでパターン化してるので、好きな方には、たまらない一冊ですね。私は、作品の区別がつかなくなってしまう。
    狂気の山脈は、面白いと思います。

    • おびのりさん
      さすがですね。
      こんな作品までご存じとは。
      さすがですね。
      こんな作品までご存じとは。
      2023/09/25
    • ひまわりめろんさん
      『クトゥルフの呼び声』ってゲームがあって、そこから小説もけっこう読んだかな
      『クトゥルフの呼び声』ってゲームがあって、そこから小説もけっこう読んだかな
      2023/09/25
    • おびのりさん
      2次創作が多い作品ですね。
      これは、やっぱり翻訳が別の方が良かったのかもだけど、読む意義が新潮文庫だからね。
      2次創作が多い作品ですね。
      これは、やっぱり翻訳が別の方が良かったのかもだけど、読む意義が新潮文庫だからね。
      2023/09/25
  • ■ランドルフ・カーターの陳述
    ・ラヴクラフト自身がモデルの登場人物(5回のうちの1度目)が、助手的に初登場。
    ・電話というギミック……勝手に映画「シェラ・デ・コブレの幽霊」を連想した。
    https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%AB%E3%83%95%E3%83%BB%E3%82%AB%E3%83%BC%E3%82%BF%E3%83%BC

    ■ピックマンのモデル
    ・凄まじい画家。
    ・写真という小道具。
    https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%BC%E3%83%89%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%83%97%E3%83%88%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%94%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%9E%E3%83%B3

    ■エーリッヒ・ツァンの音楽
    ・凄まじい音楽家。常軌を逸した芸術家という路線。
    ・街で最も高い窓から見える景色……というのはいいな。
    https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%83%BC%E3%83%AA%E3%83%83%E3%83%92%E3%83%BB%E3%83%84%E3%82%A1%E3%83%B3%E3%81%AE%E9%9F%B3%E6%A5%BD

    ■猟犬
    ・他の邦題に「魔犬」「妖犬」。
    ・漫画で登場人物のビジュアルを先に見たためか、こいつら底の浅いザ・中二病! と少し笑ってしまった。
    (田辺剛による漫画あり)
    https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%AD%94%E7%8A%AC

    ■ダゴン
    ・今や古典中の古典だが、1919年に、第一次世界大戦(1914-1918)の海上を舞台にしているということは、当時最先端のナウい状況だったのだろう。→後に「インスマスの影」に進化。
    ・これが俗にいう「窓に! 窓に!」だ。嬉しい。
    (田辺剛による漫画あり)
    https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%80%E3%82%B4%E3%83%B3_(%E5%B0%8F%E8%AA%AC)

    ■祝祭
    ・他の邦題に「魔宴」「暗黒の秘儀」。
    ・分家の末裔が、自ら望んで訪問し、なのに怯えているという、どうかしらんな話。
    https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%AD%94%E5%AE%B4

    ■狂気の山脈にて
    ・先に漫画を読んでなければ挫けたかもしれない、イメージしづらく冗長なところも。
    ・全般にいえることだが、会話文が少ない。この迂遠で仰々しい文体が味なわけだが。対して漫画は会話も独白もたっぷりで助かる。絵の質もすさまじい。
    (田辺剛による漫画あり)
    https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%8B%82%E6%B0%97%E3%81%AE%E5%B1%B1%E8%84%88%E3%81%AB%E3%81%A6

    ■時間からの影
    ・漫画のビジュアルも合わせてだが、一番の掘出し物だと感じた。
    ・記憶が云々という導入からは「ジェイコブズ・ラダー」を連想した(後に別ベクトルと判ったが)。
    ・何よりもカワイイのだ>イースの大いなる種族。
    (田辺剛による漫画あり)
    https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%99%82%E9%96%93%E3%81%8B%E3%82%89%E3%81%AE%E5%BD%B1

    ◇編訳者解説 南條竹則

  •  H. P. ラヴクラフト(1890-1937)といえば怪奇(ホラー)小説の有名どころで、マニアックなファンも世界中に多く抱え、多くの、今日言うところの「二次創作」の作品群のみなもととなった「クトゥルー神話」の作者であり、私も高校生の頃に創元推理文庫の『ラヴクラフト全集』全7巻のうち1巻から3巻までを買って読んだ。が、その当時どうもこの作家の作風に今ひとつ乗り切れないものを感じ、若干苦手なような、「好き」とまでは言えないような状態であった。
     新潮文庫版のこれは新訳で、昨年12月に出たばかりの文庫オリジナルである。実はこれは新潮文庫版「クトゥルー神話傑作選」の2冊目のようで、既に既刊があるらしい。
     さて、相当歳をとった今読み直してどうかな?と思いながら読み始めてみると、この作家の文章が、どうにも私には入り込みにくいのだと直ちに判明した。センテンス同士のつながり、複文節の構造、論理のプロセスなどが、いちいちしっくりこないのでスラスラと読めない。英米文学の文章はしばしば私にはそのような印象をもたらすので、英語のパロール体系、さらには英米文化のロジックに、馴染めないものを感じてしまうようだ。それでも、今回は時間をかけて味わいながら読み進めた。
     読み進めるうちに更に気づいたのは、これらの小説に、カギ括弧でくくられた人物同士の会話が、ほぼ全くと言っていいくらいに無いことだ。会話が無くて、ひたすら地の文だけで進んで行く。特に、本巻で最も長く、「短めの長編小説」くらいの長さがある「狂気の山脈にて」(1936)でも、後半は南極で発見された遺跡を探索していく際に語り手の傍らには一人の探検隊仲間がずっと付き添っているのに、互いの会話は全く出てこないのだ。少なくとも、カギ括弧でくくられた台詞が全然無いままに、延々と地の文での叙述が続く。こんな書き方は小説では、一般的にはほとんど見られないのではないか。しかも本巻のすべての作品においてもそうなのだから、どうもラヴクラフトは、「ひたすらな叙述へと向かう」作家なのである。
     少なくともテクストの書き手にとって、(人間の)他者には全然興味が無く、彼らとのコミュニケーションが織りなす場の推移にも一切関心がない。そういった夾雑物を排して、物語はひたすらに怪異への欲望に貫かれている。その怪異は、巻末の「狂気の山脈にて」「時間からの影」ではあからさまに、「クトゥルー神話」と後代から呼ばれた神話的な彼方の、気の遠くなるような太古の地球上の歴史である。
     この「怪異」は、しかし、これらの長い2編以外では必ずしもクトゥルー神話に濃厚に結び付いているとも言いきれないもので、それらは最後まで正体のわからない「何か」として立ち現れるに過ぎず、この点、「怪奇小説のプロトタイプ」として非常に魅力的なテクストになっている。
     一番気に入ったのは巻頭のごく短い「ランドルフ・カーターの陳述」(1920)だ。こういったものこそ、ホラーの古典として貴重な文学作品だと言えるのではないだろうか。
     語り手であるランドルフ・カーターの友人ハーリー・ウォレンは「禁断の事柄に関する奇妙な稀覯本」を読み漁り、ある夜、カーターと共にある墓所に行く。石板を開くと石の階段が現れ、ウォレンは一人でそこから地下へと潜っていき、何かを見て大声で叫び、ついに戻ってこなくなってしまう。実際に地下で何が起こったか、そこに何があるのか、語り手にはさっぱり分からず取り残されたまま。最後に、霊的な声だけが聞こえる。
     この簡潔な作品(および、本書中の、巻末2編以外の作品)においては、最後まで正体が明確には判明しないものへの欲望だけがあって、恐怖を盛り立てる怪奇小説においては怪異についての説明などは不要なのだということが明らかにされる。古典的な本格推理小説では事件の真犯人と真相(事情)が当初から<不在のシーニュ>として示されてそれへの欲望が、ディスクールの奔流の向かう先となっており、最後に真相のシニフィエ(意味内容)が明示されることにカタルシスがあったが、恐怖小説においては、<不在のシーニュ>への恐怖感だけが露出し読者の心を巻き込むことだけで良く、結末において真相をはっきりと解き明かす必要は全然無いのである。
     本書全編にわたってラヴクラフトは「不気味な」「冒涜的な」「厭わしい」「異常な」「邪悪な」といった形容詞を大量に繰り出し続けており、こういった単一方向に向かう表現ばかりを連続させるというエドガー・アラン・ポーのモノクロームでシンプルな構築法(「アッシャー家の崩壊」の理論)と軌を一にている。単一の方向へと情動を動員させること、すなわち音楽で言うと19世紀ロマン派の「キャラクターピース」の組成。ホラー作品では常に似たような情動性が強調されるわけだが、この心的作用は、現在も無数に作られ続けている「ホラー映画」における、無調な不協和音やクレッシェンドを駆使した音楽の用い方を見ればよくわかる。
     むしろホラー物語で最後にあまりにも辻褄を合わせた事情説明に持って行ってしまうと、逆に興が冷めてしまう場合もままある。謎の存在は謎のままでもよく、全く不条理であっても構わない。
     しかしラヴクラフトは(恐らく後期において)クトゥルー神話と呼ばれる一連の太古の歴史物語を叙述することにやがて完全に没頭し、それが長大な「狂気の山脈にて」の後半を肥大させたのだろう。そういった作者側の叙述の情熱に対し、読者はどの程度魅惑されるのだろうか。人によるのではないか。私は、延々とそればかりだといくぶん飽きてしまう気がした。

  • 新潮文庫のラヴクラフト2冊目。前半の数作はわりと短めの短編で、なにかしら恐ろしいものに遭遇しちゃう系。「ピックマンのモデル」が気持ち悪かったなー。やたらと気持ち悪い怪物や屍食鬼の絵ばかり描いている画家ピックマン、リアリズムを追及している彼の絵にはもちろんモデルがいて…。「猟犬」は、被害者(?)もなかなか悪趣味な人間なので自業自得感が。

    表題作は1冊の半分くらいある長編だけあって、神話の謎の部分が結構たくさん明かされていた印象。南極探検隊が発見した、超古代の遺跡と謎の生物の遺体。壁画に記された彼らの歴史とは…。ややこしいのだけど、この遺跡は「大いなる古きものら」と呼ばれているものたちのもので、彼らは星型の頭を持ち、高度な文明と強靭な半植物の体を持つ。彼らが作り出したけれど敵となったショゴスというもの、さらに異星からやってきたクトゥルーたち(別のものなのね)とも戦った過去がある。

    「時間からの影」もそこそこ長編。こちらは「大いなる種族」と呼ばれるものが出てくる。こちら1冊目に収録されていた「闇にささやくもの」に近いテーマで、超古代文明で開発された未来や過去、異星人などと意識を交換できる装置によって情報収集している種族に拉致られた人間の話。その間主人公は記憶喪失で別人格となっており、5年後もとに戻ってからは別次元にいたときのことを悪夢の形で見る。しかし実際にその夢の中の建物が遺跡として発見され…。UFOに拉致されて云々のムー的なテーマを本格的なSF、ホラーに仕立てあげるとこういう感じになるのだな。

    ※収録
    ランドルフ・カーターの陳述/ピックマンのモデル/エーリッヒ・ツァンの音楽/猟犬/ダゴン/祝祭/狂気の山脈にて/時間からの影

  • 小説家・翻訳家の南條竹則=編、新訳ラヴクラフト選集全8編。
    『インスマスの影』に続く2冊目。
    https://booklog.jp/users/fukagawanatsumi/archives/1/4102401415
    今回は全編創元推理文庫で既読だが、
    やはり南條先生の訳は読みやすい。
    が、それでも通読するのに時間がかかったのは、
    単に私が遅読だからというだけではない、はずだ……。

    収録作は、

    ランドルフ・カーターの陳述
     "The Statement of Randolph Carter"(1920年)
    ピックマンのモデル "Pickman's Model"(1927年)
    エーリッヒ・ツァンの音楽 "The Music of Erich Zann"(1922年)
    猟犬 "The Hound"(1924年)
    ダゴン "Dagon"(1919年)
    祝祭 "The Festival"(1925年)
    狂気の山脈にて
     "At the Mountains of Madness"(1936年)
    時間からの影 "The Shadow out of Time"(1936年)

    以下、同じ年に発表され、
    幾分繋がりを持つ長めの二編について。
    いずれも見てはならぬ、知ってはならぬ
    太古の大いなる種族の痕跡を垣間見た人が味わう
    恐怖を描いている。

    「狂気の山脈にて」
     E.A.ポオの長編
     「ナンタケット島出身のアーサー・ゴードン・ピムの物語」
     (1838年)の影響下に書かれたSF怪奇作品。
     ミスカトニック大学の地質学者
     ウィリアム・ダイヤー教授率いる探検隊は
     南極大陸の岩石や土壌の標本を採取すべく、
     キャンプを設営。
     別行動を取った分隊からの通信が途絶えたため、
     捜索を開始し、奇怪な石造建築を、
     次いで遙かに恐ろしいものを目にすることに……。

    「時間からの影」
     経済学教授ナサニエル・ウィンゲイト・ピーズリーを襲った
     奇怪な出来事。
     講義中に昏倒し、
     意識を取り戻したときは記憶を失っていたかに見えたピーズリーは、
     五年後、本来の彼自身に復して、失われた時間を取り戻そうとした。
     彼の論文を読んだ鉱山技師の招きに応じ、
     息子や同僚のダイヤー教授(!)らと
     オーストラリアの砂漠へ向かったが……。

  • 南條竹則編訳のクトゥルフ神話作品集第2作。
    編訳者解説でのクトゥルフ神話の説明──「人類が現れるよりもはるか以前に宇宙から飛来して、この地球を支配していた存在がいる。かれらは事情(わけ)あって地球の表舞台から姿を消したが、今も海底や、人跡到らぬ山林や、次元の隙間に身を隠して復活の機会をうかがっており、太古以来かれらを崇める秘密の教団がある──」というものも、とても分かりやすく、各話コメントも理解の助けになる。
    『狂気の山脈にて』や『時間からの影』における旧支配者たちの設定はおぞましいながら壮大で面白い。

  • 業績として人物を語るならば、ラヴクラフトは偉大な人かもしれない…とひとりごちつつ、「狂気の山脈を登攀する」みじめとしか言いようのない心境になっていって、最後、3割を残して名誉ある撤退を決意。
    これも読書だと自分なりに判定して。

    とてつもない著作群を執筆した人物らしいが、趙がつくほどの叙述的文体は長時間読み続ける精神力が続かない(むろん体力も)
    そうでなくても、近年と身にはやって居rというか、主流になっている、ショートセンテンス、酷いものになると頁の6割程度にパラリとちりばめられたかのような文体、文章構成が増えている、しかもも自分も慣れている
    愚かしい現状では、よほどのマニアックな方でないと読むのは困難かなと思った次第。

    日本にもこういった作品が明治大正期にあったが。海外にも19C末から20Cにかけ輩出されたのを記憶している。
    では実際クトルゥー神話と称されるものの本質や如何と問えば、やたらこけおどしの形容詞、一定パターンの非日常的冠詞が連呼されるばかりで、最後は読み飛ばしてしまった。筆者の人物像を詳細は知らぬが「不遇のうちに病弱な身体での生活」で一生を終えたと。
    世界は広い、多くのコアな読者がいまだに存し、彼の作品を愛してやまないだろうけど、私は軽薄なたち故無理でした。

    「ランドルフ・・」だけはしょっぱなということもあるけれど、簡潔で読み通せた。
    詰まるところ、【シュリーマンとトロイの木馬】の話にまつわる信ぴょう性問題にも通じているけれど、一般に事実に誤謬が多いのは真実のよう。
    功名心に長け、虚言癖性格は共通している感が強い。
    ランドルフは社会の中に染まることは好まず、真偽のほどを別にして、?へのあくなき追及欲一色に燃えている感覚が強い。それが文体にも表れているような・・
    降参です。

  • 新潮文庫のクトゥルー神話傑作選第二弾。今回のセレクションがちょっと変わったラインナップだなーと思いつつ読んでましたがそれらについては巻末の編訳者解説に書いてあるのでいろいろ納得。
    なにはともあれ『狂気の山脈にて』→『時間からの影』の2作がこの順番で収録されているのは大変オイシイ展開なので、順番に読んでその世界観を堪能して欲しいですね。

  • 釈迦さんの狂気山脈観てから、記念に読んでみた。ちょっと読みにくかった。

  • クトゥルフ神話と呼ばれるラブクラフト作の短編集。
    ジャンルとしてはSFと怪奇ものが混ざった、というべきか。ネクロノミコンや大いなる古きものらというモチーフが複数の話で出てきて、世界観として緩やかに統一されている。舞台は現代。登場人物たちは偶然か必然か、この世の常識では創造出来ない何かに遭遇したり体験したりした結果、精神に何らかの異常を来してしまう。
    研究科や探検など研究者の立場での主観で話が進むため、文章がやや学術的で表現が非常に複雑であったのが、あえての世界観ということは理解できるが非常に読みにくかった。

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