金春屋ゴメス

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 85
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  • Amazon.co.jp ・本 (268ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103003113

感想・レビュー・書評

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  • 現代の日本、世界から敢えて、江戸の生活を貫く江戸の国と江戸の人々。電気や車や所謂文化的な物はないけど、人と人との繋がりが厚くほのぼのとさえ感じた。
    そんな中でも医療は近代日本、世界の力を借りたい、借りてもいいではないかという考えから大きな犠牲に目を背けてしまった者たちに、ゴメスや裏金春の男たちが追い詰め真相を暴き、裁きをする。
    こんな簡単なタイムスリップもないけど、一度江戸を出国したら二度と入国できない。とか妙にリアリティがあって面白かった。

  • ファンタジー大賞なら間違いない、と取っておいた一冊。

    ただの時代小説かと思えばそうではなく、今から約30年後の日本。日本の関東から東北一帯に、江戸国という独立国が生まれていた。元江戸国生まれの辰次郎は、江戸へ入国し、長崎奉行こと金春屋ゴメスのもとで雑役として働くことになる。その仕事とは、死率100%の流行病、鬼赤痢とは何かを調べることだった。

    今よりさらに未来なのに江戸という、時代に逆らう生活をした国が舞台という設定がなんとも珍妙で心を惹かれる。ただでさえそれほどの未来だったら便利な生活に慣れている分、辰次郎たちほど自然に溶け込めない気がするものの、その逆に江戸の良さと厳しさを教えてくれる。ただの憧れなんかでは、江戸では生きられない。本気で好きでないと、松吉のように馴染めないだろう。

    江戸に入国したものは、外に出るのはかまわないが再度入国することは叶わない。外に出れば最先端の技術が外にあるというのに、救える命を救わないそれが江戸。救える命を捨ててまで時代に逆らって江戸国を存続させる意味はなんなのか。

    がちがちの時代小説より、ちょっと気楽に読みたい、という方にお勧め。まさしくエンターテイメントである。

  • とにかくオモシロくてイッキ読み!!
    ゴメスにも惚れたが、金春屋のおにぎりが無性に食べてみたくなった

  • ゴメスの素性が気になる。
    09/04/29〜09/05/08

  • もともとは読売新聞の日曜日の本関係の記事の中で見つけたのですが、
    めちゃめちゃ面白い。
    近未来の日本で、『江戸』と言う別の国(?)のような場所があり、
    色々な理由で入国する人たちの話。
    江戸だからその当時そのままの生活様式を現代人が暮らす。
    時代小説なんて全然読まない私が、ハマりました♪
    続編もオススメ!!

  • 第十七回日本ファンタジーノベル大賞受賞作。近未来ファンタジーだけど舞台は江戸です。何気に時代モノです。面白かったです。

  • スズちゃんの迫力にかなり退いた。すでに書かれ方が人間のそれではないと思われる。名前からして失笑する。それがあんまりにも響いて、話を覚えていない。

  • 父親が読みたいと云うので図書館から借り、渡す前にまずは自分で読んでみた。離れ小島の様に、江戸の国が現代に形成されていて、其所に許可証を持って入国する、何とも面白く読んだ。

  • あらすじを読んだ時点では「本当に面白いの?」と半信半疑で、読み始めもおっかなびっくりだったのですが、わずか数ページで世界に引きずり込まれました。すっごく面白かった!これはものすごく好みです!世界観の設定が面白いし、登場人物たちも魅力的だし、物語の流れも良いですね。

    一番好きなのは甚三かしら(やっぱり男前という描写に弱い私…)。登場してから中盤まであんまり出番が無いなぁと思っていましたが、終盤で格好良いところを見せてくれました!いやーん、素敵。まぁ、何と言っても色んな意味で一番最強なのはゴメスですけど。

    でもこのゴメス、確かに冷酷無比、極悪非道だけれど、それは江戸の理を大切にしているからこそ、本当に江戸を愛しているからだこそだと私は思います。だから「金春屋」には十助や甚三、菰八など、出来る男たちが集まっているわけですし。ゴメスがいるこの江戸に住んでみたいなとか、ちょっぴり思ったり。

  • これも面白かった〜♪江戸は江戸でも普通の江戸じゃない。それがよく作られてて好き。

著者プロフィール

1964年北海道生まれ。2005年『金春屋ゴメス』で第17回日本ファンタジーノベル大賞を受賞し、デビュー。12年『涅槃の雪』で第18回中山義秀文学賞、15年『まるまるの毬』で第36回吉川英治文学新人賞、21年『心淋し川』で第164回直木賞を受賞。著書に『九十九藤』『ごんたくれ』『猫の傀儡』『銀杏手ならい』『無暁の鈴』『曲亭の家』『秋葉原先留交番ゆうれい付き』『隠居すごろく』など多数。

「2023年 『隠居おてだま』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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