- Amazon.co.jp ・本 (150ページ)
- / ISBN・EAN: 9784103032335
感想・レビュー・書評
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もう秋恵ものは辛くて読めぬ。
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秋恵シリーズの4作からなる短編集。
秋恵ものは同じワンパターンでも気分良く読めないからあんまり面白くない。 -
芥川賞を授賞した西村賢太氏が受賞後に最初に発表した作品「寒灯」を読了。彼の授賞前の私小説にも出て来た貫多と秋恵の同棲生活を描いた短編を集めた作品だ。糊口を凌ぐすべとしてかける物が自身の赤裸々な過去だったのだろうが、読者としては他人の生活をのぞいてしまっている気まずさみたいのが読み始めてからずっとありあまり気持ちよい読後感はなかった。まあ本当に簡単に読めるという意味では軽い物を読みたい人にはいいかもしれないが、先に書いたが他人の恋愛での失敗模様を読みたいかどうかで購入を決めた方がいいかも。そんな最近ではめずらしい私小説を読むのに選んだBGMは
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資料ID:21302253
請求記号:913.6||N -
北村貫多と秋恵の夫婦喧嘩を克明に記載していることに驚嘆した.これらの喧嘩を演じた作者の記憶力も大したものだが、かなりのドメスティックバイオレンスだな.表題作の暮れの出来事、帰省や年越しそばの話しが面白い.
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著者お得意の「秋恵と貫多」シリーズが4話。空気を読めない秋恵のちょっとした無神経っぷりが空回りし、貫多の怒りは段階を経て沸点に達する。そして、爆発。しかし、すぐに後悔する貫多。そして土下座謝罪。
基本的にどの短編もこの流れ。安定感のある西村作品の王道だ。マンネリなんだけど、純文学を思わせる芸術性のあるタイトルと中身のギャップ、そして、貫多が沸点にたどり着くプロセスが抜群におもしろい。 -
4つの短編からなる秋恵との日記。表題の「寒灯」は、初めて一緒に過ごす正月に秋恵が貫多に断りも無しに単独帰郷を決めていた事に対する憤りの話。男が嫌いな、女性のこうした無神経さを短編に上手く纏めてあり共感。巻末の「腐泥の果実」は秋恵と別れてから八年後に、当時を想起させる品と出会い、その心情を語る一編。
巻頭の「陰雲晴れぬ」で始まる同棲の開始から巻末の一編までで、短いながらも充実していた初の素人女性との同棲生活が生々しく語られ、当初活き活きしていた二人が次第に淡泊な惰性の日々の果て別れてしまう様には、良く有る話とは言え、やはり刹那さを覚える。 -
☆3つ
4~5つの短編集。2011年の塵芥賞受賞後初めての新刊。
表題作の「寒灯」はどうやら本当に塵芥をもらった後に書いたものらしい。
でも本中の並びではそれ以前に書いた「腐泥の果実」が最終話になっているし、そ
うでないとおかしい。
これは、先に「腐泥の果実」ありきなのだけど、本一冊にするのはどうにも作品数
不足なので、あと一遍書かせたい。
が、しかし「腐泥の果実」も枯れ木も山の賑わい的に本の中に加えざるを得ないと
したら「寒灯」はこういうストーリー仕立てにして欲しい、と新潮社の編輯担当者
が東町癇汰 いやもとい北町貫多に強請ったものであろう。
(「編輯」と書いて編集の意。読みも全く同じ。要するに気取っているだけなのであっ
たwww)
そもそもこの作家の作品を読む理由は
1.自分はこうまでだらしなく感情的で暴力的な男でわあるまい、と自己確認する
2.明治の昔に戻った様な語り口がちょっとカックよくて飽きるまではめづらしい
そしてこれが最大の理由だが
3.本が薄くて購め易く読みやすい(”購める”で”もとめる”と読ませる)
さあ、あと2~3冊で北町貫多君の作品は全部読み終える模様なので、せいぜい切
りの良いそこまでは付き合う事にする。 -
貫多と秋恵のネタはワンパターンだが、ぜんぜん飽きない。
一番面白かったのが、「肩先に花の香りを残す人」。秋江恵をののしる「貫多節」はここに極まる。 -
2013/2/22購入
2014/8/25読了