白蝶花

著者 : 宮木あや子

• 新潮社 (2008年2月1日発売)

感想・レビュー・書評

[soさんの感想 · 2009年11月3日]

明治から大正、昭和を生き抜いた女性たち。
儚く脆くしかし強い。
女性が社会に進出してまだ100年足らず。
世界はまだ平等ではないけれど強く生きていこう。

はじめ短編かと思っていたストーリーは
みな絶妙なつながりを持っていた。

[ユベア☆さんの感想 · 2009年8月11日]

大正〜昭和までのオムニバスストーリー
登場人物は違いますが、何らかの形で全て繋がっています。

この本の題名にもなっている『白蝶花』が切なかった。

[kikaさんの感想 · 2009年6月18日]

花宵道中が好きになって読んだ作品ですが、
途中で作者自身も日本の歴史を確認しながら書いてる感が否めず、
ちょっと教科書みたいになってしまう部分がありました。

けど、こちらもリレー方式で綴られる、
何代にもわたる女性の愛の形が痛々しいまでに表現されていました。
歴史と女性、切っても切れない関係ですね。

[小骨さんの感想 · 2009年6月6日]

連作形式のお話。これを読んで、子供を産む事の意義についてすごく考えた。

[absintheさんの感想 · 2009年5月29日]

大正〜昭和にかけての女たちの連作短編集。
ただ好きな人と生きていきたい、というだけなのにそれが叶わない悲しさ。
生きて帰ってこれないかもしれないと思って
夫を、恋人を、子供を戦地に送る苦しみはどれほどだっただろうか。
私は自分も味わいたくないし、他の人にも味わってほしくない。
きっと、今も世界中でこういう思いをしている女の人はたくさんいるのだろうと
思うと、今世界で起こっている争いの数々が本当にバカみたいに思える。

[mfsm2009さんの感想 · 2009年5月2日]

女性同士の、なんともいえない感情の交流を描かせたら、本当に巧い。

また、イラストレーターさんとのコンビが絶妙。

[菜戸狐狸さんの感想 · 2009年4月21日]

美しく、不埒で、一途で、熱くて、苦しくて。
移り変わる時代の中、生きてきた何人もの女達を描いた連作小説。芸者の姉妹、妾になった少女、そしてお屋敷奉公に出た娘。いくつもの糸がより合わさるように、繋がっていく物語。読み終える頃には一枚のタペストリーが完成したような気分です。
強くて、切なくて、愛おしい。そんな生き方を激しく優しく魅せてくれました。

[那智さんの感想 · 2009年4月9日]

抱いて。ずっと忘れないように――戦中の日本で恋に命をかけた女たちを描く純愛ロマン。
昭和十九年、福岡県知事の屋敷に奉公にきた少女・千恵子。
書生の政吉と恋に落ち初めて結ばれた途端、政吉は徴兵されてしまい……
千恵子の波乱に満ちた人生を中心に、戦前・戦中・戦後の激動の日本で、
それぞれの愛を貫き通した5人の女たちが織りなす恋物語。
デビュー作『花宵道中』で圧倒的支持を得た著者による注目の最新作。

[iena58さんの感想 · 2009年4月7日]

抗うことの出来ない時代の波。織り成される縁の輪は、ひとつの世界を描き出す。

[rukia515さんの感想 · 2009年4月4日]

読み終わった日：2009.04.02

昭和初期から戦争中、その後、にかけての４人の女性のオムニバス・ストーリー。
運命の人と出会って、別れて、でも女性は生きてかなきゃ、的な。
ラブストーリーなんだけど、女の人の弱さとかずるさとか強さとかが書かれている。
最後の1篇以外は、皆相手の人とと離れ離れになってしまうのでちょっと寂しい。
でも、最後の話のおかげで後口はおだやかで、余韻に浸れる本で、
時代背景とか、全体に漂う退廃感とか、レトロを感じさせる語りとか、とても私好みでした。

官能的な描写がすごい！と思っていたら、
第5回「女による女のためのR-18文学賞」の大賞と読者賞を同時受賞、という方でした。
な、なるほど。

著者プロフィール

1976年神奈川県生まれ。2006年『花宵道中』で女による女のためのR-18文学賞の大賞と読者賞をW受賞しデビュー。『白蝶花』『雨の塔』『セレモニー黒真珠』『野良女』『校閲ガール』シリーズ等著書多数。

「2023年 『百合小説コレクション　ｗｉｚ』 で使われていた紹介文から引用しています。」