神の棄てた裸体: イスラームの夜を歩く

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 47
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  • Amazon.co.jp ・本 (310ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103054511

感想・レビュー・書評

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  • 昔の日本で行われてたことが今でも世界の貧困層が暮らす所では当たり前のように行われてる。

    問わず語りの章がものすごく感銘を受けた。

  • 久しぶりにヒット。
    私がまだ現地の言葉も知らず、二か月ほどフラフラしていたバングラデシュで起こっていた出来事。幼児買春。私も近くを通ったかもしれない公園の中で生きる子たち。私がホテルでのほほんとタバコを吸っていたときにも行われていたであろう子どもたちの生存競争。

    己の無力さや汚さも隠すことなく書き連ねているところにも共感。
    本当はここに書けないようなもっと陰鬱でドロドロした葛藤もあっただろうと容易に想像もつく。
    ただ現地の言葉を知らずに通訳を介さずに行われたであろう売春婦とのやりとりには少し疑問を覚えた。そこは書く技術力と想像力で補ったのかな?

    方法論にどうしても目がいってしまったが、時にそれを忘れさせるような現地リポートにはただただ頭が下がるばかり。この間見た世界報道写真展といい、こうゆう仕事を見せつけられると揺さぶられる。

    途上国の社会問題に興味のある人にはオススメ。

  • どうしようもない、とはよく皆が言うけれど。
    日本国内の「どうしようもない」と、イスラム世界での「どうしようもない」とでは、絶望感に雲泥の差があると感じた。

    「絶対貧困」を読んですぐにこちらも読み始めたけど、こちらの方が筆者の葛藤や悔しさがより伝わってきた。
    インドでは女性の避妊手術が奨励されているなんて・・・猫じゃあるまいし・・・、絶句。

  • 旅をする人ならこの方の著書は何冊か読むべきですね。何もできることはないかもしれませんが、知ってるのと知らないのとでは雲泥の差。

  • 初めて読む石井光太。
    結構厚い本だったにも関わらず2日で読んでしまった。
    本当に衝撃的な内容ばかりで、引き込まれた。
    軽い気持ちでイスラームの方の風俗の話とかおもしろそ~と思って読み始めた本だったけど、読んでよかった。
    この作者のほかの本も読まなくては。

    それにしてもよくできた話ばっかりだよなぁ、すごい本当

  • 内容はとてもショッキングで、平和な日本に生きていることがつくづく幸せに思えてくる。と同時に、筆者の妙に善人なところ(いや、本当に善意の人なんだろうけれど)がなんとなく鼻についちゃって。実際にその場に行ってるから、と本人の主観がしょっちゅう入るんだけれど、善意はもちろん素晴らしいんだけれど、もう少し離れた視線で書いてもよかったのではないのかな。

  • 微妙である。
    イスラーム世界の底辺でもがく人々を取材した作品。しかしまず第一に、話がまとまり過ぎている。醜い部分を“きれいに”書きすぎているのだ。

    そしてなにより、著者自身が、知りたいというジャーナリスト本来の欲求を遥かに飛び越え、取材対象の現状にちょっかいをかけているのだ。もちろん、その度に筆者は反省している。しかしその反省も、なぜか心に響いてこない。従って、全体的に引っ掻き回しただけで終わっているという印象がぬぐえないのだ。

  • 142ページまで読んだ。

  • 何の前知識もなく読み始めたけど、いろんなことを考えさせられた。
    イスラム圏の各国を著者が実際に旅をして、表には出てこないような性にまつわる話をまとめたもの。
    貧しい国のさらに貧困層の女性…とも呼べないような女の子達が、毎日を生き抜くためにどんな生活をしているか。
    同性愛者の性処理の対象になっている仲の良い幼い兄弟。お互いに庇い合って、生きるために「働いて」いる。
    どの国のどのエピソードもかなりショッキングな内容。

    「仕方のないこと」と人々が言う。
    日本がどれだけ幸せか、その格差に涙が出た。

  • イスラム世界で夜に生きる人々を実際に作者が見聞きした話し。
    娼婦、レディーボーイ、路上生活者等々。
    親を亡くしたためだったり、紛争にまきこまれて、マイノリティーだったり・・・。
    あまり日本人が知らないイスラム世界じゃないのかな。

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著者プロフィール

1977(昭和52)年、東京生れ。国内外の文化、歴史、医療などをテーマに取材、執筆活動を行っている。ノンフィクション作品に『物乞う仏陀』『神の棄てた裸体』『絶対貧困』『遺体』『浮浪児1945-』『「鬼畜」の家』『43回の殺意』『本当の貧困の話をしよう』『こどもホスピスの奇跡』など多数。また、小説や児童書も手掛けている。

「2022年 『ルポ 自助2020-』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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