レンタルチャイルド: 神に弄ばれる貧しき子供たち

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (284ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103054528

感想・レビュー・書評

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  • 生まれてすぐ母親の手を離れ、物乞いの道具として人から人へと渡り歩く子ども。
    年頃になると眼を潰されたり、手足を切断され、障害者として物乞いをする。
    暮らすのは、鼠の死骸が浮かび、ナメクジやゴキブリが無数に這う汚水の中。
    食べるのは、腐った魚の眼。
    彼らの多くは、薬物中毒や病気の末に息絶える。
    そして、その死体さえも物乞いの道具となる。

    彼らは何のために生きているのだろうか。
    人生に意味を求めることは、衣食住に困らない私の贅沢な疑問なのかもしれない。

    我が子がこのような劣悪な環境で生きることを想像すると、胸が苦しくなる。
    この子たちの母親も同じ思いなのだろうか。

    フィクションであって欲しいと思った。

  • 教育がなく管理されていない人間社会、日本に比べて非現実的、平和ボケで刺激の欲しい方どうぞ

  • 7年前にインドに行ったことがある。当時も腕や足の無い浮浪者は街角の至るところにいて、彼らは自らを傷つけることで、小銭を貰える確率を上げているのだとインド人に聞いた。この本を読むと、実際はマフィアがその作業を行っているという事になっていた。改めて驚きである。
    乞食の生活は、はっきり言って地獄である。しかし彼らは生きる事を決して辞めてはいない。なんとかなんとかその日を必死に生きていこうとしている、そのエネルギーみたいなものが力強く伝わってくる。

  • 市図書館。

    『遺体』の著者。

    にわかには信じがたい現実がインド社会では起こっていた。目を背けたくなる子どもたちを取り巻く負の連鎖。

    「臭い」に関する著者の鋭い記述に、本当に顔をしかめたくなる。

  • 今はもう生きて居ないかもしれない人達が主人公の物語。衝撃を受けるような事実がてんこ盛りなのだけれど、何故か後に残らない。多分、体験記とジャーナリズムの間で振れて、視点が少し中途半端だからだと思う。書き手に対してイライラする人もいるかもしれない。ただ、ここまで潜り込むのは大手紙ジャーナリストにはできないことだと思う。

  • さすがのノンフィクション。ノンフィクションでありフィクションでもあると思うけど、文章力が成せる技なんだろうなと。
    そしてこの現実に受ける衝撃が計り知れない。
    誰もが一度は読んだほうがいい、そう思える一冊かも。

  • 経済成長著しいこの国に興味を持って手に取りました。
    強姦、部位切断等何度も何度も目を背けたくなりましたが、
    これもこの国の現実の一部なんだと、向き合って最後まで読みました。
    彼らの生活が今後の国の成長に伴って少しでも改善させる様
    心から願っています。

  • 今、日本では若者が世界に出たがらないらしいですね。
    っま俺もあまり海外は・・・・
    そこで、本の中でも世界へ。しかも今の日本ではないような世界へ。
    (でも、将来はわからんながな)
    麻薬、売春、暴力、そんなの当たり前の世界。これはフィクションではない。現実なんです。 あまりにも悲しく、酷い。 約10年をかけた著者、渾身のノンフィクション。
    これには人間の本質を突いてるのかもしれない。
    なんだろうなぁ~言いたい事がまとまらない。でも、読んでいると止まらない。引き込まれる。
    もしかしたらフィクションかと思うこともしばしば。
    これが経済成長著しいインドの現実。そして、歩み。
    もしかしたら世界の経済成長の裏側なんでしょう。

  • なんとも言いがたい
    日本に生まれて衣食住は不自由なくできていることのありがたみを
    もう少し感じれば幸せに暮らせるのに。

    現在自分が悩んでいることは小さすぎる。

  • 筆者があまりにも登場人物達に張り付き過ぎており、それに被害を被っている人達がいる時点で作者はインタビュアー失格ではないかと感じた。ノンフィクションの本としては興味深いが作者の姿勢が好きではない。

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著者プロフィール

1977(昭和52)年、東京生れ。国内外の文化、歴史、医療などをテーマに取材、執筆活動を行っている。ノンフィクション作品に『物乞う仏陀』『神の棄てた裸体』『絶対貧困』『遺体』『浮浪児1945-』『「鬼畜」の家』『43回の殺意』『本当の貧困の話をしよう』『こどもホスピスの奇跡』など多数。また、小説や児童書も手掛けている。

「2022年 『ルポ 自助2020-』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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