遺体: 震災、津波の果てに

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (265ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103054535

感想・レビュー・書評

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  • このような作家さんは必要だ。風化させてはいけない。

  • いつか行こうと思った

  • 東日本大地震での遺体安置所
    知らなかったことが沢山ありました

  • 涙なくして読めない釜石での震災の記憶
    日常から一転して家族や友人を失う心の痛みは、言葉に表せない。遺体と向き合う家族の心境はとてもつらく、我が子を失った親の境遇は目を背きたくなる。
    そんな状況で自身ができることを立派にこなされてきた方々には頭が下がる。自分が同じ境遇にあったらば、どこまで行動できるかは想像もつかない
    やはり葬儀場の人たちはその道のプロなんだなと思った。
    それにしてもA神社・・

  • 津波による破壊だけでは「大惨事」とは言えない。世代交代で津波を軽視し昔は避けた海洋沿岸に住まうようになった、避難遅延など人災の面があったこと、瓦礫などの後始末に行政の不手際が露呈した等がほんとうに残念なところ╱『遺体』は、遺族にとって死の確認となり立ち直りのきっかけと成りうるが、それが埋まってる可能性があれば瓦礫を重機で退かすこともためらわれる難物でもある。釜石市で、震災前は毎月数十人規模の葬儀業者が1000人を超える死者にどう対処したか。それにしても人手が要るにしても「シルバー人材センター」は無理無理!

  • 東日本大震災で甚大な津波の被害を受けた町のひとつ、釜石にスポットを当てたドキュメント。
    数多くの犠牲者の遺体を回収、検案・検歯、葬儀(土葬決断の時間との戦い)、弔いを執り行っていく男たち(50〜60台がメイン)の奮闘が描かれる。
    本書の特徴は
    ・災害ものにありがちな、過度に感傷的な描写が抑えられており、男たちの心理描写に重きが置かれている。
    ・主人公と位置付けられているのが、民間人である元葬儀社勤務のポランティア。彼の遺体への語り掛けが遺族および周囲への癒しとなっており、遺体へ尽くすことは残された者へのためなのだと実感する。
    ・舞台として釜石が選ばれたのは、市の半数が津波から逃れられており、同郷の生き残ったものが同郷の死者に尽くさなければならないシチュエーションだからなのだそうだ。
    果たして、東京などの大都市で災害が発生した際、釜石の人々のように取り乱さず、協力仕合い、死者に手を尽くして、前へ進んでいけるのだろうか。

  • 3.11津波による死者、行方不明者1100人、遺体安置所のルポルタージュ、旧校舎に置かれた遺体が腐敗していく様子は、筆舌に尽くしがたい辛さがある。

  • 東北大震災の遺体に焦点をあてたノンフィクション。
    日本人ならば必読の書である。
    あの、大震災の中で、通常なら火葬で10万円程度するところが、「被災パック」なるもので、5万円ちょっとで火葬できるなんていうのは、まさにむき出しの現実というところだろう。
    考え込ませる内容であったことは間違いない。

  • 津波の何もかもを破壊している恐ろしい映像が甦ってきました。多くの命が失われたことは、ほんとうに悲しくてやりきれません。いま、自然災害で毎年どの位の方が亡くなられているのでしょうか。災害の規模も死傷者の数もどんどん大きくなっていくような印象を持ちます。地震、噴火、竜巻、超大型台風、局地的大雨など異常気象が世界の至る所で発生しています。それらに対して人はなすすべもありません。いかに人は自然に対して、無力であるかを思い知らされます。

  • 尊厳死とは人間が人間として尊厳を持って死に挑むこと…では尊厳を持つ間もなく一瞬にして死へと追いやられた場合はどうなのか?身元もわからぬまま水漬き草生す屍となってしまったら誰がその人の尊厳を保つのだろうか。
    この本はあの日震災の津波によって引き起されたまさに死屍累々とした状況の中で自身の被災も顧みずご遺体の尊厳を守り抜くために奮闘した人々のルポルタージュ。
    自衛隊員や消防警察などの職業人ですら尻込みする惨状を物ともせずに自ら志願し対価を乞うこともなく黙々とご遺体に向き合うその姿にテレビ画面の文字でない真の「絆」を感じた。
    すべてを見詰めた著者が「釜石で生まれてよかったですね」と不明者の遺骨に手を合わせるラストが感慨深い

著者プロフィール

1977(昭和52)年、東京生れ。国内外の文化、歴史、医療などをテーマに取材、執筆活動を行っている。ノンフィクション作品に『物乞う仏陀』『神の棄てた裸体』『絶対貧困』『遺体』『浮浪児1945-』『「鬼畜」の家』『43回の殺意』『本当の貧困の話をしよう』『こどもホスピスの奇跡』など多数。また、小説や児童書も手掛けている。

「2022年 『ルポ 自助2020-』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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