砂の上のあなた

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 373
感想 : 70
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  • Amazon.co.jp ・本 (314ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103056522

感想・レビュー・書評

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  • 図書館でなんとなくジャケ借り(装丁借り?)した作品。

    途中から、何なの、何の話してんの…と、読むのがしんどくなってしまいました。いろいろ繋げすぎじゃないかと。新たな事実が次々と明らかになってくるけど、みなみが西村の子を妊娠していると分かったときがピークでそれ以降はもうお腹いっぱいでした。
    冒頭の、理屈っぽい主人公の性格を指摘するエピソードが、何度も頭をよぎりました。

  • 前半は白石節がいい感じに展開していってたんですけど後半はちょっと関連付けがクドかったかな…
    前半、「女の人生とは…」的な子供を産むことみたいな…この話は納得という気持ちもあるけど、男の私には一方的な言い分で理解できませんでした。

    後半のあの人とこの人がここで繋がって、、、
    誰それと彼それがこういう間柄だった、、、みたいな展開で読んでいて途中で辟易としてしまって
    結局、間男だった彼の件は、要するに子供を産んでこそ女は一人前…って事が言いたかったのかなぁ~
    ちょっとばかし理解に苦しむ、、、
    血縁や因果みたいな関係性の複雑さ、面白さ、奇怪さを書こうとしたのかな?題材としては面白いんですけど物語としてはあまり面白くなかった印象です。

  • 白石一文の作品を幾つか読んできたが、初めて女性が主人公のものに当たった。そのせいか、生む性としての女性とそうでない男性の関係とか、そういう本質が隠されている社会の実態というところに焦点が当てられている気がする。その上で思うのは、白石作品には、世の中の悲惨な状況を救わなければならない、というメッセージを持つものが多いということ。本作でも、血を分けた子供を生み育てることも大切だが、だからといって、家族という小さい集団さえ幸福ならば、その外で悲惨な境遇にいる弱者を無視してよいわけではない、というメッセージを感じた。
    このほか、本作は、人と人との不思議な縁について、一見関係ないように見えても実はどこかでつながっているということを小説らしい手法で描き出し、そのスリリングな展開には惹かれるのだが、残念ながら、登場人物が多すぎて、名前や関係性が覚えられず、しばしば戸惑った。そうやって、すんなりと読み進められなかったのは、少し残念。

  • 内容(「BOOK」データベースより)
    ひとかけらでいい。僕が死んだら、愛する女性の骨と一緒に眠らせてほしい。最愛の父に愛人がいた…。見知らぬ男からもたらされたのは、娘が最も知りたくなかった事実。しかし亡き父の妄執は、35歳の主婦・美砂子の結婚生活にまで影を落としていく。ぬるく濁った世の中を貫けるのは、時間の流れをもねじ伏せるほどの「強い感情」だけなのか―。圧倒的長編小説。

  • 血縁関係がすご過ぎて、途中少し
    興ざめしてしまった。
    物事をあまり深く考えないたちなので
    様ざまなことを動機付けしていく
    登場人物たちには感心と同時に
    半ば呆れてしまう。

  • 近親相姦な匂いが少ししました。なんか、死んでからも、娘や元妻や愛人にこだわる父親に、かなり気持ちの悪さを覚えました。主人公の美砂子が、気の強い性格付けで、少し親近感があったので、まだ救われましたが。

  • 中盤あたりでぐっと引き込まれる。けど血縁関係のくだりがくどいかな。

  • ありえんやろーってくらい、人間関係 繋がりすぎの絡みまくり。
    そしてそれで…という結末。

    だけど、きらいじゃない。
    寝る間を惜しんで読んでしまったのだから。

  • うーん....彼的には意欲作なんだろうけど、明らかに消化不良....残念 (´・ω・`)

  • 白石さんらしい深い思索もはいった小説。主人公、美砂子の砂って一風かわった名前だ。表題の砂と関係あるのかな。本の装丁は新宿副都心の夜景だ。東京砂漠?

著者プロフィール

1958年、福岡県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。文藝春秋に勤務していた2000年、『一瞬の光』を刊行。各紙誌で絶賛され、鮮烈なデビューを飾る。09年『この胸に深々と突き刺さる矢を抜け』で山本周五郎賞を、翌10年には『ほかならぬ人へ』で直木賞を受賞。巧みなストーリーテリングと生きる意味を真摯に問いかける思索的な作風で、現代日本文学シーンにおいて唯一無二の存在感を放っている。『不自由な心』『すぐそばの彼方』『私という運命について』など著作多数。

「2023年 『松雪先生は空を飛んだ 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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