- Amazon.co.jp ・本 (474ページ)
- / ISBN・EAN: 9784103068822
感想・レビュー・書評
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「のぼうの城」の和田竜の作品。
瀬戸内の海賊から見た織田信長と本願寺の戦い。
斬新な切り口で、スピーディな展開。
本屋大賞受賞作☆
村上海賊の末っ子で一人娘の景(きょう)がヒロイン。
自ら海賊働きをするのが大好きで、腕は立つが気が荒い、大変なおてんば娘。
彫りの深い顔立ちは当時の基準としては醜女で、20歳になっても嫁の貰い手もない。
父には甘やかされていて、世間知らずなのだが‥
実は現代的な顔で、オランダ人が出入りする町ではけっこう美人と思われると聞いて?
この姫が婿探しをしつつ、戦に巻き込まれていくのです。
縁談の相手の児玉就英(こだまなりひで)は、毛利家直属の水軍の長で、美丈夫だがやや権高い。
景の父が条件として持ち出した縁談を、最初は一蹴するが‥
景が出会う眞鍋海賊の長は、眞鍋七五三兵衛(まなべしめのひょうえ)といい、力自慢の大男。
なかなか器も大きそう?
3人とも成長の余地ありなので、先の展開が楽しみです。
天正4年。
織田信長と6年も戦い続けている大坂本願寺。
さまざまな要求に応じても来たのだが、本拠地を明け渡せという要求を断り、ついに徹底抗戦の構えに。
鉄砲傭兵集団の雑賀党の鈴木孫市は、無謀な闘いと見て気乗りがしないが部下に一向宗信徒が多いため、味方として参じている。
本願寺の顕如は、お公家さんだったという指摘も面白い。母は公家の出で父を早くに失い、若くして跡を継いだため、人柄はいいが世事に疎いところがあったのでしょう。
現代では大阪とされる一帯は当時は難波と呼ばれ、大坂といえば大坂本願寺のことを指したそう。
織田軍が砦で囲んで封鎖してくる中、立てこもる本願寺に食料を運び入れるため、海賊を頼ることとなる。
瀬戸内では、海賊がいまだ勢力を伸ばしていた。
海賊といってもむやみに略奪するわけではなく、複雑な海域を通行する船を管理するような立場で、通行料を取り、抗わなければ争うことはない。
村上海賊で一番大きい能島村上のみが独立を保ち、他は既に大名家の配下同様だった。
能島村上家の当主・武吉が景の父親。
武吉に依頼に行くのは、小早川隆景の重臣で水軍の乃美宗勝で、武吉とは旧知の古強者。
生き残りをはかって態度を鮮明にしない毛利家も、ここへ来て織田につくか、本願寺につくかの決断を迫られます。
怜悧で賢しい小早川隆景や、豪胆な兄の吉川元治の思惑。
この二人の甥(長兄の息子)で跡を継いでいる輝元などは、今の大河ドラマでもおなじみの顔で、なるほどと楽しめます。
癖のある登場人物が生き生きしていて、ずばずばと描写され、面白く読めました。
映像化にも向いてますね。
ヒロインは栗山千明でどうでしょう。
アニメのほうがいいかもしれない‥?詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
感想は下にまとめて!
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最初は読み進めるのに苦労したけど、それもこれもあの下巻につながるため、途中で投げださなくてよかったと思った。
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なんでえ泉州侍だけ、方言なんよお?
村上さんたちも、広島弁でええんちゃうん!
泉州の言葉、上手にかいちゃんのやさけ。
広島弁もちゃんとしてよお。 -
時は戦国。信長が全国統一を成し遂げようとしていた時。大坂に本拠を構える一向宗(浄土真宗)本願寺は信長方に包囲されつつあった。
名将雑賀衆の鈴木孫一が軍略を練るも、兵糧も尽き始め、敗戦の色を強くしていた。
しかしまだ海路の補給路である木津川は残されていたため、本願寺側は大国毛利家に海からの兵糧入れを申し込むことにする。
という話から始まる長編戦国活劇。
今回の主人公は瀬戸内海の覇者、村上水軍頭領、村上武吉の娘、景。
上巻は兵糧入れの願い入れから、信長方の本願寺攻めの陸戦までを描く。
笑える要素も盛り込まれ、戦の軍略には舌を巻く、めちゃくちゃ面白い本です。 -
これを血湧き肉躍る戦記物ととるか、ラノベタッチの歴史モノととるかは読んだ人それぞれの意見ですが、一気に読み進めさせる面白い本というのはコレ。
本屋大賞ノミネート作ということでたまたま読み始めたけれどそうでなかったら手に取らなかった。
怒涛の如く一気に下巻に雪崩れ込む。 -
初・和田竜。
のぼうの城からずっとおもしろそう・・・って思っていたのだけど
手が出てませんでした。
そんで今度の題材が村上水軍!しかも娘!なんとマニアな・・・
上巻前半は背景・人物説明なのでなかなか進みませんでしたが
登場人物が出そろい動き出したらおもしろい、おもしろい。
大河ドラマで観たい、と思わせるおもしろさ。
電車の移動中に読むと、目的駅で降りそこなうおもしろさ<実話です。
下巻を少し読み始めたけど、また違った展開が待っている予感。楽しみです。 -
和田竜の「村上海賊の娘 上巻」
男の憧れ海賊じゃが、女海賊のお話。
男勝りってかそれ以上の悍婦にして醜女な能島村上海賊の娘 景(きょう)が海で陸で暴れまくるw
大阪本願寺と織田信長の戦に、下心から足を突っ込む事になる景は純粋無垢な真の肉食女子w
歴史の勉強にもなるし和田竜さんの本は読み易いし面白いなぁ♪
地元瀬戸内海の話じゃしw
丁度ハラハラ、ドキドキする所で上巻終了w
この後の展開と恐らく隠された秘密がどうなるのかも有ると思うんで下巻も楽しみ♪ -
9年の時を経て再読。それから旅行の予習として読み直すことにしました。
最初の方は地域名が頻繁に出てきて、地図と往復しながら読んでいました。
戦闘シーンは非常にかっこ良かったです。景さんは時代小説ではあまり見られない(どちらかと言えばアニメに出てくるような)女性なので、いっそう惹かれるような気がします。