気まぐれ美術館

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (327ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103110026

感想・レビュー・書評

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  • 2016/4/24

  • 語りかける様な文体でスイスイ読める。
    思想と戦争が根底にあるが、それを超えて、人と人との繋がりが美術によって書かれている。

  • 74年から作者がなくなるまでの14年間、芸術新潮に連載された美術随想(『絵のなかの散歩』は書き下ろし)は、「私はその絵を私の人生の一瞬に見立てて、その絵を持つことによってその時間を生きてみようとした」、と書く人のものだから、当然私小説となり紀行文となり評論となり、ただ洲之内徹その人になっていく。負けた人の話だと思う。いまどきの位取りごっこの勝ち負けではない。自分で自分に敗れる。なにかを諦める。諦めきれずもがく。そこから美しいものを仰ぐ──人の文章だと思う。そういう人がこれだけのものを残した。残されたものに私が感じるのは、慰撫です。

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著者プロフィール

洲之内 徹(すのうち・とおる):1913 - 1987年。愛媛県出身。美術エッセイスト、小説家、画商。1930年東京美術学校建築科在学中、マルクス主義に共感し左翼運動に参加する。大学3年時に特高に検挙され美術学校を退学。20歳で再検挙にあい、獄中転向して釈放。1938年、北支方面軍宣撫班要員として中国に渡り、特務機関を経て、中国共産党軍の情報収集に携わった。1946年、33歳で帰国してからの約20年間、小説を執筆。3度芥川賞候補となるが、いずれも受賞はかなわず。1960年より、田村泰次郎の現代画廊を引き継ぎ画廊主となった。1974年から連載を開始した美術エッセイ「気まぐれ美術館」は人気を博し、小林秀雄に「いま一番の批評家」と評された。

「2024年 『洲之内徹ベスト・エッセイ1』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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