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- Amazon.co.jp ・本 (327ページ)
- / ISBN・EAN: 9784103110026
感想・レビュー・書評
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2016/4/24
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語りかける様な文体でスイスイ読める。
思想と戦争が根底にあるが、それを超えて、人と人との繋がりが美術によって書かれている。 -
74年から作者がなくなるまでの14年間、芸術新潮に連載された美術随想(『絵のなかの散歩』は書き下ろし)は、「私はその絵を私の人生の一瞬に見立てて、その絵を持つことによってその時間を生きてみようとした」、と書く人のものだから、当然私小説となり紀行文となり評論となり、ただ洲之内徹その人になっていく。負けた人の話だと思う。いまどきの位取りごっこの勝ち負けではない。自分で自分に敗れる。なにかを諦める。諦めきれずもがく。そこから美しいものを仰ぐ──人の文章だと思う。そういう人がこれだけのものを残した。残されたものに私が感じるのは、慰撫です。
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