遠くの声に耳を澄ませて

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 510
感想 : 96
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  • Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103139614

感想・レビュー・書評

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  • 登場人物が微妙に重なったりする連作短編集。
    「Re-born はじまりの一歩 」という本の短編で宮下さんを知り
    スコーレNO.4を読んでやっぱり好きだと思い、この本も読んでみる。
    日常に佇む(潜むというより佇むと言いたい)繊細な感情をとても
    うまく表現できる作家さんだと思う。
    どの短編も結論があるわけではないんだけど、これからへと続く
    爽快感というかここから始まる、良いことが始まるんだっていう
    気持ちのよい読後感が絶妙に表現されていてとても好きだった。
    また新刊が出たのでそちらも読んでみたい。
    これから注目したい作家さんだ。

  • 何でもない日常を描いているのだけど、読みおわった後もう一度じっくり読みたくなる短篇集。

  • 暗いけど読みやすい短編集。

    人それぞれに、幸せを感じる何かがあり、
    どんな事でも見くびらず、丁寧に毎日を過ごしていきたいとおもった。

    この作者は、ことばにしにくい事や、感情を描くのが本当に上手い。

  • いやー切ないすね。よかとですよ。
    なごみ系でした☆

  • どの小説も優しく,そして美しいです。

  • ただの短編集かと思いきや、ひとつひとつの話の登場人物に共通する人がいたりして、不思議なつながりを感じる短編集。どの話も大きな事件が起こるわけではなく、感動したーという読後感は残らないけれど、何か心地よい気分が残る。

  • 宮下奈都さん、はじめて読みました
    よかったです
    人の心の中を描くのがうまいんだな、と思いました
    気付かなければ気付かなくてもいいようなつながりのあるお話たち

  • 『コイノカオリ』の「日をつなぐ」で初めて宮下奈都を読んで妙にひかれた。

    短編集なんだが少しずつリンクしていて
    でもほんのすこしずつであれこの人どこにでてきたっけみたいな。

    土鍋でしかご飯炊いたことないっていうあの人のキャラクターが印象に残ってます。

  • 12編からなる短編集。なのだけれど、登場人物が少しづつリンクしていて、主役でないときの人物の過去や未来が描かれていて「ああ、繋がっているのだなぁ。」と、そこに確かに生きてることを感じさせてくれる。
    一人称で物語りは進み、1つの短い間にも回想が含まれているので、物語にふくらみがあるような気がします。
    こうだったから今がある。こう繋がっている。
    それぞれの主人公の痛みや切なさ、そこからの再生物語。
    悩みや問題を抱えているのは自分だけじゃなく、自分に関わっている誰しもが、それぞれの痛みを抱えこの人生を生きているってことを教えてくれます。
    文章もとても優しく、私は好きです。

  • 跡継ぎのいないまま農業を続けて倒れたじいちゃんが聞いた
    「アンデスの声」
    恋人にふられたところにかかってきた電話で波照間島へ飛ぶ
    「転がる小石」
    恋人が旅人となり、息子もまた旅に出てしまう
    「どこにでも猫がいる」
    出張で来た田舎で小学校の転校生と今の恋人を思い出す
    「秋の転校生」
    今日もナースコールで呼ばれ、隣の患者への愚痴を聞かされる
    「うなぎを追いかけた男」
    むずむずを治すために会社で聞いた医者に会いに台湾まで行く
    「部屋から始まった」
    大学時代からのしっかりした級長がこの旅でぼんやりしている
    「初めての雪」
    家庭教師先の女の子から聞いた噂の正体を知りたくなる
    「足の速いおじさん」
    箱入り娘だった彼女が料理研究家になったきっかけ
    「クックブックの五日間」
    先輩社員としてつんつんしてしまう自分と紅茶の関係
    「ミルクティー」
    又従姉の結婚式のために田舎に帰るとお使いを頼まれる
    「白い足袋」
    退院した老人が同室だった男の四十九日帰りに病院に立ち寄る
    「夕焼けの犬」
    装画:網中いづる 装丁:新潮社装丁室

    台湾や病院、方言によって薄くつながっている短編集。
    どの話も何かが解決して終わるのではなく、
    その先に何が待ち受けているのか知りたくなる終わり方です。
    「どこにでも猫がいる」は時間を錯覚しそうで面白い。

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著者プロフィール

1967年、福井県生まれ。上智大学文学部哲学科卒業。2004年、第3子妊娠中に書いた初めての小説『静かな雨』が、文學界新人賞佳作に入選。07年、長編小説『スコーレNo.4』がロングセラーに。13年4月から1年間、北海道トムラウシに家族で移住し、その体験を『神さまたちの遊ぶ庭』に綴る。16年、『羊と鋼の森』が本屋大賞を受賞。ほかに『太陽のパスタ、豆のスープ』『誰かが足りない』『つぼみ』など。

「2018年 『とりあえずウミガメのスープを仕込もう。   』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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