遠くの声に耳を澄ませて

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 512
感想 : 96
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  • Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103139614

感想・レビュー・書評

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  • 人と人との繋がりを、優しく伝えてくれた。
    心が暖かくなりました。

  • 波長があってる。
    つまり好きな雰囲気の本。

    人と人って、ちょっとずつ重なって生きてるんだね。
    自分ひとりでは決して築けない、そして気付けない、その重なりが愛しい。

  • 日常の風景。
    短編ごとの登場人物が、たまに繋がるのがおもしろかった。
    アンデスの声は泣けた
    クックブックの…も、情景と気持ちの動きがうかんでよかった。
    うなぎの卵は私が、生きてるうちに見つかるかな

  • 12編からなる短編集。なのだけれど、登場人物が少しづつリンクしていて、主役でないときの人物の過去や未来が描かれていて「ああ、繋がっているのだなぁ。」と、そこに確かに生きてることを感じさせてくれる。
    一人称で物語りは進み、1つの短い間にも回想が含まれているので、物語にふくらみがあるような気がします。
    こうだったから今がある。こう繋がっている。
    それぞれの主人公の痛みや切なさ、そこからの再生物語。
    悩みや問題を抱えているのは自分だけじゃなく、自分に関わっている誰しもが、それぞれの痛みを抱えこの人生を生きているってことを教えてくれます。
    文章もとても優しく、私は好きです。

  • 素晴らしい短編集!
    主人公たちは、迷い、立ち止りながら、また歩み始める。
    気持ちが振れる感じや、その場所の空気の感じが、読んでいるこっちにまでまるで生みたいに伝わってくる。

  • 旅をテーマにした短編集。
    実際に旅した人もいるし、心で旅をした人もいるし、
    人生そのものが旅なのだなぁ。

    登場人物がちょっとずつ重なっていて、発見すると何だかうれしい感じ。
    何度も繰り返し読みたい、静かな作品でした。

  • ひとつひとつよかった。さりげない繋がりがまたいいし・・・★

  • 宮下さんは短編がうまいなあ。初めて彼女の作品を読んだときの感動が蘇った。迷ったり、悩んだり、決して器用ではない登場人物たち。でも、それぞれのやり方で自分なりの一歩一歩を進んでいく。なんてことない小さなドラマだけど、読む側も必ず「曇りのち晴れ」な気持ちになれる作品ばかりだ。構成もうまく、派手さはないもののしっかりと心に残る。まるでミルクティーのような(作品にも出てくるけど)、作者の優しさ温かさがたっぷり詰まった一冊だ。

  • どのページを開いても、自分がいるようで…大きな事件が起きるわけではなく、劇的な展開があるわけでもなく。ただ、何気ない毎日が何気ない文章でつづられている、それなのにどうしてこんなに心がキュンとなるんだろう。一見何も関係のない話が集められた短編集なのだけど、登場人物のいろんな面がいくつかの章の中に描かれていて、そういう意味でもとてもとてもリアルで読み心地がいい。何度も読み返したくなる、そんな本だ。

著者プロフィール

1967年、福井県生まれ。上智大学文学部哲学科卒業。2004年、第3子妊娠中に書いた初めての小説『静かな雨』が、文學界新人賞佳作に入選。07年、長編小説『スコーレNo.4』がロングセラーに。13年4月から1年間、北海道トムラウシに家族で移住し、その体験を『神さまたちの遊ぶ庭』に綴る。16年、『羊と鋼の森』が本屋大賞を受賞。ほかに『太陽のパスタ、豆のスープ』『誰かが足りない』『つぼみ』など。

「2018年 『とりあえずウミガメのスープを仕込もう。   』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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