波の音が消えるまで 上

著者 :
  • 新潮社
3.62
  • (17)
  • (37)
  • (33)
  • (9)
  • (1)
本棚登録 : 348
感想 : 27
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (454ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103275176

作品紹介・あらすじ

あのマカオの地で――。生と死の極限の中、男はついに「一筋の光」をつかむ。著者初のエンターテインメント小説。千五百枚の超大作!

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • ☆☆☆☆ 星4つ

    香港とマカオからお話は始まる。そうあの名作『深夜特急』の始まりの場面を思い出させてくれる。
    ふーむなんだか本当に『新・深夜特急』を読んでいるような気分だ。
    いやいやこれはノンフィクションではなくて小説なんだ、と自分に言い聞かせながらも読みはずんずんススム。そうだこれは面白い小説なのだ。

    マカオの町中を歩く主人公がいる。
    今時は小説本を読みながらGoogle Mapなんぞでその足取りを確認することが出来る。
    実際「リスボア」というホテルの名前もMap上に確認できた。
    そしてついでにその語源が「リスボン」だということも解った。

    少し厄介なのはGoogle Mapの奴は漢字表記だということ。
    しかも日本人はとても苦手な簡体字を使っている。
    カタカナにしてくれとまでわ言わないが、せめてアルファベットくらいにはならんもんだろうか。
    あれれ?話がどんどん脇道へ逸れていく。

    実はこの本の中身も同じ様にすぐに脇道へ入っていってしまう。
    でもその脇道での話がたまらなく面白い。
    これらは実わ『深夜特急』と似ている。いやはや嬉しい。

    夢中になっていた「バカラ」の途中から今度はサーフィンとのなれそめ話題にあっという間に移っていってしまった。
    そしてこれがまた面白い。

    続いて一旦短くバカラの話に戻ったものの、次は唐突に女の話に移っていく。
    読んでいると「あれおや?いつ女の話になったのだろう」とページをめくり戻ると、これが上手い具合になんとなくさりげなくなのだ。

    いつもはこんな内容やストーリーに係ることは書かないのだけれど今回は書いている。
    でも内容そのものでは無くてストーリーをどのように転換していくか、という沢木耕太郎独特のテーリングについて書いているつもりである。面白い。

  • さらに、下巻続く。

  • 2022/6/24
    イヅコヘ。

  • 文学

  • 面白かった。最後までグイグイ。刹那的なところがたまらん。バカラをやりにマカオに行ってギリギリ感を感じたくなった。

  • サーフィンとカメラとバカラ、サーフィンとバカラの繋がりはわかったが、カメラは特に無かったようだ。バカラのことはかなり理解できたと思う。どんな展開になるのだろうか?

  • 老人が遺した一冊のノート。たった一行だけ書かれた、「波の音が消えるまで」という言葉。1997年6月30日。香港返還の前日に偶然立ち寄ったマカオで、28歳の伊津航平は博打の熱に浮かされる。まるで「運命」に抗うかのように、偶然が支配するバカラに必然を見出そうともがく航平。謎の老人との出会いが、彼をさらなる深みへと誘っていき…。緑の海のようなバカラ台には、人生の極北があった。生きることの最も純粋な形を求めて、その海に男は溺れる。

  • のめり込むように読み進めてしまったのは、僕もまた、ゲームは違うがギャンブルに興じているからか。
    マフィアにボコられるのは嫌だが、ここまで博打を掴むだけのための生活ができるなんて、少し羨ましくもある。
    続きが気になる。

  • 主人公あるいは読者の知りたいことは、だいたい登場人物のセリフで説明されていました。
    なんて親切な登場人物たちなんでしょう!

  • カジノ・バカラ・・・
    久しぶりの沢木さんだった
    ふ~~~ん

全27件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1947年東京生まれ。横浜国立大学卒業。73年『若き実力者たち』で、ルポライターとしてデビュー。79年『テロルの決算』で「大宅壮一ノンフィクション賞」、82年『一瞬の夏』で「新田次郎文学賞」、85年『バーボン・ストリート』で「講談社エッセイ賞」を受賞する。86年から刊行する『深夜特急』3部作では、93年に「JTB紀行文学賞」を受賞する。2000年、初の書き下ろし長編小説『血の味』を刊行し、06年『凍』で「講談社ノンフィクション賞」、14年『キャパの十字架』で「司馬遼太郎賞」、23年『天路の旅人』で「読売文学賞」を受賞する。

沢木耕太郎の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×