- Amazon.co.jp ・本 (172ページ)
- / ISBN・EAN: 9784103311911
感想・レビュー・書評
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温かい家族の絆なのでしょうが、なぜか心が締め付けられる辛い思いで読みました。
短編一つ一つがずっしり響きます。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ほっと暖かくなるお話と、なんとも辛くなるお話との混在だなーと思った。
わたしが好きなのは、
バーバのかき氷
こーちゃんのおみそ汁
季節はずれのきりたんぽ
の3編かな。
さよなら松茸は、主人公の立場に立つと、辛い。
寂しさの頂点な気がする。
いとしのハートコロリットは、読み始めてすぐにわかってしまった。
だから、最後の方に出てきた方の心情を考えると寂しく悲しい。
でも、主人公は、とっても幸せなんだろうと思うが、なんとも複雑だ。
ハートウォーミング的なものを想像して読んだので、ちょっと意図が外れてしまったが、微かに残る暖かさ。
読み終わった今は深夜。
朝起きたら、暖かい食事を作って、暖かいうちにみんなで食べたいなと思わずにいられない。 -
7つの短編集。印象深かったのは、「さよなら松茸」。自分が未練があるせいか、どうしても失恋の話に感情移入してしまう。最後だと思いながら美味しいものを食べるシーンも辛かったけれど、何より最後に宿泊のノートを見たシーンはなんとも言えない気持ちに。読んでいる私も胸がぎゅっとひゅっと掴まれた。
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幸せなときも、悲しいときも、特別な日も、3日後には忘れちゃうような日も、ごはんを食べて生きている。
そう、人生のほとんどは3日後には忘れてしまうような日でできている。昨日何食べたか思い出せないみたいに。ぼんやりとした“おいしかったな”という感覚を残して。 -
夜ご飯食べ終わったあとに読んでたのに、またお腹が空いてきた。小川糸は食べ物を美味しそうに描くのが本当に上手い。食リポやってるところ見てみたい。
家族っていいなぁと心から思わせてくれる物語が詰まった短編集。好きな人と食べるご飯ほど、美味しいものなんてない。 -
『食堂かたつむり』『『ツバキ文具店』『つるかめ助産院』
『『リボン』『』『たそがれビール』などなど。。。
2011年10月発刊のこの本は、
「旅」という雑誌に連載された短編集です。
どれも、食に関しての人の結びつきや心の揺れを
表現しています。
愛人を作り家を出た父から残された母娘。
祖母の認知症の進行で、母は面倒を見ることで
生きる支えを作ろうと、こころの傷を隠す。
反応の薄い祖母、母娘が昔一緒に食べたかき氷から
心が動き始める〜。
なくなった食い道楽の父親の遺言で、、と
同じものを美味しく感じる娘を嫁に、、、と
恋人を交通事故で失い、なにやかやと世話を焼いてくれた
同僚が連れて行った、少し小汚い中華屋。
そこで出てきた食べ物は、、、。
恋人同士で初めて旅した旅館。
次は松茸シーズンにぜひ、、と。
すれ違いが増え、別れ話の出た二人が再び。。。
20代でガンでなくなった母が、スパルタに幼稚園の娘に
伝えたのは、味噌汁の作り方。
煮干しの下ごしらえ、鍋でのから炒り、水を張って一晩。
野菜を入れて、味噌を投入のタイミング!
どれもこれも、「僕に毎朝味噌汁を作って」と
父が申し込んだ求婚のメッセージだった。
そして、嫁ぐ日の朝に最後の味噌汁を。。。
などなど、7作。どれもこれも暖かいショートショート。 -
短編集。登場人物はそれぞれ違うけれど、どれも食べ物がキーワードになっている。
読みやすいけど、読みながら涙があふれてくるから、落ち着くまで次の短編に進めない。
一番食べてみたいのは、「親父のぶたばら飯」に出てくるぶたばら飯。お店に入って真っ先にでてきたビールとしゅうまいも良い。食べたい!
「さよなら松茸」が一番心に響いた話だったけど、きっとまた別のタイミングで読んだら違うんだろうな、と思う。 -
小川さんらしい話も、ちょっと毛色の違う話もある短編集。
色んな料理が出てくるけど、何故か私はどれも
「わあ食べたい!」にはならず。
状況が特殊なせいか?
ただ、面白くなかったというわけでは全くない。それぞれちゃんと面白くて、泣けたりもしました。
切なくなったりもしました。 -
久しぶりの小川さんでしたが、少し話が暗めなのと、思ったほど、食べ物感がなかったので、私には、少し寂しかったです。
どうしょうもない哀しさがじわりと来る作品なので、それはそれで味があるのでよいのです。私は、単に、もう少し楽しく、丁寧に食事を作ったり食べたりする描写がある話が好きなだけなので。