- Amazon.co.jp ・本 (172ページ)
- / ISBN・EAN: 9784103311911
感想・レビュー・書評
-
やっぱり小川さんの小説は、生々しい感じがする。
美味しそうな食べものの描写の間に、痛々しいほどむき出しの心情が並べてあって、読んでいてぎょっとしたり、ドキッとしたりすることが多いけど、氷の山をスプーンで崩す様なさくさくした文体が軽快で、深刻さを緩和してくれているからいつの間にかするする読んでしまう。ふしぎだなぁと思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
今NHKで放送してる『ツバキ文具店〜鎌倉代書屋物語』で小川糸さんの作品を知って、読んでみたかった本。
せつなくなったり、少しぞわっとしたり、心が温かくなったりする。
食事って普段1人で食べることが多いけど、子供の頃家族で食べてた時や、時々一緒に食べるあの人のことが浮かんできた。
食べることって、色んな想いがあるんだな、と思った。 -
親父の豚バラ飯は素敵なお話だと思いました。
美味しい物を同じように美味しいと言い合えるパートナーは本当に大事な人だと私も思います。
こーちゃんのおみそ汁のお話は泣きそうになりました。 -
短編集。
バーバのかき氷
親父のぶたばら飯
さよなら松茸
こーちゃんのおみそ汁
いとしのハートコロリット
ぽるくの晩餐
季節外れのきりたんぽ
どれも食べ物に関する物語。
親父のぶたばら飯の中華料理の描写が、すごーーーく美味しかった!空腹の時に読んだら大変。
こーちゃんのおみそ汁は、嫁ぐ娘の話で、最近嫁いだ身として共感できて泣けた。
小川さんはごはんの書き方がすごく美味しい(´ω`)
じゅるり。 -
初めての小川糸さん。食堂かたつむりで有名なので、料理が出てくる本がいいと思い、読んでみた。短編集だけど、ひとつひとつ残りました。
親父のぶたばら飯の中華が本当に美味しそう!耐え切れず、読後、中華を食べに行った。
他の方が触れていない、または結構苦手と書かれているポルクの晩餐。わたしはさよなら松茸より、むしろこっちの方が好きだったかも。何が、と考えるとよくわからないけど、多分雰囲気が。
他のお話もほんの少し暗いものが混じっていて、好みの本でした。 -
人前では読んではいけない本でした。短編集ですが、どの章も涙なしでは読めないほどでした。それぞれの思い出ご飯。悲しさも苦しさも絶望も美味しいものと一緒なら半減してしまう、それが喜びなら倍増する。美味しい、というのは最大の魔法なんだと思います。手をかけて作る、人の顔が見えるものを食べる。今となってはなかなか難しいけど、食べることを大切にしたくなる作品でした。贅沢なものも、日常口にするものも、きちんと頂きたいと思います。小川さんは食堂かたつむり以来2冊目ですが食べ物の描写が本当に素敵です♪
-
一緒にご飯を食べる、その時間さえあれば、悲しいことも乗り越えられる―幸福な食卓、運命の料理とのふいの出会いを描き、深い感動を誘う、7つの物語。
-------------
大好きな作家と大好きな食べもの絡みの物語。
タイトルもものすごく好みだ。
ただ短編集のせいか、いつもの読んだあとのほっこり感に深みがなく、さらっと読むのによい感じ。
「バーバのかき氷」や「いとしのハートコロリット」など
老いに絡む話もあり、少しだけざらつきが残る作品でした。 -
大切な人と食べた時の思い出
ずっと忘れないものだなぁ、と
「親父のぶたばら丼」「こーちゃんのおみそ汁」がことさら沁みました -
『食堂かたつむり』以来の小川糸さんの作品を読んだ。作品『あつあつを召し上がれ』は短編集なのだが、この作品もやはり食にまつわる物語を集めた物になっている。
亡き人、これから別れる人、これから家庭を作ろうとする人等々それぞれの人生の重要な場面に寄り添っている食の場が見事に描き出されている。涙腺が緩む作品もあれば、背筋がちょっと寒くなるものもありさくっと読めるが飽きさせない短編集になっている。食にまつわる物語が好きな人は是非読んでみてください。 -
すらすらと読めてしまった。著者の作品は、「食堂かたつむり」以来だが、どちらも食べ物に関する描写がとてもうまいなと感嘆してしまう。
食事にまつわる思い出だが、美味しいものを食べることは悲しみなども乗り越えてしまうという力があるのだと気づかせてしまった。人を幸せにする力もあるんだと感じる。
「こーちゃんの味噌汁」は感動なしでは読めない作品。こーちゃんは、若くして亡くなった母の分まで幸せに生きて欲しいと願う。味噌汁も次の世代まで受け継いで欲しいなと、天国の母も喜ぶだろうと思う。
「親父の豚バラ飯」は中華料理店の豚バラ飯が美味しそうで、読みながらお腹が空いてきそうと感じてしまう。
「さよなら松茸」は旅館の料理はどれも美味しいが、別れの時が近づいていると思うと味も悲しみの入った切ないものとなると感じた。最後の二人の別れ方はもう思い残す事がないという清々しさが残る。今後は別々の道で幸せになって欲しいなと思う。