水神(上)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103314172

作品紹介・あらすじ

天が村の傍らに与えた恵みとなるはずの筑後川。だがその水は、一滴も村に流れてはこなかった-黙して泣き続けるよりも、身命を賭し、戦って散った方が、いい。川面に響いた五庄屋の悲痛な叫びが、一人の老武士の心を動かした。江戸時代の九州、民の夢をのせた工事実現まで、あとわずか。しかし-絶望に抗う人間たちの猛く尊き姿を見よ。

感想・レビュー・書評

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  • いい本だった。2011年は水の被害が多かったけど水はやっぱり大切だ。

  • 下巻参照

  • 下巻読了後記載する。

  • 上巻読了。

  • 「天に星地に花」の前編。身代と命を賭け、百姓たちのために筑後川の普請を成し遂げようとする庄屋の覚悟がすごい。オイッサ、エットナ、と何十年にも渡って打桶をしてきた伊八と、これから何十年もやり続けるつもりだった元助。私にとっては気の遠くなる話で、百姓仕事の大変さを垣間見た。

  • こんなに百姓のことを考える庄屋達がいて,それを実現するために力を尽くすことが,本当に奇跡のようなありがたいことに思える.そして,元助達の打桶の掛け声,オイッサ,エットナが頭に鳴り響く.

  • 九州を舞台とした土着の歴史を描くことに定評のある帚木蓬生の一作。風俗など細かい描写が豊かだが、ときにそれに筆を割き過ぎて冗長過ぎ辟易することもある。

    有馬藩が支配する一帯、江戸初期。
    筑後川から引水できない地方で、皮から水を汲み田に流す打桶をなりわいとする元助と、その主人である庄屋の助左衛門。助左衛門たち五人の庄屋は身命をかけて、土堤をつくり水の貧しい地帯を潤す一大工事への誓願を出す。

    上巻では、藩の許可が下りるところまで。

  • 名前が似たり寄ったりで、、、混乱している。村の個数も多い。

    庄屋さんの役割がわからなくて、調べた。
    農民の取りまとめ役。中間管理職みたいな感じかしら??

    大学(儒教の四書のひとつ)からの引用など、農民ながら登場人物に教養を感じる。
    周りにこういう人(中国の古代思想に明るい人)がいないこともあり、羨ましく思う。

    思想はともすると理想に傾きがちであるが、実践に置き換えていく行動力が素晴らしい。

    志が立派で、覚悟があって、全ては民のために・・・
    こんな政治家がいたらいいのにと思わずにはいられない。

    大事業の行方はどうなるのか、下巻へと進みたい。

  • 2013年9月22日に開催された、第9回ビブリオバトルinいこまで発表された本です。テーマは「映画化したい本」。

  • これまでこんなに美しい日本の物語に出会ったことがあっただろうか。

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著者プロフィール

1947年、福岡県小郡市生まれ。東京大学文学部仏文科卒業後、TBSに勤務。退職後、九州大学医学部に学び、精神科医に。’93年に『三たびの海峡』(新潮社)で第14回吉川英治文学新人賞、’95年『閉鎖病棟』(新潮社)で第8回山本周五郎賞、’97年『逃亡』(新潮社)で第10回柴田錬三郎賞、’10年『水神』(新潮社)で第29回新田次郎文学賞、’11年『ソルハ』(あかね書房)で第60回小学館児童出版文化賞、12年『蠅の帝国』『蛍の航跡』(ともに新潮社)で第1回日本医療小説大賞、13年『日御子』(講談社)で第2回歴史時代作家クラブ賞作品賞、2018年『守教』(新潮社)で第52回吉川英治文学賞および第24回中山義秀文学賞を受賞。近著に『天に星 地に花』(集英社)、『悲素』(新潮社)、『受難』(KADOKAWA)など。

「2020年 『襲来 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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