- Amazon.co.jp ・本 (259ページ)
- / ISBN・EAN: 9784103348719
感想・レビュー・書評
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読んだような気はしてた。うん。
でもそれを忘れてまた読んでしまう私。
なんか前に読んだ時よりも心にしっかり残ったな。
それだけ私も歳をとったって事かしらね。
昔と今とが交錯しながら明るい方へと向かっていく。
私の人生もそんな風に向かっていけるかなとほんのり勇気をもらいました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ひたむきに生きる、人を思うひたむきさが切ない物語だった。
45歳の水樹の回想は静かで穏やかだが、子どもの頃の水樹も同じ団地に住む信也たち3兄弟、同級生の憲吾にしても家庭状況はかなり過酷だ。
子どもには大き過ぎる悲しみを背負わされている。けれど、どの子も歪むことなく素直で優しい。
回想は優しさに包まれた幸せな時間が散りばめられている。心暖まるエピソードがとても良い。出会う人がまた素敵なのだ。
大人になった水樹がへこたれそうになった時、支えてくれたのは過去のそんな想い出だ。
水樹が信也を思い続ける、ひたむきさにも胸が熱くなった。
人との関わりのひたむきさ、優しさの意味を考えさせられました。 -
切なく、でも強く前向きになれるストーリー。
信也も憲吾もなかなか過酷な人生だな。
水樹も含め、強く、たくましく育っていけて(小説だからだけど…!)よかった。
思春期に出会う友達、教師、すごく大切。 -
読みながら何度も心が揺さぶられて、目頭が熱くなった。
もう戻れない時。会えない大切な人。
永遠の別れ。
小学校、高校時代、そして現在と流れる時の中で、今なお色褪せる事ない思い出と、いつもそばにいた人達の存在。
五人で手を繋いで行った夏祭りの、あの日の幸せな時を思うと切なくなってくる。
多感な時期に傷ついたまだ幼い彼らに「頑張ったね」って言って、抱きしめてやりたいと思う。
風変わりで周囲から浮いてしまう弟を見守る、兄二人も良かった。
特に正浩は小学生ながら物凄い人格者で、人当たりも良い。
でもその完璧さの裏で、本当は彼も憲吾のように色んなものをその胸に抱えていたのかもしれないな。
同じ団地で育ち、共に遊び大きくなった水樹と信也。
ある時は水樹が信也を慰め、ある時は信也が水樹を励まし、お互いに支えあってきた二人。
音信不通になり信也の行方がわからなくなっても、何年、何十年経っても、彼への一途な想いを持ち続ける水樹。そして同じように信也も…。
なんかもう読んでて胸がいっぱいになった。
どんなに辛く苦しい中でも、人が人を想う気持ちは美しい。 -
僕にはかなりビターな、「救いようのない話」のぎりぎり一歩手前のように感じられたが、その残されたかすかな希望がそれだけにとてもリアルで重くせつない読後感を残した。そのビターさにはホラーやサスペンスのような誰かの悪意によるものではなく、お話の都合というつくりものめいたハプニングによるものでもなく、今の社会の在り方だと確かにそうなってしまうかもしれないというところから出ているので、重く受け止めざるを得ないのだが、この世の難しさはすでに感じすぎているほど感じている身としては、フィクションくらいもう少し明るさがあってもいいかもしれないとは思った。
その一つの塩梅として、主人公の現在の年齢設定が45歳というのはちょっと厳しすぎるようにも思えた。物語は現在と過去を往復しながら進むが、過去の回想は主人公たちが小学校ごろから専門学校卒業というところまでで、それ以降は急に現在に飛んでいるのだから、その飛んでいく先の現在は30くらい、遅くても35くらいでも良かったのではないかと思えた。
そう考えるのは、自分らがそのくらいの年で最初の子を授かった時点でもう周回遅れという感じを受けているからかもしれない。
とはいえ、作者とほぼ同世代の人間として、共有している時代感覚のリアルさはおかげではんぱなかった。 -
純粋でまっすぐに自分の信じた道に向かって生きている人が身近にいるからお互いに襟を正して生きていられる、そんな感じがした。後悔しない生き方のお手本のようにも思える。初読みの作家だが他の作品も読んでみたいと思う。
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いやぁ・・・
年末に今年読んだ本を振り返ったときに、5本の指に入ってくるだろう。間違いなく。
私たちも、命のリレーをしている。
先祖から受け継いで、次の世代につないでいる。
なんとなく閉塞感漂う世の中だけど、がんばる背中を見せなかったら、子どもたちもがんばっていけないよな・・・
別に大金持ちでもないし、平凡な人だけど、困難に直面したら自分なりの戦い方で、日々できることを精一杯やっていこうと改めて思う。 -
自分の夢を叶えるのは、強い意志さえ持っていれば、年など関係なく挑戦することだと思った。
高校担任の先生が、もっと自分の事を親身に考えてくれる人がだったら、人生変わっていたかも!
何て人のせいにしてはいけないな!
この本は、よく過去の話と今の話が交互に出てくるが、違和感なくすんなり読めた。
好きな作家の一人になり、他の本も読もうと思う。