BUTTER

著者 :
  • 新潮社
3.53
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本棚登録 : 4992
感想 : 658
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  • Amazon.co.jp ・本 (460ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103355328

感想・レビュー・書評

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  • 背景を知らずに、おいしそうなタイトルだなと思って読んだら、予想外に重くて長い話だった。濃厚なバター。

    主人公の里佳も気になるけれど、個人的には伶子の生き方が気になった。弱いようで強いようで。
    読んでいる間、なんだかこちらまで張りつめた気分があったけれど、最後のパーティーではほっとした。

    バターを使ったお菓子や料理はおいしいけど、夜中のラーメンにバターましましは、ちょっとこってり重すぎるかなぁ。ほどほどがよいです。

  • 記憶にある事件と被る。それだけでゾッとしたけど、それだけリアルでもあった。

  • 暴力的ともエロティックとも言えるような料理描写。
    今すぐバターをご飯に、、、いやバターそのまま齧りたい!

  • 木嶋佳苗の事件をモチーフにしたとすぐに分かるお話です。日本を震撼させた犯罪と、柚木先生お得意の美味しそうな料理の描写が絶妙に融合された傑作です。梶井真奈子の許せないものの一つがマーガリンというのが私と一緒で、少しだけ共感してしまいました。

  • ちびくろサンボ!私も大好きだった。あの絵本。虎がぐるぐる追っかけっこしてたらバターになってそれをパンケーキにするなんてぶっ飛んでいる。あの絵本。

    すぐに、木嶋佳苗のことだとわかる書きっぷりだが、やはり柚木麻子は女同士の会話を書かせると本当に読み応えある。

    一つ注意するとすれば、夜中に読まないことだ。バター醤油ご飯ならぬ、私なら、バターたっぷりのトーストやバター醤油餅を食べてしまいたくなるほどお腹がすいてきますよ。

  • はぁ、面白かった。渦巻く感情。嫉妬、自己顕示欲なのか女対女の凄まじい感情のぶつかり合いを眺めた。

  • ドッシリとした作品。

  •  この物語のベースとなっている、木嶋佳苗の事件当時はあまり興味を持たなかった。なぜかはわからないが、嫌悪感があり、それはどこからくるのか説明できなかった。今回この本を読み、その嫌な感じがわかった気がした。
     「らしさ」に囚われていた自分、「らしさ」を求めている世間、などにじわじわと追い込まれそうだったのではないか。そこから逃げるために、あの事件を見ないようにしていたのではないか。
     そんな事を考えたお話だった。

  • おいしいものを一緒に食べたい相手がいることの幸福さ。
    七面鳥を食べる10人がいなくても一人でもそんな相手がいる。
    「自分から動く」「素直に」
    こんな正論は静かに確実に苦しめていく。
    欲しいと思う相手のために、尽くして傷付けられ、それどころか空回って孤立したりする。
    まるで自分の思い通りになる相手を求めてるように見えるけど、本当に欲しいのは逃げ場になってくれる存在である気がする。
    それは恥ずかしい弱い姿を晒せる覚悟を持てる相手でもある。

  • 読み終わったあとの満足感すごかった
    食と女
    私はやっぱりフェミニズムっぽい話が好きなんかな

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著者プロフィール

1981年生まれ。大学を卒業したあと、お菓子をつくる会社で働きながら、小説を書きはじめる。2008年に「フォーゲットミー、ノットブルー」でオール讀物新人賞を受賞してデビュー。以後、女性同士の友情や関係性をテーマにした作品を書きつづける。2015年『ナイルパーチの女子会』で山本周五郎賞と、高校生が選ぶ高校生直木賞を受賞。ほかの小説に、「ランチのアッコちゃん」シリーズ(双葉文庫)、『本屋さんのダイアナ』『BUTTER』(どちらも新潮文庫)、『らんたん』(小学館)など。エッセイに『とりあえずお湯わかせ』(NHK出版)など。本書がはじめての児童小説。

「2023年 『マリはすてきじゃない魔女』 で使われていた紹介文から引用しています。」

柚木麻子の作品

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