- Amazon.co.jp ・本 (342ページ)
- / ISBN・EAN: 9784103361510
作品紹介・あらすじ
「整形シンデレラ」とよばれた確定死刑囚、田中幸乃。その女が犯した最大の罪は、何だ? 殺されたのは三人だった。幸乃の元恋人だった男の妻とまだ一歳の双子の姉妹。なぜあの夜、火は放たれたのか? たったひとり、最後まで味方であり続けようとする男。なぜ彼は、幸乃を信じることができるのか? すべてを知らされたときあなたは、真実を受け入れることができるだろうか? 衝撃指数極大値。圧倒的長編。
感想・レビュー・書評
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恵まれない境遇で成長した田中幸乃は長じて放火殺人事件を起こし死刑判決を受け執行を待つ身だが、抗うでもなく寧ろ心待ちにしているように見受けられる。彼女は果たして如何なる真実を秘めているのか、如何なる過程を辿ってきたのか?
幼い無垢な子供時代の絆が時を経て意外なかたちで絡み合う。読み手をぐいぐいのめり込ませて行き、いつかどこかで誰かの作品にあったような既視感もあったけど一気に読了しておりました♪詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
切ない、やりきれない気持ちでいっぱいになりました。読んでいて辛くなるけど引き込まれてしまう早見さんの小説はスゴいなぁといつも思います。
幸乃みたいな人が実はいるんじゃないか...と思ってしまいました。あってはならないことだけど。 -
放火殺人で死刑判決を受けた幸乃。
彼女が生きてきた壮絶な人生が彼女と関わった人々から語られる。
あまりにも辛い。
幸乃を救ってあげたかった。
彼女に生きる希望を持って欲しかった。
周囲の人間がほんの少し勇気を出して優しさを持って幸乃に接していたら違う人生を歩めたかもしれない。
でも結局は本人の生きる意志の問題なんだろう。
ハッピーエンドにして欲しかった。
残念・・・ -
人は完全に1人にはなれないんだよな……。
幸乃と関わった人全ての思いと、幸乃が関わった人たちの記憶からも消えたいと思うほど「生まれてきてごめんなさい」と思う気持ちと結末を思うとやりきれないというか、幸乃と、翔と慎ちゃんとの思いのギャップを思うと胸が苦しくなる……。
『とある死刑囚』の死という点ではいずれは風化され人々の記憶からは消え去っていくだろうけど、『田中幸乃』を知る人物にとっては。
面白かったです。 -
主人公の壮絶な境遇に引き込まれて、鬱々とした。
あまりにも作品の世界に引き込まれてしまって、衝動が止まらなくなりそうだった。 -
あまりにも切なくてやるせない。
雪乃に感情移入してしまい、読み続けるのが辛くなる場面も。
読み終わったあとの余韻がすごかった。 -
なんとなく『嫌われ松子の一生』を思い出した。
ひとりの若い女性死刑囚の生涯。
母を亡くしてから幸せに見放されてしまった幸乃。
それでも一生懸命生きてたのに結局なにも報われない。
現実の事件も本当の真実なんて明らかにされず冤罪になることも普通にあるんだろうか。
「田中幸乃」という名前の人にはこの本を読まないでほしい… -
読み進むうちにどんどん辛くなる。
30歳という若き女性が、こんなにも死を望まなくてはならない人生を思うと胸がつぶされそうになる。
何処かに救いはないかと思ったが、それも彼女の生きようとする思いには繋がらなかった。
何を裁いたのか、心に重く残る。