許されようとは思いません

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 1083
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  • Amazon.co.jp ・本 (235ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103500810

感想・レビュー・書評

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  • 究極の選択を迫られた女性の悲劇を端正な筆致と鮮やかなレトリックで描くミステリ短編集。

  • ミステリ短編集。ホワイダニットの物語、という印象。どれもそれほど大きい事件が起こるわけではなく、ささやかな謎かと思いきや。ラストまで読むとぞくりとさせられます。だけど怖いばかりでもなく、そこまで追い込まれてしまった人の心境を思えば、悲しくもある物語かも。
    お気に入りは「姉のように」。いったいどうなってしまうのかどきどきしながら読み進んだのですが。ラストでまさしく「えぇ?」となりました。ものすごーく単純な仕掛けかもしれないけれど、気がつかなかった!
    「許されようとは思いません」と「絵の中の男」にも驚愕。この動機は到底思いつかない……そしてそれほどまでにつらいことだったのか、というのがあまりに痛切。

  • 余命わずかな曾祖父を何故祖母は殺めたのかを描いた表題作から、自分の失敗を取り戻すために工作した男が事故を目撃したことから陥る窮地「目撃者はいなかった」、姉が事件を起こしてから人との関係が崩れていく「姉のように」ほか、丁寧な筆致で人間の心情と意外な真相を炙り出していく短編集。

    どの短編にもしっかりと各人の心情が描かれていて、特に「姉のように」ではだんだんと息苦しくなってくるような感覚にまでさせられました。その上あの展開ですからもう...。

    残りページわずかになってからの展開のさせ方がとても鮮やかで切れ味鋭いというんでしょうか、巧いなあと思ってばかりいました。

    どの話にも意外性だけでなく中身がぐっと詰まっていて、短編ミステリのまさに醍醐味を味わえる一作です、強くオススメしたい小説です!

  • 米澤穂信ファンの方のつぶやきを見て買ったが間違いのない買い物だった。
    表題作は閉鎖的なムラ社会で起きた殺人事件の話。伏線の妙と意外な動機に唸らされラストの余韻に浸れる快作。
    仕事でのミスを誤魔化すために取った一つの行動がドンドン主人公を締め付けていく「目撃者はいなかった」は決着の気持ち良さのせいで一番お気に入り。
    「ありがとう、ばあば」は伏線があからさま過ぎたのでオチが読めてしまったものの、視野の狭い祖母と孫の幼い悪意が絡んで徐々に嫌な気分になるのが良い。
    「姉のように」はすっかり騙された。騙しの構造が物語の大ネタと噛み合ってるのが好印象。最初のアレで気付けなかったのが悔しい。
    「絵の中の男」は画家の起こした事件がラストで転換して業を見せつけられる。
    どの短編も仕掛けと登場人物たちの生々しい生き様に満ちていて読みごたえのある一冊でした。

  • 芦沢さんの、作品を初めて読みました。短編だったのね。

  • 短編集。人の怖さの奥深いところを描いている。短い作品の中に重さとホラー味を感じた。

  • 短編が5話はいってます

    目撃者はいなかった

    面白かったです、

    パニック
    不運
    なんですべてが重なるのか?

    主人公とおなじくらいハラハラさせられました。

    ありがとうばぁば
    姉のように

    も、子育て中の親の気持ちがわかり
    とってもよかったです

  • 初読み作家さん。ドロドロしたイヤミスを読み過ぎなせいか、まだ軽い方のイヤミスって感じでした。5話からなる短編集だけど、物足りない感じはなく、特に「ありがとう、ばあば」と「姉のように」が面白かった。

  • 村社会怖すぎる。
    こういうことを平然とする人達って、高校時代はどんな感じだったんだろう。
    恩師とか、そんな姿を見てどう思うんだろう。

  • うーむ、、完全騙されるやつ!面白かった!

    短編集なのだけど、どれも最初の想定とは違った結末で。
    思い込みってやっぱりあるんだなと。

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著者プロフィール

1984年東京都生まれ。千葉大学文学部卒業。出版社勤務を経て、2012年『罪の余白』で、第3回「野性時代フロンティア文学賞」を受賞し、デビュー。16年刊行の『許されようとは思いません』が、「吉川英治文学新人賞」候補作に選出。18年『火のないところに煙は』で、「静岡書店大賞」を受賞、第16回「本屋大賞」にノミネートされる。20年刊行の『汚れた手をそこで拭かない』が、第164回「直木賞」、第42回「吉川英治文学新人賞」候補に選出された。その他著書に、『悪いものが、来ませんように』『今だけのあの子』『いつかの人質』『貘の耳たぶ』『僕の神さま』等がある。

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