- Amazon.co.jp ・本 (249ページ)
- / ISBN・EAN: 9784103506423
作品紹介・あらすじ
この清々しいまでに惨めな負け様を見よ! どん底から立ち上がる敗戦の将たちを描く時代連作。奸臣を侍らせ、女色に耽っていた関東管領・上杉憲政は、最愛の息子を討たれ、城を追われる。すべてを失った男が、難民となった領民たちと共に見た景色とは――使命に目覚める者、伴侶を見つけた者、負けることでしか望みを叶えられなかった者。時代小説界の新鋭が、敗れた武将たちに芽生える不屈の闘志を描く人間賛歌。
感想・レビュー・書評
-
敗れた者側の短編集、ということで、勝手に戦国時代の物語かと思ったら、鎌倉、室町だった。個人的には、特に鎌倉時代はほんとに興味が持てないので、いまいち気分が盛り上がらず。でも物語自体はとても丁寧に書かれていて、時代背景がよく伝わってくる。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
敗者は歴史の構築に人生を賭けたからこそ、敗者となることができた、とはどこで読んだ言葉だったか。一字一句あっているわけでもないし、使う意味合いも違うかもしれないけども、敗北した人物の歴史小説を読むときに思い出す言葉です。矜持が感じられる言葉。
「管領の馬」と「沖田畷」が、その意味合いでは好きな物語かな。「沖田畷」は特に好きです。敗北から学んだことを、後世に引き継ぐことの重要さ、かな教訓とするならば。
板額御前の「越後の女傑」。バトルヒロインが好きなので、ただただ楽しい。無骨な与一とのラブロマンスとしてもいいです。「もう一人の源氏」に登場する北条政子も女傑と呼ばれる人物ですが、バトルの場が違うので物語の人物として好きではないのです。テンプレですが、怖いという印象が強いです北条政子。怖さは強さだけども。
敗者には敗者の矜持があると思いつつも「春王と安王」のような物語には悲しみしか覚えない。この後、嘉吉の乱が起こったことを思えば、赤松満祐の最後の一押しになったのかもしれないけども。これは上手く読まされたということか。 -
勝者の陰で戦国時代に敗れた武将にスポットを当てた物語
-
日本人の潔さと至らなさが交錯するのが、何かに敗れた時という事。自分にとって敗れども負けないポイントは何だろう?
-
短編集。
・上杉憲政
・板額御前
・鍋島信生
・結城合戦
・貞暁