オーバーヒート

著者 :
  • 新潮社
3.40
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本棚登録 : 504
感想 : 38
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  • Amazon.co.jp ・本 (185ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103529729

感想・レビュー・書評

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  • 主人公が世間に対して毒づいているのが
    なかなかおもしろくて、ついクスッと笑いながら読んだ。

    心の内やツイッターは露悪的だけど、
    年下の彼氏に対しては弱気だったり、
    リアルで会うと声に出せないあたりがなかなか良い。

    読みやすい文章であることと、
    全く縁のない世界であることから、そうなのか!と
    ルポルタージュ的に読んでしまった部分があり、
    文学的な良さを味わうところまでは、たどり着けなかったかも。

    物語の本筋ではないけど、
    ネットに関する意見に頷けるところが多く、
    最新作の「エレクトリック」はネット黎明期の物語だという書評を見たので、
    そちらを読んでみたくなった。

  • 千葉さんの本はこぼしたくないと思うモノがたくさん詰まっているから、毎回読み終わってすぐ読み返す。
    正直小説は期待していなかったがひっくり返った。小説でここまでこぼしたくないと思えるモノを詰めてくるのかって。

    何回か挟まってくるニンゲンの身体たちの表現がすごく苦手だったけれど、それでも読みたいと思わせられた。
    図書館で借りて読んだ、部屋に置きたいから買いたいと思った。

  • 他者に真似できない具体性は面白かったが、主人公の内面描写としての本で終わってしまう感じもした。

  • 大阪にしか住んだことがないので、外から来た人視点の大阪の描写がおもしろかった。
    自分の中で勝手にほぼ私小説なのかなと思って読んでいたけど主人公に名前がないところには妙な現実感のなさがあるような気がして、そのギャップに心地よさを感じた。

  • 直接的な表現が多くて途中で読み進められず断念。

  • 2022年9月
    リアルだー!っと感じ、面白く読んだ。
    リアルと感じたのはほどよい露悪から?Twitterで注目されるためにあえて挑発的な言葉を使ってツイートするくせに批判するようなリプが着くと怒って根にもつところとか。そのわりに、対面では結局何も会話しないで終わるところとか。
    あとリアルさ感じるポイントとしては自分が外側から見て想像していたゲイ文化が描かれているからかもしれない。と、すると、わたしの見たい世界というだけで本当のリアルというわけではないだろうけど。名前のある女性の登場人物が柏木先生となっちゃんだけで、毒にも薬にもならない妙にさっぱりしたキャラクターになっているのは、商業BL小説っぽい。でもこれゲイの人のリアルな感覚なのかな。

  • 記録

  • 前作「デッドライン」から時を経て40歳を過ぎた''僕“。20歳年下の恋人・晴人との日常を介して、主人公自身の時の移ろいを感じさせる。前作ほど哲学色が強くなく、純文学の要素を強く感じた。前作同様、タイトルの付け方がすごく良い。若い晴人に嫉妬したり、「結婚というゴールがない」というモヤモヤを乗り越えての最後のセリフにスッキリした。

  • 抑揚なく独白続く
    様々な哲学的要素は散りばめられてるけど
    内面的でつらい読み応え

    晴人への素直な気持ち
    家族との空気感
    そこはしかと受け止めた

  • 初作家さん
    大学で教鞭をとっている主人公〇〇
    そう 適当に名付けをすればいいのに していない。
    年下の彼 晴人はそっけなくもあり 少し寂しい関係
    行きつけのバーや職場で、そして出会いの場で
    ゲイという性の生き方を 哲学者らしくことばにし その時の感情を綴っていく。
    昨今のLGBT擁護の世間の変化も 思うところがあるようだ。
    〈LGBTは普通? 普通だと思われたがるなんてのは、マジョリティの仲間に入れてくださいというお涙頂戴(ちょうだい)の懇願にほかならない〉
    著者自身の自叙伝のようでもあるが、寓話と本人は言っている。

    哲学的に話が進んでいくので・・・・クドイ!
    と 思慮が浅い自分は思ってしまった。

    知らない世界をのぞいている感覚を 感じられる作品

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著者プロフィール

1978年生まれ。立命館大学大学院先端総合学術研究科准教授。
著書に『意味がない無意味』(河出書房新社、2018)、『思弁的実在論と現代について 千葉雅也対談集』(青土社、2018)他

「2019年 『談 no.115』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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