- Amazon.co.jp ・本 (177ページ)
- / ISBN・EAN: 9784103534013
感想・レビュー・書評
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やや幻想的な短編集。
読書中はひどく親しい、でも誰かは知らない人の話をゆりかごの中でうつらうつら聞いていた様な印象。
読み終えると、一瞬で何もかもがパッと消え
(読んだ)という感覚さえ残らない。
正直、古い本なので処分しようと思い読んだのだが、
瓶のなかで美しく光る蛍は
彼の文章に触れずには決して現れない。
心に思い留めておく事ができない稀な物語だなぁと感じた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
春樹氏38〜40歳時期の短編5話、どれが何の暗喩かは各自推して知るべしでしょうけど、やはりなんだか面白いです。万人に好かれる作家とは言えない村上春樹だけど好き嫌いがはっきりと分かれる作家ではありますねぇ♪ 私は嫌いではありません 笑。
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久しぶりに村上春樹。背景はよく知らないが、蛍はたぶんノルウェーの森の元になった短編か一部を抜き出したものか。とにかく久々にノルウェーの森やその近辺の本を読んだ頃のことを思い出した。私は特に複雑な高校時代を過ごしていないので、最初にノルウェーの森を読んだときは正直よく理解できなかったのだが、歳をとって人を亡くす経験をしてくると、なんだか少しずつ分かってくるような。そう考えると、村上春樹(の描く主人公)はずいぶん若い頃から辛い経験をしたのだなあと思うが、その言葉にしようとすると消えてしまうものを描くために小説家になったのだろうか。
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韓国映画「バーニング」を観て後味が悪かったので、原作を読みようと思ったのだ。あわせてフォークナーの「納屋を焼く」も読もうと思う。
さてやはり村上春樹、というか、書かれていないことが多くてそこに独特の余韻がある。映画はそこをことごとく埋めちゃってた気がする。監督なりの解釈なんだろうなぁ。 -
私自身炎上するかもしれぬが、村上春樹の作品で初めて良い読後感を体験する。心がざわめく日常は私達のそばにあるサスペンスでもある。世界が変わるか否かその狭間に実は私達も歩んでいる。
本棚にはヨメの蔵書がある。よし、再トライしてみよう村上ワールドに。宣言します遅咲き爺さん、まだ爺ではないか。 -
1983年頃の短編小説集、蛍を読みながら、これは、ノルウエイの森の習作なのかな、また、踊る小人は、1Q81の世界 に繋がっているのでは、と。納屋を焼く、は、面白い終わり方です、SF小説のような印象があります。最近、韓国で映画化されているという。(是非見たいものです) 村上春樹の短編小説集は、次の長編小説への橋渡しをしているのかも知れない、と感じる次第。この短編集、お薦めであります。
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映画を観たので原作も、と思い読了。
春樹感満載。
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春樹は短編がいい。
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ずっと、こういうタイトルの長編小説かと思っていました。私って、バカだなあ。
「螢」。久しぶりにしっとり浸りました。こういうストーリーをもっと読みたい。
p.26 死は生の対極としてではなく、その一部として存在している。
なるほど、村上春樹の小説の中で、よく人が死ぬ理由が少し分かった気がしました。