地上に星座をつくる

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103536918

感想・レビュー・書評

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  • 石川直樹さんは、世界を旅する写真家です。

    あるときはヒマラヤの8000m登山から、あるときは宮古島の海から、あるときはバングラデシュの混沌とした町から、あるときはカナダの大自然からと、世界を駆け回りながら写真を撮る旅を続けている石川さんが、写真ではなく、文章で世界各地の旅を表現した作品が本書です。

    写真家の文章は、写真家の特性である「物事を見る力」が備わっていることもあって、同じ風景でも、鮮明な解像度で心象をより深く感じることができるような表現をすることがたくさんあります。よく見ることで、よく考えるようになり、それを伝わりやすく表現できるんですね。

    石川直樹さんは、最も優れた文章表現をする写真家の一人です。

    旅っていいなあ、いろんな場所に行ってみたいなあ、世界を見る経験を重ね続けていきたいなあ、と思えるような本です。
    旅に出たくてウズウズしている人にとっては、更にウズウズが増すかもしれません(笑)

  • ふむ

  • 学生に向けてPOPを作るとしたら
    こんな感じかな?↓
    ーーーーーーーーーーーーー
    冒険家のカッコいいエッセイ
    いつかきっと!旅に出たくなる!

    勉強に疲れたらコレ!
    ココロが解放されるー!
    ーーーーーーーーーーーーー



    月々の連載をまとめたもの
    活動範囲も色々で読み進めながら今度は何処かな?と楽しめました

    生命の危険を感じる海外や国内の身近な土地の違う面…
    あらゆることが印象深く綴られていてホントいい文章

    いつの間にか彼も歳を重ねて活動の幅も拡がっていらっしゃるようですね!素晴らしいと思います

    今後も心にとめて応援したいと思います
    いつか写真展や講演会でお会いしたいです

  • 旅にはいろいろなかたちがあるのだろうけれど、著者の場合は、過酷な自然と自分の身体を向き合わせることで、自分が生きていることを実感するという旅をしている。

  • マタギ
     視覚や聴覚、地形や動植物を頼りに自分のいる場所を立体的に察知する
     アルミ製のスノーシューが雪とこすれて出る独特の金属音を動物が嫌がるという 

    知床 シリエトク=大地の突端 最涯て
     斜里町 アイヌ語のサルイ=葦の生えているところ
     流氷が岸まで押し寄せているとどこからが海でどこからが陸かわからない
     流氷が運んでくるプランクトンを魚が食べ、それが森の熊たちの食料に
     
    マガダン シベリアの入り口
     知床の流氷の始まり
     オホーツク海はアムール川からの真水で塩分濃度が低く凍りやすい 

    サハリン ノグリキ 夏のトナカイ祭り
     ニブフ族 アムール川河口から移動した海の暮らし アイヌは山の暮らし

    子供と写真 
     言語化できない炎のようなものが存在する
     写真によって、自然のままの心の状態が現実世界とリンクした形で表出する
     三、四年生の 言語や倫理観を備える直前のわずかに抑制された野生

  • この本を読んでいると、自然と地球と宇宙のパワーの偉大さに気づかされて、それがどんなに尊いものなのか分からせてくれる。
    さすがにここまでの登山はできないけども、もう少し軽い山で登山がしたい。

  • 環境に適応する力や順応していく能力は、北から南まで広範な地域へ移住・散在することになった人類の、最も優れた身体技法であるとぼくは考える。

    旅をするときにぼくが最も重要だと思うのは、驚きと発見だ。

    本当は、太陽とともに在るこのリズムが人間には1番合っている。

  • 有り 290.9/イ/20 棚:宇宙

  • この本はどこから読んでも構わない、と作者が言うとおり、ランダムに読み始めた。講演会でKー2への再挑戦することを聞いていたので、まずそこから読んだ。そして叶わなかったことを知って残念だった。そのことを率直に「ぼくは悔しい」というタイトルで書かれていたので驚いた。よほど無念だったことが伝わってくる。この時石川さんには登頂する体力も、技術もあったのに、断念せざるを得なかったのは雪崩や悪天候など、外的要因だった。それが「悔しい」に繋がるのだろう。この年のKー2登頂者はゼロだった。
    次に知床のいくつかを読む。たった一人で知床連山を縦走する充実感。ヒグマとも遭遇する。ピリピリした緊張が、でもワクワクしている姿が浮かんでくる。斜里町の子どもたちとのセッションも楽しい。あとは順番通り読んでいった。毎回、たった5ページなのに、私は地球の辺境へ、または日本の温泉へ、知床へ、南の島へ、そして私が今後、決していくことがない場所へと旅し、すっかり堪能した気分になった。究極の個人の体験が、それを表現する筆力が、その国を、土地を、いちばん確実に伝えてくれる。石川さんは、星野道夫さん、野田知佑さんとともに、私の人生を豊かにしてくれた。
    彼が再びKー2へ挑むことができる日がくることを、切に祈ってやまない。

  • 世界を旅する

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著者プロフィール

冒険家、写真家

「2019年 『いま生きているという冒険 増補新版 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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