ピンク色なんかこわくない

著者 :
  • 新潮社
2.63
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本棚登録 : 236
感想 : 19
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  • Amazon.co.jp ・本 (251ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103544111

作品紹介・あらすじ

『きみはだれかのどうでもいい人』で注目の著者、最新長篇小説! 私は私なんだから、どんなふうに生きてもいいはず――なのに……家という場所に、家族の繫がりに、きょうだいに、女として生きることに、なぜ、こんなにも囚われてしまっているのだろう。それぞれが心のままに選んだ自分を生き切るためには、何が必要なの? 〈私を生き抜く〉ための、あなたの物語。

感想・レビュー・書評

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  • 姉妹によって感じる呪いはきっとある。
    それは仲の良し悪しに関係なく、コンプレックスが入り乱れてそこに諦念なども入って、強固な呪いになる。
    この四姉妹もそれぞれが強い呪いの中で生きている。
    絶対に引き受けないといけない、そんな呪いぐらいは自分でせめて自分で選びたい。
    それさえも時代によっての事由によって左右されてる気がして、本当の意味で自由に何かを選び取ることなんてできない気もした。

  • 伊藤朱里にはどうしても「きみはだれかのどうでもいい人」レベルの衝撃を求めてしまうんだけど、今作も個人的にはそこまでに至らなかった。

    性格も容姿も似たところのない四姉妹。美しく優しい長女、強く賢い次女、できそこないの三女、歳が離れているゆえに愛されポジションだった四女それぞれの葛藤と苦悩の話。
    …とはいえ上のふたりはさほど葛藤!苦悩!って感じではないので(ふたりには美しさと賢さという武器があり、いいことばかりじゃないにしても武器の使い方を知っていたのでうまい生き方をしていると思う)葛藤と苦悩は三女四女がメイン。
    三女はひねくれてしまった理由もわからなくはないので四姉妹の中では一番理解に近い存在なんだけど、まあ近くにいてほしくはないですね…っていうかこの四姉妹、誰にもなりたくないし誰とも友達になりたくない。
    で、まあ四女・愛子!!私はどうしても彼女がダメ!!ムリ!!
    パーソナルカラー診断もハラスメント指摘もジェンダーまわりも、全部人からの借り物の言葉で相手を攻撃してない!?攻撃するなら自分の武器でしなよ!!
    あと息子が「お姉ちゃんがほしい」って子どもあるあるのこと言っただけで「女体を産む性として見ている!」って発狂しかけるのシンプル怖いよ。病院に行ってくれ。

    というかこの家、一番上の姉だからいっちゃん・頭がいいから博士とか名前と全く関係ないあだ名で呼んでいて本当の名前がわからないのこわいよ…と思ってたら作中でも「気味が悪い」って言われてて、そこだけはよかった。というか安心した。

  • 最後どうした?なに?どういう事??
    全くタイプの異なる四姉妹と母の連作短編
    ちょっと読むの苦戦するお話しだなと思っていたら、リアルから突然のファンタジー

  • 伊藤朱里さんの本はタイトルや装丁に惹かれるものがあるので、手に取るのだが、あんまり相性が良くないのかなぁ。登場人物があまり感情移入できない感じだ……

  • 「ここまで極端じゃないし頻度だって低いけど近しい出来事や関係性、なくはなかったな」と感じる本でした。女家族のあれこれを誇張して煮詰めてグロテスクにしたのが本書で、それらを、舞台となった「家」でどうにかこうにか昇華したかったのかなあ。

  • 長女、いっちゃん
    次女、博士
    三女、あの子
    四女、愛子
    四姉妹とその母の物語。
    素直に怒れるキャラよりも、そうじゃないキャラの、きっと理不尽さに気付いてしまったら生きていけないがゆえの鈍感さのほうがゾッとした。

  • 4姉妹の物語。それぞれ長所があり短所もある。
    拒食や潔癖が理解されない時代。
    1番下の妹が自由にならなきゃと思い込みすぎて、逆に自由に縛られていた印象。見ていてイライラした。
    お母さんは何がしたかったんだろう。

  • 4姉妹とその母親の話。
    どの人にも共感できず。
    わざとグロくしている感じがおもしろくなかった。

  • 「赤い小鳥」「誘惑の家」「ピンク色なんかこわくない」「幸福な母親」「わが家は花ざかり」
    5話収録の連作短編集。

    個性豊かな四姉妹とその母親の物語。美しいお姫様のような長女、容姿には恵まれなかったが頭脳明晰な次女、風変わりで引きこもりの三女、年の離れたマイペースな末の妹、どこかつかみどころがなく、一歩間違えると毒親になりかねない母親。

    なんだかみんな痛い。

    そして生きるのが辛そうだ。

    姉妹間、母娘間のよそよそしさや、登場人物から発せられる棘のある言葉、ぴりついた空気に心が休まらない。

    日々生き迷う人達の心情が胸に迫る。

  • 四女の性格がいきなり変わりすぎててびっくりした。どの章もふろしきをひろげて結局あれはどうなったんだろうと思うことが多かった。
    最後はファンタジー要素が入ってきてガクンとつまらなくなりました。。

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著者プロフィール

1986年、静岡県生まれ。2015年、「変わらざる喜び」(「名前も呼べない」に改題)で、第31回太宰治賞を受賞。他の著書に『稽古とプラリネ』『緑の花と赤い芝生』『きみはだれかのどうでもいい人』『ピンク色なんてこわくない』がある。

「2022年 『名前も呼べない』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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