きらきらひかる

著者 :
  • 新潮社
3.79
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本棚登録 : 975
感想 : 95
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  • Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103808015

作品紹介・あらすじ

あなたと一緒に暮らしていると哀しいこともきらきらひかる。ホモの睦月とアル中の笑子の素敵な愛の物語とびきり上等の恋愛小説。

感想・レビュー・書評

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  • 友人に勧められて読みました。
    ホモというのは差別用語と聞いていたので、そこだけ違和感。
    三角関係だけど、とても透明感があって魅力的な人物像で切なくなりました。映画化されたようなのでそれも見てみようかな。

  • ゲイの睦月とアル中の笑子の夫婦のお話。読んだあとにはオレンジとドーナツが食べたくなるしユッカエレファンティペスは実際買ってしまった。甘い言葉なんてやっぱり何の証拠にもならない。

  • 何だか不思議。実際に「ホモの夫とアル中の妻」なんて夫婦がいたら引くかも?だけど、この話すんなり入ってくる。
    睦月と笑子、そして紺くん…みんな優しい。3人の関係がとてもいい。

  • あらすじを見て、即図書館で借りました。
    精神不安定な妻、ゲイの夫という不思議な関係と、その二人の間で起こること。
    夫婦と、夫の恋人との不思議な関係と、友達、両親と、その先のこと。

    p56
    「こういう結婚があってもいいはずだ、と思った。なんにも求めない、なんにも望まない。なんにもなくさない、なんにもこわくない。」

    --------------------------------------------------------------------------------

    私は笑子が好きです。睦月も好きです。紺くんも好きです。
    “好き”の先に絶対必要なものなんてあるんだろうか。
    こんな不思議な関係でも全然いい。お互いが好きなら良い。
    それ以上になにを望むのか。
    当たり前の常識が、彼ら・彼女らにとっては理不尽すぎる。

    p109「紺くんが睦月の赤ちゃんうめるといいのに」
    ここ、笑子にとっても睦月にとっても重たい台詞だと思いました。夫なのだから、妻なのだから、夫婦なのだから、という問題が常につきまとって、それが二人を苦しめます。
    こういう結婚は許されないと思う人が居て、だからこそたまらなく切なくなる。
    私は同性愛者ではないし精神障害者ではないけど、2人の関係が理想的と思ってる人間なので、共感とまで軽々しく言えないけどすごく辛かった。

    睦月は優しすぎるから笑子がつらいけど、睦月も笑子を好きだから余計につらいというか、お互いがお互い大事で、それでもできてしまうズレが悲しい。
    でも、すごく暖かいなぁと思います。
    私はp210の笑子と紺の言葉で泣き、p215でぼろ泣きしました。
    結末はきっともやもやする人もいるかもしれません。でも彼ら・彼女らにとって良かったと言える温かいラストだと思いました。

    久々に「好きだ」と言える小説。
    読み終わったあとこんなに胸がぎゅーってなるのも久々。
    小説としても物語としても登場人物も萌えもひっくるめて大好きでした。


    あ、因みに睦月と紺くんの関係の話は詳しくは書かれていません。
    あくまで睦月が話す紺くんの話ですのでそういうのを期待してはいけません。
    でも私はそれがすごく丁度よくて好きでしたが。笑

  • JKおススメの本。

    「この本みたいに、キラキラ光る感じが好きなんです。」と言われて読んでみる。

    ちょっと苦手な江国さん。昔江国さんを読んだ時に、なんかしっくりこずにそれ以来読まずに来た。

    冒頭から、???!!!と気になり始め、読むのがワクワク☆
    さすが唯川さんが好きなJKがおススメした本。

    P15
    「あいつを結婚するなんて、水を抱くようなものだろう」

    そんな表現する?!何この世界、、、

    どうなっていくかが気になりスルスル読む。色々な人間の感情が垣間見れて揺れている様がまた自分の感情を揺さぶる。人を好きになること、自分と対話しながら他人と暮らすってパワーいるけど、でも笑子が生まれて初めて〝守りたい〟と思った空間や関係。何かに向かって前向きにパワーを使う事はできない印象の笑子が、こんなに行動できるのは、〝守りたいもの〟があったから。そう思える人や空間や環境で人ってより人生が豊かになるのだな、と思った。

    Floridaオレンジの所が、地味に好き。

  • 本当に魅力的な、正反対の2人。笑子には睦月しかいなかったし、逆もそう。お互いの足りなさを補っている。笑子、彼女は睦月の妻であるからこそ、彼女の魅力は引き出されているのだなと思った。



  • 読んでいて少し苦しかった。
    いろんな愛の形があるのかもしれないけど、私はラストに納得することができなかった。

    しかし、文章は読みやすく一気に読めた。

  • 不思議なお話。だけどファンタジーのような浮遊感がある訳ではなくに地に着いている。結末もすっきりてしたものではないが、まぁこれでもいいかな、と思える感じ。睦月は笑子とストレートにも多分なれる。それを紺くんが邪魔してるのかな、ともとれるかんじ。笑子がそこまで紺くんを求めるのは、引け目を感じてるのかな、と感じた。自分ではだめだっていう、どうしようもないという諦めと紺に対する負けを感じていてるけど、それを自分は紺と睦月の関係を理解しているっていう立場をとることで誤魔化しているような感じがした。コーラのにおいがするって、、読みやすくて、御伽噺のようで。それでいてどこまでも現実に近い不思議なお話しでした。

  • アルコール中毒で情緒不安定な笑子とホモのお医者さん、睦月。二人は夫婦。そして、睦月には同性の恋人、紺くんがいる。
    不思議な関係の三人は、このままでいたい、と思う。
    そして、そう願うということは三人とも気づいている。いつまではこのままではいられない、と。

    ---------------------------------------

    理解ある睦月の両親や同性愛者の友人たちからは好意的に見られている笑子と睦月の関係も、現実的で一般的な考え方をする笑子の両親には受け入れられなかった。

    ”睦月と紺くんの精子を混ぜて受精すれば、みんなの子どもができる!”と考える笑子は素敵だな。とても現実的で一般的ではないけど、三人の愛のかたちを探す姿勢が素敵。

    以前ネットニュースで、中年になったハリウッドスターの夫婦が公認でセックスフレンドを作っている、という記事を読んだ。愛のかたちも夫婦の関係もそれぞれ違うんだな。

    笑子と睦月が暮らすマンションの階下に紺くんが引っ越すラストは痛快。合法的に三人は一緒に暮らす。それが彼らの愛のかたち。

  • すごく読みやすくて一気に読んでしまった。

    他人から見れば少し不思議に思う関係だけど、
    この3人にとってはこの関係のままが幸せなんだろうな。

    あと何気ない日常の
    ご飯を作って食べたり、お酒を飲んだりする描写があるのが好き。

  • 江國香織さんだなぁ。読んでて落ち着く。透明感があって水のように流れる文章。同性愛者の睦月と鬱病の笑子の結婚生活。変わらずにはいられないとわかっていながらも、いつまでもこのままでいたいと願う2人が切ない。きらきらひかる。

  • 生きにくい二人(ホモとアルコール依存)がセックスレスの夫婦となるが,睦月のパートナーの紺も含めて笑子の3人に,不自然ではあるが愛と呼んでいい関係が築かれる.睦月のきれい好きなところがいいなぁ.二人の精子をシャッフルするという突飛な発想,驚きました.

  • 笑子の感情の浮き沈みが激し過ぎて、読んでて苦しくなりました。
    本当に睦月の事が好きなんだなぁという印象でした。

    確かに好きな人から、
    「君も恋人を作った方がいい。」
    とか言われたり、
    昔の恋人をあてがわられたりしたりしたら、気が狂いそうになるよなぁと、睦月もなかなか残酷な事をするなぁと思いました。

    笑子は紺が好きな睦月が好きだったのかな…。
    独占したくなかったのかなぁ。
    ラストも結局元鞘だけど、本当にそれで幸せなのかなと疑問が残りました。
    色々な愛の形がある…ってことなのかな?

    さらさらに読める文章だったので、あっと言う間に読み終えました。

  • 笑子は、イタリア語の翻訳をしている。
     睦月は医者だ。
     二人は結婚している。
     
     アル中の妻にホモの夫、そして、夫の愛人、紺くんとの奇妙な生活に周りの友人や家族がオロオロするのだが、二人はお互いを必要としている。
     小説は、笑子と睦月の語りが交互に入ってきて、二人の視線と思いが読者にはわかるようになっている。この構成も面白い。

     好きという感情と、セックスすることは常にイコールではなく、人と生活する、ということは常に複雑で猥雑だ。その中に、いらだちもあるし、安定もあるし、安らぎもある。いろんなものを抱えて一緒に暮らしているくこと、を改めて考えさせてくれる。

     「不安定で、いきあたりばったりで、いつすとんと破綻するかわからない生活、お互いの愛情だけで成り立っている生活」

     他人を好きになって、一緒に暮らすこと、は気持ちの良いことなんだ。

  • 夫はゲイであり、妻は精神が正常ではない。
    そんな2人の生活と、周囲。

    妻と夫と、交互に視点が変わって話が進んで行きます。
    本人達がこれでいいと思っているなら
    それでいいんじゃない? ですが
    親としてはそうもいかないのが現実。
    結婚した→ばんざい→次子供を、という図式は
    期待を持ちすぎじゃないかな? と。
    しかし一般的にはそんなもの。

    結局何も解決してないような
    嘘で終了したような?
    本人がいいならこれで…という
    真理で終わっていますが。

  • すごく素敵な本だと思う。
    最初は変、って思ってたけど、
    たしかに恋愛小説だな、って
    思った。

  • 持っている本だから、何回読んだかわからない。
    年末に半分、年始に半分読んだ。
    今回は、
    前は自分もこんなふうにギリギリだったなと思ったり。
    暗い話になりそうなのに、ほんのちょっとのところで読ませるところがすごいなと思ったり。

  • 睦月と笑子それぞれのキャラクターが魅力的でした。性的な感情がなくても、相手の幸せを願い、一緒にこのままでいたいと願うのは恋なのかもしれませんね。そういう意味では、睦月もまた笑子のことを好きなんじゃないかな。
    あっと言う間に読んでしまいました。

  • さらさらと読める恋愛小説。

  • きらきら。

  • さらっと読めるラブストーリー。
    設定は特殊な夫婦&プラスワンパーソンだけど、描かれていることは割と真摯。
    夫婦愛のような、性別を超えた愛のような、人間愛のような…言葉にすると複雑なのですが、実際に描かれている愛の情景は意外にシンプルなのかもしれません。

    シンプルで、純粋すぎる故に、いろいろとしがらみのある生活の中で窮屈だったり、悩まされたり、喜ばされたり。
    「自分以外の他者のことが好きで大事」というシンプルな気持ちも、複雑な人間社会の中でそれを貫き通すのは結構難しいです。

    彼ら3人が、もし、人間ではなく、自然の中で生きる小動物達だったとしたら、静かに寄り添い暮らせるのかもしれないなぁ…と思いながら読んでいました。
    ラストでは、やはりひっそりとシンプルに寄り添い合う3人の姿がなぜかその自分の空想の中の小動物達と重なって仕方ありませんでした。

    ワガママではなく、でもひっそりと貫くそれぞれの愛の形。特殊なシチュエーションではありますが、考えさせられました。読後に充実感があるかというとそれはまた別の話ですが、透明な文体は読んでいて気持ちが良かったです。
    読み手により、若干好き嫌いがあるかもしれませんね。

  • 同性愛者の夫とアル中で精神を病んだ妻。男性とか女性とかいう性を超越した人間愛。ちょっと綺麗事過ぎる感もあるけれど。相手のいい部分も悪い部分もすべてを受け容れるっていうスタンスは素敵。

  • 江國香織作品の中では、人の生活の匂いがするほうというか、人間臭い。クールな面だけじゃない人たちのわがままでまっすぐな生き方。生きるのに不器用な人たちのお話。

  •  精神疾患の女とホモの旦那とその彼氏?の若者の物語。
     不思議な空間をもった夫婦で、彼らの関係性には共感できないけど理解はできた。彼らがこれからどんな未来を辿るのかわからないままだけど、幸せになってほしいなぁと思った。
     フワフワするようなきれいな表現が多くて、そこが魅力的だった。ただ、何が言いたいのかはよくわからなかった…。

  • う~ん。。。
    幸せって、なんでしょう?

  • 何度読んでも優しい気持ちになれる本。
    こんな夫婦生活もあるんだなー。

  • ゲイの世界はこんなに甘く、優しいものではない。

    そう話していた顔も知らぬ方の思い出。
    今もこのタイトルを目にするたびに思い出す。

  • 無性に今の気持ちに優しく染み込んできた。笑子と睦月、紺の三人の生活が行き当たりばったりな様で、でもお互いを思う気持ちは何にも負けないところが心地良い。気負って読まなくてもいいところが今のうちのはぴったり過ぎて、ああ、なんかいいなあって思わずにはいられなかった。疲れた時に読んで欲しい一冊だと思う。

  • 何回も読んでるけど毎回好き~、と思う。冷静に考えたらおかしすぎるカップルかもしれないけどこんなに相手に対して優しくなれるならやっぱりありだと思う。DVなんかより断然あり。ホモセクシャルが女の人を恋愛対象として見るのは難しいかもしれないけど信頼できる家族としてだったらありなんでは?紺君ってのが結構扱い大変だけどね。

  • セツナイ恋愛小説。
    紺くんが良かったー。

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著者プロフィール

1964年、東京都生まれ。1987年「草之丞の話」で毎日新聞主催「小さな童話」大賞を受賞。2002年『泳ぐのに、安全でも適切でもありません』で山本周五郎賞、2004年『号泣する準備はできていた』で直木賞、2010年「真昼なのに昏い部屋」で中央公論文芸賞、2012年「犬とハモニカ」で川端康成文学賞、2015年に「ヤモリ、カエル、シジミチョウ」で谷崎潤一郎賞を受賞。

「2023年 『去年の雪』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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