ブラック・スワン降臨: 9・11-3・11 インテリジェンス十年戦争

著者 :
  • 新潮社
3.66
  • (24)
  • (66)
  • (50)
  • (8)
  • (3)
本棚登録 : 433
感想 : 60
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103823056

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 日本のインテリジェンスの貧弱さがとても哀しくなる。今回のISISの事件の対応にしても、この本の頃からなにも改善されていないように思えてならない。

  • 世界を引いて見て、全体の関係や流れを把握する視点、アウトプットする表現力が素晴らしい。

    3.11での世界と日本の対比は読んでいて、当時の政府へ漠然と感じていたもどかしさが蘇ってきてつらかった。

    誰かの行動や発言を切り取っての批判ではなく、日本を憂えるが故の、もっと大きな視点からのメッセージなんだと理解した。

    手嶋さんの著作のおかげで、世界で起こっていることへ、リアリティを持って関心を向けられるようになった。

  • おもしろくなかった。

  • オサマビンラディンの暗殺劇をホワイトハウスの側からドキュメンタリータッチで追跡し、いきなり引き込まれてしまった。
    9.11のテロ情報をホワイトハウスは2か月前には知っていたこと、防ぐ手立てはあったのではないか、イラク戦争が、たった一人の亡命者の作り話から尾ひれをつけて、ブッシュ大統領の思い込みを増長させて、都合のいい話に祭り上げられてしまい、イラクを戦禍に巻き込んでしまったこと、 3.11の時の民主党の対応がいかにひどいものだったかを、情報のクオリティ面から評価した本だと思う。 緊迫した局面が伝わってくる 今となってはエンタメ性の高い本だとおもう。

  • インテリジェンスの凄まじさ。その真価は危機の時にこそ問われるものだ。一流のインテリジェントとそれを使う能力のあるリーダーが同時に存在しなければ国を危うくする。

  • 経験豊富で日米のVIPの人となりに触れた経験を持つ元ジャーナリストの作者による、インテリジェンスの第一線に触れたノンフィクション。
    正常な想像力で物事をみていくと、我が国に足りないもの、政治指導者と権力中枢に不足していることが見えてくる。
    SEALSによるアルカイダ指導者の暗殺から、米国をめぐる、パキスタン、中国、さらにはスーダン、イラク、ウクライナなどの国々からもたらされるインテリジェンスの話、我が国を巡る中国、北朝鮮、そして沖縄米軍基地問題の成り行き。地勢、経済、政治、軍事に精通した上で、人脈もなければ書けないと思われる。
    決してエンターテイメントではなく、シビアな現実を赤裸々に記している。
    福島第一原発事故への政府の対応について、菅首相と、政府のシステムに対する批判は手厳しい。
    多民族国家、米国が危機に面した時に、無私の心が国のシステムを護る、ユナイテッド93便のエピソードはそれを物語っている。
    MC-130Pコンバット・シャドー特殊作戦機を筆頭に松島基地に舞い降りた米軍、1995年、村山政権下で何もできなかったことを「教訓」として、独断専行と言っていい形で、救援活動を行い、米国民に半径80km圏内からの退避を呼びかけた。
    覚悟無き民に、主権は持続できないということか。
    米国により民主主義を植え付けられた幾多の国の中で、我が国の政治がこの有様では他国に向ける顔はない。政治を立て直さなければ。

  • Factaなどで度々薦められているのを見て、図書館で手に取る。
    本書を読んで、「大国が互いにしのぎを削る冷徹な世界にあっては、力を持つものこそが正義なのである。」このリシュリュー卿の言葉に続きがあることを知った。「力を持たないものは自分の存在そのものが悪だと決めつけられないよう振る舞うのが精々のところなのだ」
    普天間基地問題についての鳩山元総理以下民主党政権に対して筆者は舌鋒鋭く批判する。
    そこまでは大いに賛同できるが、福島第一原発事故について当時の首相のリーダーシップ欠如にその原因を求めるのは些か酷ではないか。本書が刊行されたあとの、様々な報告書を読む限り、政府が原子炉への海水注入をその後の復旧コストを理由に躊躇したという事実はないはずだ。

  • 手嶋さんはさすがに文章がドラマチックで読ませるなぁと感心。インテリジェンスの現場での臨場感あふれる描写は一読の価値あり。
    情報が膨大に取得でき、それを評価してストーリーを描くことは難しく、また今までのどの時代よりも不確実性が高まっていると思われている現在の状況(本当にそうなのかは議論ありだが‥)、からすれば筆者が指摘するようなインテリジェントの獲得には、骨太な歴史観や各地域、民族に対する理解が必要なのだと思う次第。

  • 「想像すらできない事態を想定して危機に備えておけ」
    ヒロシマから66年後にブラックスワンがフクシマに舞い降りた、と書かれた後に、管首相も舞い降りたの小見出し。
    バフェットの言葉を思い出す。
    「愚か者でも経営できるビジネスに投資しなさい。なぜなら、いつか必ず愚かな経営者が現れるからだ」
    想像すらできない事態を想定して危機に備えなければいけない。数百年に一度の天災に、優れた人物がトップの座にいるとは限らないのだから。

  • もちろん反対の立場からの言い分も聞くべきだが、日本の立ち位置、組むべき相手がどこなのか、説得力を持って迫る。
    グローバル・スタンダードという言葉は最近、小人の都合の良い言葉としてばかり利用されているが、本来こういう叙述にこそ使用してしかるべき。

全60件中 21 - 30件を表示

著者プロフィール

手嶋龍一  Teshima Ryuichi 外交ジャーナリスト・作家。9・11テロにNHKワシントン支局長として遭遇。ハーバード大学国際問題研究所フェローを経て2005年にNHKより独立し、インテリジェンス小説『ウルトラ・ダラー』を発表しベストセラーに。『汝の名はスパイ、裏切り者、あるいは詐欺師』のほか、佐藤優氏との共著『インテリジェンスの最強テキスト』など著書多数。

「2023年 『ウクライナ戦争の嘘』 で使われていた紹介文から引用しています。」

手嶋龍一の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
シーナ・アイエン...
村上 春樹
高野 和明
ウォルター・アイ...
ヴィクトール・E...
ウォルター・アイ...
古賀 茂明
池井戸 潤
ジャレド・ダイア...
落合博満
村上 春樹
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×