脳を鍛える (東大講義 人間の現在1)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (349ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103955047

感想・レビュー・書評

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  • 当時購入したまま放置してあったものをやっと読んだ(笑)。全編面白かった。20歳前後のまだ脳ミソが固まっていない若者に対して、偏らず思い込まずバランス良く、全ジャンル幅広くもっともっと本を読み勉強し、自己研鑽に励み、自身に適した自己を創り上げろというメッセージを感じた。第2巻に続くとあったが、どうやらそれは未だに発売されていないようで非常に残念。

  • 人間史 知の歴史
    ・人間が今どういうような位置にあるか、人間とはなにかを
     追い求めるフィロソファー(フィロ愛する、ソフィア智)であろうとする著者が人間の哲学的な歴史、科学的な歴史を解説し著作。

    ・インタビュー形式の本よりも、凝縮されまとまっていて読みやすい。
    ・文系と理系の知の統合を説いていることもあり、バランスのとれた知的刺激がえられる。
     いずれにしても、理系の真理も文系の真理も、問い続けることによって定説をくつがえされる、そういう歴史のうえに、考え続ける重要性を説いている。

    ・原文を読むという時間を費やすことなく、さまざまな人間の知の歴史の思考のエッセンスに触れられる良い作品であると思う。

  • 知の様々な領域を縦横無尽に闊歩できるガイドブック。

  • 週刊誌に書いた記事によって、ときの首相田中角栄をおいつめたのがこの立花隆さんです。いつのまにやら東大の教授になっているような、アカデミックな性質をたぶんに持っている人。東大生向けの講義を収録したもので、東大生ってどんなレベルの講義を受けているのだろう、と興味のある人は読んでみると良いです。

  • この本を読んだのは十年ぐらい前だけど、学生時代にこの本に出会っていれば、と当時思った。

  • 東大教養学部の講義を受けてる気分です。勉強へのやる気が出ます。満足。

  • ☆4.5

    東大の教授とお話したくなった手にしてください。
    東大生には・・オススメできないかも?

    きっかけ:何かの本(教育関係か?)を読んだとき「立花 隆」さんを大絶賛していて、名前を覚えていて、今回手にした本。

    かなーーり読むのに時間がかかった。
    何ヶ月もかかりながらも、あきらめずに読み進めていった。
    また、化学について書かれているので、私にとってさらっと読めるものではなく「ん??」と思ったら、前に戻って繰り返す読んでた。
    でも学ぶものは多かった!手にして、読んでよかったと思えた本。

  • 駒場で行われた講義を一冊にまとめた本であるが,一時期はやった脳科学の本だと思っていたらとんでもなく,内容はかなり濃くてさすが立花隆である。

    今回はp66「nobodyからsomebodyになるためには実績が必要である」というところが印象的だった。世間で認知されず何者でもないというnobodyから,自分の知らない他人に存在を認めてもらうsomebodyになるためにはアウトプットを行わないといけないという説明は個人的にとても耳が痛いところである。

    さまざまな分野の話が出てきて,深く知りたい場合の参考文献や学者紹介も豊富なため,この書籍に出てくる人たちの著作を読むだけでかなりの知識を手に入れることができるだろう。

    しかし,これだけの本がブックオフで105円だなんて,いいことなのか悪いことなのか…

  • 中身は東大の授業で行った内容をそのまま本にした感じのものです。

    タイトルの「脳を鍛える」というよりは、むしろ教養の重要性を説いているように思いました。

    現代社会は科学という土台のもとに載っているというのは頭の中ではわかっていたんですが、その仕組みをしらないまま当たり前のように生活をしていたことに気づかされ、基本的な科学(物理、化学、生物など)は勉強しておきたいと思いました。

  • 現代の大学生の知性の在り方がわかる。

    ○日本の理科教育の水準は19世紀以前だ(p37)

     全宇宙がかかわっているのは、地球誕生という1つの歴史的イベントの発生に関してだけではありません。地球がいま現にわれわれ見るような空間として、この宇宙内にある、そのあり方そのものにかかわっているんです。我々の空間をこのようなものとして規定しているのは、自然界の基本定数といわれる、さまざまな物理定数です。

    世界の基礎構造の一番の大もとは、結局、さまざまな基本定数とその間の結びつきを記述する基礎法則によって規定されるのだということを習っていくわけです。

    ○人間20を過ぎたら、自分の脳は自分で鍛えろ。それには自分の脳を刺激が豊かな環境に置くことです。一番刺激になるのは仲間です。(107)

    ◆現代の社会、経済すべてのシステムが科学技術の上に成立している。ここでいう科学技術は20世紀の相対論、量子論を基盤としている。

    というわけで、この理論の理解は現代社会で生きる上で欠かせないものである。

    『本質を見抜く力』にもあったが、人類の歴史をエネルギー史からとらえる必要がある。

    しかし、日本の大学生の現状は大学生は、科学の基礎である物理をやっていないためニュートンの運動の三法則(慣性、運動、作用・反作用)も知らないし、運動、加速度、質量、熱、波、素粒子をいった、この世界の在り方の根本にかかわる最も基礎的な概念すら正しく理解できてないという。少し前までは、このような人は大学で学ぶ資格がなかったらしい。特に文科系は致命的で、学ぶ機会がもう二度とないためやらずじまいに終わり、自分たちの頭が欠陥状態にあることさえ気づかないらしい。

    大学受験の物理だとニュートン力学にとどまる気がするが、それでもやらずにはいられないという気になった。

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著者プロフィール

評論家、ジャーナリスト、立教大学21世紀社会デザイン研究科特任教授

「2012年 『「こころ」とのつきあい方』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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