- Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
- / ISBN・EAN: 9784104013036
作品紹介・あらすじ
世界は驚きと歓びに満ちていると、博士はたった一つの数式で示した-記憶力を失った天才数学者、と私、阪神タイガースファンの10歳の息子。せつなくて、知的な至高のラブ・ストーリー。著者最高傑作。
感想・レビュー・書評
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80分しか記憶を保てない博士。家政婦、その息子ルート。3人で過ごす時間は、とても穏やかで静かな時間。
とても優しい暖かな気持ちにさせてくれる本であった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
数学嫌いな自分でも数字とは、数学とはなんと美しく奥深くそして健気な存在なのかと感じられた。
ただの数字の羅列が、一見何の意味も持たないそれらが黙々と役目を果たしている様。
正解を知っているかどうかではなく、そこに辿り着こうとする事や関心を持って向き合う事の大切さを知らされた。 -
もっと物語の中にひたっていたかった。数学者が出てくる小説ってもっとないものか・・・。参考文献に入っていたポール・エルデシュの伝記はずっと私の読みたいリストに入っている。そろそろ読もう。
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初めて小川洋子さんの作品を読みましたが、この作品はとにかくあたたかくて
愛に溢れた素晴らしい作品でした。
ルートくんに対する博士の愛は、たとえ記憶が80分しかもたなくとも出会ったときから途切れることのない連続している愛でした。 -
服にタグをいっぱいつけた博士の最初の登場シーンが印象的。博士、私の交流が少しづつ進む姿が感動的で、何度も読み返している。
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最近読んだ中でも特に面白かった一冊。
記憶が80分しか持たない博士に家政婦として雇われた主人公とその息子、ルート。自分の記憶が80分しかもたなかったらどうしよう(本が読めない...)主人公と博士は知り合うことができない。知り合い話したりしても、80分もすれば博士に靴のサイズを聞かれる。切ないなと思った。
すっごく、心に刺さり、余韻に浸れる話でした。今も余韻に浸っています(笑)
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季節感や、時代背景などが描かれていて良かった。難しい数学の定理もわかりやすく説明されていてストーリーにスムーズに散りばめられている。終盤の終わり方があっという間に進んでしまったので、もう少し丁寧さが欲しかった。
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少年と博士のシーンが温かくて優しくてよかった