博士の愛した数式

著者 :
  • 新潮社
3.86
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本棚登録 : 8319
感想 : 1405
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  • Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104013036

作品紹介・あらすじ

世界は驚きと歓びに満ちていると、博士はたった一つの数式で示した-記憶力を失った天才数学者、と私、阪神タイガースファンの10歳の息子。せつなくて、知的な至高のラブ・ストーリー。著者最高傑作。

感想・レビュー・書評

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  • 80分しか記憶を保てない博士。家政婦、その息子ルート。3人で過ごす時間は、とても穏やかで静かな時間。

    とても優しい暖かな気持ちにさせてくれる本であった。

  • 数学嫌いな自分でも数字とは、数学とはなんと美しく奥深くそして健気な存在なのかと感じられた。
    ただの数字の羅列が、一見何の意味も持たないそれらが黙々と役目を果たしている様。
    正解を知っているかどうかではなく、そこに辿り着こうとする事や関心を持って向き合う事の大切さを知らされた。

  • もっと物語の中にひたっていたかった。数学者が出てくる小説ってもっとないものか・・・。参考文献に入っていたポール・エルデシュの伝記はずっと私の読みたいリストに入っている。そろそろ読もう。

  • 初めて小川洋子さんの作品を読みましたが、この作品はとにかくあたたかくて
    愛に溢れた素晴らしい作品でした。

    ルートくんに対する博士の愛は、たとえ記憶が80分しかもたなくとも出会ったときから途切れることのない連続している愛でした。

  • 服にタグをいっぱいつけた博士の最初の登場シーンが印象的。博士、私の交流が少しづつ進む姿が感動的で、何度も読み返している。

  • 最近読んだ中でも特に面白かった一冊。

    記憶が80分しか持たない博士に家政婦として雇われた主人公とその息子、ルート。自分の記憶が80分しかもたなかったらどうしよう(本が読めない...)主人公と博士は知り合うことができない。知り合い話したりしても、80分もすれば博士に靴のサイズを聞かれる。切ないなと思った。

    すっごく、心に刺さり、余韻に浸れる話でした。今も余韻に浸っています(笑)

  • 季節感や、時代背景などが描かれていて良かった。難しい数学の定理もわかりやすく説明されていてストーリーにスムーズに散りばめられている。終盤の終わり方があっという間に進んでしまったので、もう少し丁寧さが欲しかった。

  • 大好きな本を再読。
    読み進めるにつれて、頑固で変わり者の博士の印象が少しずつ変化していく。
    登場人物が少ない分、情景も思い浮かべやすかった。その中で特に、主人公視点の家の様子、博士の姿、ルートの成長が印象的だった。
    個人的に、数学の部分は集中して読まないと理解できなかったが、あまりに数字を愛している博士の姿を見て、なぜだか私も数字のことが好きになった。
    ページ数も多すぎずサクッと読め、感動とも悲しみとも違う形容し難い感情をもった。
    また時間をおいて読みたい作品。

  • 温かくて、泣ける。
    自分がなんで泣いてるのかよくわからないけど、泣ける。
    この涙が感動なのか悲しみなのかうまく分類できないんだけど、はらはらと涙が出てくる。そんな本でした。

    【以下、印象に残った本文抜粋】

    101
    ルートが泣くのは今まで数えきれないほど見てきた。けれど今回は、かつて目にしたどの涙とも違っていた。いくら手を差し出しても、私が拭うことのできない場所で、涙は流されていた。

    140
    《僕の記憶は80分しかもたない》
    毎日毎日、たった一人ベッドの上で、彼がこんな残酷な宣告を受け続けていた事実に、私は一度も思いを馳せたことがなかった。

    142
    「君の誕生日はいつかね」
    「2月20日です」
    私は答えた。
    「220です。284と友愛の契りを結んだ、220です。」

    249
    義弟は、あなたを覚えることは一生できません。けれど私のことは、一生忘れません。

  • 少年と博士のシーンが温かくて優しくてよかった

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著者プロフィール

1962年、岡山市生まれ。88年、「揚羽蝶が壊れる時」により海燕新人文学賞、91年、「妊娠カレンダー」により芥川賞を受賞。『博士の愛した数式』で読売文学賞及び本屋大賞、『ブラフマンの埋葬』で泉鏡花文学賞、『ミーナの行進』で谷崎潤一郎賞、『ことり』で芸術選奨文部科学大臣賞受賞。その他の小説作品に『猫を抱いて象と泳ぐ』『琥珀のまたたき』『約束された移動』などがある。

「2023年 『川端康成の話をしようじゃないか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

小川洋子の作品

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