しゃべれどもしゃべれども

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (337ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104190010

感想・レビュー・書評

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  • 噺家・今昔亭三つ葉が人前でしゃべるのが苦手な4人に落語を教えることで人間関係を築いていく。
    映画で一度観ていて内容は知っていたがそれでも面白かった。

    『吉川英治文学新人賞』第19回(1998年)候補
    『山本周五郎賞』第11回 (1998年) 候補

  • 読んでるうちからカット割りが鮮明に浮かぶ。ほんと、映像向きだな。
    三つ葉さんが小粋で可愛い。こんなに不器用な男の人は逆に魅力的だと思う。

  • 落語と人情。

  • うまくしゃべることができない
    生意気な小学生、元野球選手、
    どもりのテニスコーチ、
    綺麗だけど無愛想な女。
    そんな4人が、
    しゃべることが商売のプロの落語家なのに、
    なぜかうまくしゃべれない三つ葉の元に弟子入り。

    「しゃべる」ことをきっかけに出会えた人たち。

    言葉は道具

    言葉にしなければ、分かり合えないこともある。
    ただ、いくらしゃべっても、伝わらないこともある。

    どちらにしても、
    ちゃんと人と向き合うことが大切。

    考え、悩んで、人と触れ合って、
    人と分かり合えることを知った。

    人のあたたさを感じた。

  • 2010.2

  • 会話が出来ない者を集め、落語教室をやることになった主人公。実は主人公も照れ屋で肝心なときにしゃべることができない。各生徒の問題に首を突っ込み解決していく事で、主人公も行動を起こし成長して様が面白い。

  • 【しゃべれども しゃべれども】 佐藤多佳子さん

    駆けだしの噺家であるオレが吃音に悩む従兄弟の良に人前で
    しゃべれるように指導して欲しいと頼まれたのが始まりだった。

    オレの仕事は落語をしゃべることで吃音を治すことではない。

    しかし、思いもよらず落語(話し方)を教えるハメになっちまった。

    それも従兄弟の良だけではなく、常に周囲の人に対し敵意の鎧を
    まとっている女と、口の減らない強情な子ども、そして
    ひねくれたオヤジというオマケがついて。。

    ヤツらは誰も自分のこれからに自信や希望が持てないで困っていた。

    まだ半人前のオレがヤツらの悩みを解決できるんだろうか?
    師匠から自分の芸にダメだしを喰らっているオレは
    自分のやっているコトに疑問を持ちながら自分自身の
    芸の道を模索する。



    佐藤多佳子さんは「一瞬の風になれ」を読んでファンになりました。

    「しゃべれどもしゃべれども」というタイトルから
    最初は吃音の従兄弟が苦労して吃音を克服、もしくは
    吃音を受け容れて共生する物語だと思ってました。

    われながら安易な想像だと思います。
    作家さんはいつも想像の数段上を行く作品を書かれてます。

    決して仲がよかったワケではない4人の生徒。
    そんな彼らの中にケンカをしながらもある種の連帯感が生まれていく。

    皆が一様に「話すこと」についての悩みを持っていた。
    悩みの形は違えども、心の痛さは分かるのだ。

    彼らに共通していえることは不器用であることです。
    世の中を言葉巧みにうまく泳いでいくことが出来ずに
    アップアップしている。

    そして彼らを見ていて、自分が彼らに指摘した言葉が
    そのまま自分にはね返ってくるコトに気づいた三つ葉(オレ)

    後半グイグイと引き込まれる作品でした。

  • 主人公とその周辺の人との物語。最後の最後に恋愛物としてまとまるけど、展開が急すぎ。

  • 読んだあとあったまる話でした。

  • 不器用な人の勢ぞろいが、とっても楽しかった。

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著者プロフィール

1962年東京都生まれ。1989年、「サマータイムで」月刊MOE童話大賞を受賞しデビュー。『イグアナくんのおじゃまな毎日』で98年、産経児童出版文化賞、日本児童文学者協会賞、99年に路傍の石文学賞を受賞。ほかの著書に『しゃべれども しゃべれども』『神様がくれた指』『黄色い目の魚』日本代表リレーチームを描くノンフィクション『夏から夏へ』などがある。http://www009.upp.sonet.ne.jp/umigarasuto/

「2009年 『一瞬の風になれ 第三部 -ドン-』 で使われていた紹介文から引用しています。」

佐藤多佳子の作品

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