顔のない裸体たち

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 243
感想 : 52
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  • Amazon.co.jp ・本 (160ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104260058

感想・レビュー・書評

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  • おいおい平野啓一郎なんて小説書くんだ。「マチネの終わりに」のあと遡って読んで来ているけど、初期三作の格調高い作品が嘘のように下卑た題材である。しかし題材は下卑たものでも作風は一線を保っているのは流石と言っていいのだろうか。第2期にあたる作品群はこういう傾向になるのだろうか?楽しみでもあるが、ちょっと怖い。

  • 内容より文章の書き方に感銘。時々読み返さないと理解できない程であった。(私の文章力のレベルかもしれない)
    吉田希美子の弱さと片原盈の強引さ、こういう関係は自在しそう。
    終盤は一気に読めたが、結末は平凡である。
    兎も角、文章を楽しめる本と思う。

  • 露出プレイから生じた事件のルポルタージュに見せかけた、純文学。テーマがテーマのため性的な描写が散見される。好き嫌い別れるだろうから人には薦めづらいな。

    ただのありふれた事件のルポルタージュかと思っていたら、実生活を『本当』と捉え、ネット上の記号に適応した姿を『嘘』と捉える女と、性欲の発露こそ『本当』で、澄ました顔で取り繕う社会生活こそ『嘘』と捉えた男。その場限りの行為の上では利害が一致していたのに、関係が続き今後を考えていく上で互いの世界の捉え方の違いが破滅に繋がっていくという、作者の考えが伺える、評論じみた小説だった。私はこの意図に終盤まで気付けなかった…。
    この方ルポも書くんだな、なんて思っていたら、やはり平野啓一郎。一貫したテーマで描かれていた。

    ただ、本当に好き嫌い別れると思う…

  • 2005年当時だったら傑作かな。今読むと、なんてことのないエロ事件小説。

  • 救いがない。
    R18指定

  • 最近甘々の文章ばかり読んでいたので、
    読まず嫌いだった作者の文章の意外と好きな感じに思わぬ拾い物!

    一時期はまった芥川風の文章に似てるわ。
    話はどうでもよかった。

  • 初めてこの方の本を読んだが、一つ一つ丁寧に書かれていて、読みやすかった。

    過激な題材だったが、最初に断り文章もあったりとおもしろく、
    卑猥なことでもその内部にある、誰でもおちいり、ありそうなことが書かれていた。

  • 人によっては描写がキツく感じるかもしれない。安モノのAVを見ているような・・・好き嫌いが分かれそうな作品ですね。
    歪んだ男女関係の先に起きた悲劇。こんな世界も現実のどこかに確かに存在するんでしょうね。意外と身近にも・・・。

  • 出会い系で知り合った男女のセックスの模様が、本当の姿、嘘、インターネットの世界の自分と実生活の自分についての考察を交えて描かれている。今となっては「あんな真面目な人が」という表現自体がもうそう思ってる純粋な自分を演じる時にしか使われない、だからこの作品は刊行当時に読みたかったな。エロの描写、淡々としているのによかった。

  • 猥雑な話であるが、作者が書くとそこまで下品に感じず、冷静にこの事件の成り行きを見守れた気がする。

著者プロフィール

作家

「2017年 『現代作家アーカイヴ1』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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