クォンタム・ファミリーズ

著者 :
  • 新潮社
3.70
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本棚登録 : 1139
感想 : 147
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  • Amazon.co.jp ・本 (372ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104262038

感想・レビュー・書評

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  • まだよんでない。

  • シュレディンガーの猫のコンセプトを発散させた世界観を基礎に描かれている。情報空間を数学的に移動するこの世界観に心揺さぶられた。

  • 批評家としての東さんをほとんど知らないので純粋に小説として楽しんだ。家族を巡る変態的な妄想の世界は脳へのよい刺激。村上春樹よっぽど好きなんだな。

  • 友人に薦められ読んだ。批評性に満ちた小説。村上春樹の『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』をフィーチャーしている。

    膨大な知識を駆使して小説世界を構築していて驚いた。でも、登場人物の心理描写はそんな薄っぺらなものでいいのかな、と言いたくなる。あえてするのなら。

    著者のデリダ論や文芸誌の対談などを読んで、この人は嫌いだと、偏見をもった。薦められなければ食わず嫌いのまま読まなかっただろう。たしかにSFとして面白かった。でも偏見を拭いさることはできなかった。ごめん。

  • 未来には量子脳計算機によって、並行世界に介入できるようになっている。それによって、別々な並行世界の家族が出会い、自分の運命がどうしたら変わるのか、そんなことを考えている。

    設定は好きなのだが、物語に共感できるかといえば難しい。どこからか持ってきて切って、貼ってできました!という感じがするのだが。。。

  • 上手に書けているし、書いてる人は頭いいんだろうなぁ、とは思うけれど、僕の趣味ではない。「思想」「テーマ」「モチーフ」がすっきりとエンターテイニングに「伝わる」フィクションよりも、もっと目先の単語・文字・インクのシミと戯れ、そこで行ったり来たりしながら知らない世界を見せたり想像させたりしてくれる本のほうが読みたい、と改めて思う。

  • あまりのめり込めなかったです
    村上春樹サンの
    世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド(未読です)が
    引き合いにだされ
    並行世界を行ったり来たりできる人たちが登場します
    バック・トゥ・ザ・フューチャーかと思いました
    源一郎サンの「悪」と戦うとも展開が似ているのですが
    「悪」と戦うの方が、この先
    未来しかない子どもたちだけの物語という点で
    同じ人間が何度も未来を生きるストーリーに飽きがこない
    クォンタム・ファミリーズの方は
    主人公が
    過去を懺悔したい(性犯罪おかしたとか)大学教員(ただ今子どもが選ぶ将来なりたい職業No.1大学教員)
    というまったく同情を得られない設定でがっかり
    ただ2035年という並行世界の情報化社会のあり方など
    未来の描写は充実しています
    しかしそこが
    小説の背景として読むとたいへんうっとうしい
    その背景は
    別の読み物としたら、もっと楽しめると思います

  • ★★★☆☆

    初めての作品でここまでのものを書けるというのは、東浩紀は本当に多彩です。何冊も小説を書いてきたかのような出来です。

    ただ、現代思想や批評を意識的に織り込んだような作品の中では、まだ少し硬く、小説としてこなれていないようにも思います。小説としてリズミカルに進むところがあるかと思えば、批評家の対談を読んでいるようなところもある。そういうのは、小説家の小説ではなくて、やはり批評家の小説という印象です。

  • 「誤配」「幽霊」「35歳問題」「多重人格」など著者のこれまでの思索のキーワードが綺麗に物語内に収まっている。むしろこの小説を中心として他の著作を理解していくべきなのかもしれない。

  • SFパラレルタイムリープセカイ系家族小説。理系。未来と記憶と現在が交錯するので状況はややこしくなりがちですが、ぐいぐい読めました。
    怒涛の専門用語は自分は諦めました。そういう用語があるのねーくらいで。
    家族のどろっとしたリアルなゴタゴタを純SFに落とし込んでるのが面白い。
    腹の底の見えない妻、愛に飢える娘とエディプスコンプレックス傾向な息子、過去の罪と愛人…逃れられない現実が重くどっしりとあるせいで…いや、おかげで、設定はひたすら虚構的なのにまるでノンフィクションのような生臭さがあります。
    あらゆるものを悲惨に巻き込みながら最終的に家族に回帰していくのは現実の社会にも言いたいことを含ませてる感じがするかも。
    「35歳問題」は強く考えさせられるものがあります。
    成し遂げられなかったものへの執着を捨て、今あるものを愛せというメッセージは舞城さんのディスコ探偵に似たところがあるんで、同じ潮流から出てきたものだと勝手に解釈してます。村上春樹的な意味で。

    ていうかあれだ。友梨花は間違いなくだめんずうぉーかーですね。

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著者プロフィール

1971年東京生まれ。批評家・作家。東京大学大学院博士課程修了。博士(学術)。株式会社ゲンロン創業者。著書に『存在論的、郵便的』(第21回サントリー学芸賞)、『動物化するポストモダン』、『クォンタム・ファミリーズ』(第23回三島由紀夫賞)、『一般意志2.0』、『弱いつながり』(紀伊國屋じんぶん大賞2015)、『観光客の哲学』(第71回毎日出版文化賞)、『ゲンロン戦記』、『訂正可能性の哲学』など。

「2023年 『ゲンロン15』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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