古道具 中野商店

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (277ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104412044

感想・レビュー・書評

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  • 古道具屋で起こる話は面白い。
    何だかちょっと素敵な人がでてくるなー。

  • 登場するそれぞれの人たちの恋愛がそれぞれに拙く不器用なので切ない。舞台が古道具屋(骨とう品店に非ず)であることの意味を少しだけ考えてみて、すぐにどうでもいいことに気がついてやめた。子どもであるがゆえに手に入れて、そして失くしてしまう恋。20歳を過ぎて自身の事を何の躊躇いもなく『女の子』と言い切ってしまうヒトミの傲慢な幼さ(それがタケオを傷つけてしまう)に一瞬イラッときて、けれど気が付いた。これは同属嫌悪。サキ子さんの恋愛だけが潔く美しい。高価な骨董品のように。

  • 多分、次に読んでもはじめて手にとったような気になる

  • 骨董じゃなくて、古道具屋。

    中野さん、姉のマサヨさん、バイトの私ことヒトミ、タケオ。

    なんてことない古道具屋で働く4人の日々と、
    そこで出会うたくさんの人との関わりがのんびり書かれている。

    ほんとにのんびり書かれているから読むのものんびりしてしまう。

    人も物も、時が経てば変わっていくもの。
    長い時間の中で唯一変わらなかった気持ちと思い。

    タケオのキャラがシン君ぽかった)^o^(

  • 古道具屋「中野商店」に集まるひとびとの、人間模様というには少しふわふわとしたものがたり。
    「ぽかんとした表情」「ぽかんとした口調」と語られるアルバイトのタケオのように、ものがたり全体もなんとなくぽかん、としている。

    個人的に主人公の性格はあまり好きではないけれど、要所要所の言葉遣いにはっとさせられる。

  • 大人になるのも悪くないなあ、と思えました。

    中野さんが経営する古道具屋「中野商店」。
    そこに登場する人たちは、力みすぎていない、かといって諦めてもいない、ちょうどいい力加減の、(いい年した)大人たちです。

    30代の、50代の恋愛模様もふんわり描かれていて、これもまたいい感じ。

  • 古道具(骨董品ではなく)を扱う中野商店にまつわる、ちょっと変わった人たちのちょっと変わった日常。
    店で働くヒトミとタケオ。いわゆる“恋愛小説”のように100%愛だの恋だの言っていないのにこのせつなさはなんだろう。
    ストーリーそのもの以外にも、細部の、店主中野さんの愛人に「銀行」というあだ名を付けるセンスとか、ポージイのケーキの存在とか、そんなところがたまらなく好きだ。
    余談だけれども、中野商店解散後に、ヒトミがOLになったのにはびっくりした。その章からいきなり他の本を開いてしまったかのようだった。川上氏の作品の中に、OLやらウェブデザイナーやらといった単語が出てくることがかなり意外だ。いままでもあったのかなー。思い出せない。

  • のめり込むことが出来なかった。

  • 古道具屋で働くヒトミさんは同じ店で働く無口なタケオが気になり始め、食事をするようになり1回だけセックスをするが、何でも無い事から雲行きが怪しくなる。女にだらしのない主の中野さんやお姉さんのマサヨさん、中野さんの愛人サキ子さんとの友情と呼べるようなほんわかした交流、タケオとヒトミさんのうまくいかないじれったい恋。そんな全部を包んでいた古道具屋中野商店は解散し、それぞれ別の人生を乗せて最後の章の「パンチングボール」に収束していく。川上弘美の小説には靄の中からセックスと死が時々ふっと立ち現れる。

  • 中野さんがいたら、わたしもほれるかもしれないな(笑)
    マサヨさんみたいな魅力的な50代にわたしはなっていたい(望
    ヒトミちゃんがタケオにぐるぐるしているような感じをいままさに踏んでいるわたし(痛

    ・・・という感じでそれぞれの登場人物がうまーく描かれていて、またどっぷりと読みふけってしまう。わたしの中ではずれなし、川上弘美作品。

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著者プロフィール

作家。
1958年東京生まれ。1994年「神様」で第1回パスカル短編文学新人賞を受賞しデビュー。この文学賞に応募したパソコン通信仲間に誘われ俳句をつくり始める。句集に『機嫌のいい犬』。小説「蛇を踏む」(芥川賞)『神様』(紫式部文学賞、Bunkamuraドゥマゴ文学賞)『溺レる』(伊藤整文学賞、女流文学賞)『センセイの鞄』(谷崎潤一郎賞)『真鶴』(芸術選奨文部科学大臣賞)『水声』(読売文学賞)『大きな鳥にさらわれないよう』(泉鏡花賞)などのほか著書多数。2019年紫綬褒章を受章。

「2020年 『わたしの好きな季語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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