古道具 中野商店

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (277ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104412044

感想・レビュー・書評

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  • 川上弘美さんの書く、中野商店のようなゆるくてぬるくて開けっぴろげな場所に、10代の頃からずっとあこがれてきたのを思い出した。そしてちょっと切なくなった。みんなそれぞれに不器用だ。

    本筋とは特に関係なく、わたしが中野さんにもらった五千円を使って、コンビニで3000円ちょっとの爆買いをして、夜の公園のベンチで缶ビールをあけるところが一番好きなシーンだった。

  • 古道具屋の中野商店で働く(集まる?)4人の男女のお話。
    川上さんの言葉の選び方が、好きだなぁって思う。『文鎮』とか『男の子』とか。これをそういう表現のために使うんだなぁと。
    あと、ひとみが『もう仲よくないの、わたしたち?』というシーンと、マサヨさんが、『世界で一番愛してる』というシーンが好き。これらの一言でも、劇的な盛り上がりがないところがいい。
    まぁ、つまり、私は川上さんの小説が好きなんだなぁと再認識した、ということ。

  • 恋に不器用な男女と、古道具店を営む人たちの日々を描く。
    ほのぼの感もあれば、恋の駆け引きもあり、非日常的な事件が起きても重大事件には至らず、のほほ~んとした感じで飽きさせずに最後まで引っ張っていく語り口は侮れない。なかなかいいんだなぁ、この感じが。

  • 「嫌いではない人は世の中にたくさんいて、その中でも『好き』に近い『嫌いではない人』がいくたりかいて、反対に『嫌い』に近い『嫌いではない人』もいくたりかいて、それではほんとうにわたしが好きな人はどのくらいいるのだろう」(91ページ)

    なんとなく生きていくのが下手だったり不器用だったり。

    そんな、古道具屋中野商店の店長とそのスタッフたちの物語り。

  • ほっこりするお話し。
    情緒ある文章の表現や場面の切り取り方がたまらない。

  • 不器用な登場人物達が愛おしかった。
    読んでいて、居心地のよい気分になる。
    主人公のヒトミの心が落ち着かないとき、
    自分の気持ちもザワザワした。
    こんな場所にいたらホッとするのに。
    甘酸っぱい恋にも一喜一憂するのに。
    ありそうでない場所が、とても素敵だった。

  • 感想
    古道具を通じて他人と付き合う。どうしたら良いか考えすぎてしまうのは自分が傷つきやすいからか。理解できないことがあっても受け入れて歩む。

  • メモ書き:
    ・何処にでもありそうな?無さそうな、日常的な設定でダラダラと普通に進む。
    ・普通の人の日々の生活って、こんなもんじゃないだろうか。という温度感がいい感じ。
    ・大人の恋愛関係も、さくっと描かれていて重くない。感覚的。こういうのも有りか。
    ・読後感は、「読み終えたー!」って感じではないが、読んで損した気分とは違う。

  • 特に事件も起きないし
    特に急展開も起きないし
    淡々と淡々と

    何というか
    ふんわり居心地の良い空気感

  • 【あらすじ】
    東京近郊の小さな古道具屋でアルバイトをする「わたし」。ダメ男感漂う店主・中野さん。きりっと女っぷりのいい姉マサヨさん。わたしと恋仲であるようなないような、むっつり屋のタケオ。どこかあやしい常連たち…。不器用でスケール小さく、けれど懐の深い人々と、なつかしくもチープな品々。中野商店を舞台に繰り広げられるなんともじれったい恋と世代をこえた友情を描く傑作長編。

    【感想】

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著者プロフィール

作家。
1958年東京生まれ。1994年「神様」で第1回パスカル短編文学新人賞を受賞しデビュー。この文学賞に応募したパソコン通信仲間に誘われ俳句をつくり始める。句集に『機嫌のいい犬』。小説「蛇を踏む」(芥川賞)『神様』(紫式部文学賞、Bunkamuraドゥマゴ文学賞)『溺レる』(伊藤整文学賞、女流文学賞)『センセイの鞄』(谷崎潤一郎賞)『真鶴』(芸術選奨文部科学大臣賞)『水声』(読売文学賞)『大きな鳥にさらわれないよう』(泉鏡花賞)などのほか著書多数。2019年紫綬褒章を受章。

「2020年 『わたしの好きな季語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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