とるとだす しゃばけシリーズ 16

著者 :
  • 新潮社
3.54
  • (21)
  • (80)
  • (98)
  • (6)
  • (2)
本棚登録 : 667
感想 : 79
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104507238

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 「しゃばけ」シリーズも16作目。もう17作目「むすびつき」も出ています。
    若だんなの大事なおとっつぁん、長崎屋の主・藤兵衛が倒れてしまうところから。
    若だんな一太郎、頑張ります。

    藤兵衛が昏睡状態に。
    病弱な若だんなのための薬を5ついっぺんに試してみたという、親ばかならではの理由なのだが。
    薬種問屋にあるまじき行動でしょ(笑)
    何とかしようとする若だんな、時々熱を出しつつも奮闘しますよ。
    だんだん大人になってきた感じがありますね。

    江戸湾に蜃気楼が現れた。
    頑張っていた若だんなが蜃気楼の世界に飲み込まれてしまい‥?

    化け猫憑きと噂された娘をもらってくれという縁談やら。
    恨みを残して「狂骨」となったのは‥
    この話は恐ろしい。

    いつもより行動的な若だんな、合わせたように話の構造も変化に富んでいます。
    お気に入りのシリーズなのは変わりませんね☆

  • しゃばけシリーズ、なんともう第16弾!
    ますます面白い。
    効能書きの“盛り”や、文春砲みたいな「よみうり」のゴシップ記事、うわさと縁談に目の色を変えるオバチャンたち…と、現代とまるで変わらない江戸はにぎやかだ。
    そこへ、妖と神さまと坊さんも加わって…

    【薬は用法用量を守って、正しくお飲みください】
    今回はこれに尽きる。
    なのに、籐兵衛さん、薬種問屋のあなたがどうしてこんなことに…
    若だんなは、父・籐兵衛さんをなんとかして薬害から救おうと奔走!


    『とるとだす』
    上野広徳寺にて、高僧・寛朝さんが開いた薬種屋たちの集まりで事件が!
    「効能書きが多すぎる!本当に効くものだけを書きなさいっ!!!」
    寛朝様、お叱りごもっとも!

    『しんのいみ』
    江戸の沖に突然現れた島影。
    そこへ入るとだんだんと記憶が失われていくというが…

    『ばけねこつき』
    江戸の大店の従業員はほとんど住み込み。
    見習いのうちは給料も出ず、のれん分けで店でも出さなければ結婚もできない。
    この状況から起こる悲劇は多い。

    『長崎屋の主が死んだ』
    異形のものも多く登場する若だんなの身の回りだが、心底震えるような恐ろしいものが現れた。
    悲しい姿になってしまうのも、自分も人も不幸にしてしまうのも、結局は“心ばえ”の問題なのではないか。

    『ふろうふし』
    「しんのいみ」とも通じる、おとぎ話と絡んだテンポのいいお話。
    大団円。
    途中ちょいちょい熱を出したが、今回の若だんなはアクティブだった!

  • 若だんなの おとっつぁん が大変な事に!Σ( ̄□ ̄;)若だんなの病を治す薬を試すため、たくさん飲みすぎて倒れちゃった\(゜o゜;)/おとっつぁんの薬を抜くため、いつものメンバーが奔走する(゜゜;)というのが大筋だけど、狂骨の恐ろしく、悲しい話が心に残った(T-T)今回は少しアクティブな若だんな(^^)少しは体が丈夫になってきているんだな♪

  • 初出 2017年「小説新潮」
    人気のしゃばけシリーズ16作目

    長崎屋の主藤兵衛が薬種屋の集まりで、若旦那の病弱を治すという薬を何種類も飲まされて、人事不省に陥る騒動から始まる5話。

    江戸湾に蜃気楼が現れて、藤兵衛を元に戻す「枕返し」を探す若旦那が呑み込まれ、蜃気楼の主の蛟龍が龍になって天に昇る時に戻ってくる第2話。
    「化け猫付き」と噂されたお嬢さんを嫁にもらってくれと押しかけて来た染物屋の主人と奉公人の話は、怪異譚ではなく主従の信頼と失望が原因の第3話。
    4話目はちょっと怖い。怨みを抱いて井戸で死んだ「狂骨」に呪われて襲われたため、若旦那が原因を突き止める。
    最後は大黒天から、常世の国の少彦名に薬を貰うよう勧められて若旦那は空を飛んで行くが、少彦名は江戸に来ていてひと騒動。

    いつもの心優しいファンタジー。
    若旦那が店の帳場に座ったり、父親のために頑張ろうとする姿が、もう少年ではなく成長したなあと思えるし、初めて母から頼りにされて感動したのはちょっとこっちも嬉しくなった。

  • 半日で読了(*^_^*)
    若だんなのおとっつぁん、藤兵衛が倒れ、回復するまでを短編で綴る。
    ・とるとだす・・・薬種屋の集まりで藤兵衛が倒れた原因は?
    ・しんのいみ・・・蜃気楼の島へ行ってしまった若だんな。
       果たして江戸に帰れるのか?
       “さみしがり屋”がキーワード。
    ・ばけねこつき・・・押しかけ縁談と化け猫の関係は?
       身を粉にして働いたのに何も得られなかった無念。
       いえいえ、得たものはあります。
       それがハッピーエンド?に繋がるのだから。
    ・長崎屋の主が死んだ・・・無念・無常の恨みが理不尽な怪異となる。
       その祟りの矛先の相手は?不条理が怖い作品。
    ・ふろうふし・・・つまり、不老不死。久々に神仙登場!

    人、妖、神仙の想いとすれ違い。
    人は一人ではない、助けを求めれば誰かの手が伸びる。
    それにしても、若だんな。身体は弱くても心が強くなったね。

  • 若だんな、今回やたら動くね!
    とおもったらやっぱり反動くるよね笑

  • シリーズ第16弾は、若旦那の父の藤兵衛が複数の薬を一緒に飲んで倒れて生死をさまようところを若旦那と妖たちが、なんとか回復するよう奮闘する様を描いた短編5編でした。
    妖たちだけでなく、神様までもが登場するところが、なかなか秀逸で面白いですね!

  • 今回は父親のために頑張る若旦那。

  • いつもは事件に巻き込まれたり、他人のためだったけど今回は親ばか筆頭の父親のため。若だんなの思い入れも強かったので面白かった

  • 【しゃばけシリーズ16】
    今回のシリーズ第16弾は、若だんなではなく、父・籐兵衛が体調を崩し、そのために若だんなが奔走する話。母おたえの藤兵衛を思う気持ちが、いつもの気丈さではなくて、より深刻に感じた。
    妖たちが怖がる狂骨の話は、私も読んでて怖くなった。でも最後の鳴家の頑張りに胸がきゅんとした。

著者プロフィール

高知県生まれ。名古屋造形芸術短期大学卒。2001年『しゃばけ』で第13回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞を受賞し、小説家デビュー。「しゃばけ」シリーズは、新しい妖怪時代小説として読者の支持を受け、一大人気シリーズに。16年、同シリーズで第1回吉川英治文庫賞を受賞。他に『つくもがみ笑います』『かわたれどき』『てんげんつう』『わが殿』などがある。

「2023年 『あしたの華姫』 で使われていた紹介文から引用しています。」

畠中恵の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
三浦 しをん
坂木 司
宮部 みゆき
辻村 深月
恩田 陸
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×