- Amazon.co.jp ・本 (361ページ)
- / ISBN・EAN: 9784104596041
感想・レビュー・書評
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面白おかしく付け加えられたように見えるエピソード、登場人物が発する何気ない言葉、ただの情景描写が実は伏線になっていて、最後に次々と回収されていくのが爽快。
これは伏線かな、と予想しながら読むと実は全く関係なかったりするので読んでいて退屈しない。
これが伊坂さんの第1期作品の特徴?
第1期も第2期も好きなので他のも読み返したい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
四人の父親という設定から破天荒な内容を期待して手にとったのだが、エンターテイメントに欠けた内容に落胆する。
いや、エンターテイメント性に振り回され、かえって面白みに欠けてしまったという様に思える。
父親達の持つ各々の特性がただの記号と化しており没個性的で特性故に起きるハプニングもなければ快哉をあげたくなるような活躍もなく退屈な内容に吐息が漏れる始末。
伏線も多用されてはいても、ストーリーと上手く噛み合っているとは言えず正直種明かしをされても「それがどうした」としか…
ただ人気作家さんだけに文章は読み易かった。 -
井坂作品はこの感じのエンターテインメントでなくちゃいけません。
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流石幸太郎先生。
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2度目読了。
内容を忘れていたので楽しんで読めました。
伊坂幸太郎の描く女の人は魅力的だなぁ。 -
試験での失敗よりも怖いことは世の中にはいくらでもある。父親たちはそのことをよく知っている。
ー由紀夫
「父親が四人もいて、息子を守れなかった、なんて洒落にならねえからな」
ー鷹
主人公は母親と父親(4人)の6人家族。
ギャンブラーの鷹。女好きの葵。
スポーツ万能の勲。大学教師の悟。
個性豊かな4人の父親と暮らしている息子がある日、鞄をすり替えられる現場を目撃したことから様々な事件に巻き込まれて…
4人の父親がそれぞれ本当にカッコいい。
息子LOVEでそれでいて奥さんLOVE。
奥さんの帰宅が遅くなった時にそれぞれがリビングで待ってる様子が特に印象的でした。
今回も大なり小なり散りばめた布石を
最後にキレイに回収してくれました!
映画もオススメです。 -
2016.02.29 再々読。(未レビューだったのでこちらに)
勉強もそれ以外のことも知ったかぶりせず誤魔化さずにきちんと答えて教えてくれる博識の父、悟。
中学教師ゆえに真面目だがかといって四角四面なわけでもない、得意のバスケだけでなく格闘技まで仕込んでくれる、スポーツ万能の父、勲。
ギャンブル好きでいい加減で大人げない。ダメな大人代表、みたいなのに不思議な魅力があり、でたらめで相手を納得させる、妙な力がある父、鷹。
女性とみれば見境なく優しくするも全く嫌味にかんじさせない、名前は覚えなくても顔と電話番号は脳内インプットで驚くべき記憶力を発揮する容姿端麗の父、葵。
四者四様、バラバラ且つそれぞれに異彩を放つ強烈な個性を持った四人の男が全て父親。
こんなトンデモない設定なのに割とすんなり受け入れられ、物語に集中できるのは非常に魅力的な4キャラクターを繋ぐ息子、由紀夫の終始ドライで冷静な一人称ゆえだろう。さらに、クールぶってるけれど思春期の照れ隠しなのが見え隠れするのがまた好ましい。
また、違う部分で四人の父を繋ぐ存在、母親の知代の顔をあえて描かないと言うのも光る演出かと。
男5人(時に鱒二や紅一点の多恵子も加わるが)、男だけの“内緒の冒険”めいているのが何ともワクワクする。
四人の父親がそれぞれの最良のやりかたで息子に示す愛情表現が何とも微笑ましい。
ランナウェイプリズナーのシーン(というかその後のファミレスの種明かしのシーン)はくすぐったいような幸福感を感じる。 -
お父さんが4人いて、いいバランスで幸せな家庭が成り立っている。設定がおもしろいし、息子思いのお父さんに心温まる話。