らくご小僧

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 25
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (219ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104683017

作品紹介・あらすじ

勉強も恋も、からきし苦手な少年S。爆笑しつつもホロリ懐かしい、純情自伝。

感想・レビュー・書評

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  • 同じ頃、大学生だった私も間際の馬生を九段会館で聞いた。丁度、中入りの時に楽屋入りする馬生に出くわした。前傾してヨロヨロ歩く姿になんとなく不吉な影を見たような気がした。高座での話っぷりではその違和感は無かったが暫らくして訃報を聞いた時、矢張りと思った事を思い出す。芸風が全く異なる談志への弟子入りはタイミングという他、ない。

  • 落語の笑いのツボの一つに「パロディ」がある。誰もが高座にかけるようなポピュラーな噺の中の 1フレーズを、マクラや他のネタの中に挟み込むと、知っている人には大ウケだが、知らない人にはてんで判らない、奇妙なクスグリになるのだ。もちろん、万人が判るように解説してしまってはパロディの面白さが台無しなので、「判る人にだけ判る笑い」というところに面白みがある。

    『らくご小僧』は、志らくが幼少期から談志入門直前までをエッセイ風に書き綴りつつ、一篇一篇にそんな落語のパロディを挟み込んだ一冊。もちろん、落語ファン以外にも判り易いように、「なんという噺の、どういう場面」という解説を逐一入れていて、そこを無粋と取るか、一般読者向けなので仕方がないと取るか。師匠の談志はよく、「落語やってると、世ン中だいたい判っちゃうんだよね。何を見ても、『ああ、これは反対俥のアレだな』とかね」と語っていた。談志は「こんな抽象的なこと言われても何のことだかわかンねェだろうけど」と続けたが、しかし、そんな師匠の言葉を、志らくが見事に具現化してみせた。

  • 同世代の自分のガキの頃とそっくりな環境。 思わずわらってしまう。 小学生のころ 必ず遊びで使われる
    『うんこネタ』と 『女の子との好き嫌い、やーい結婚しろ! 間接キッスだ!』  など 枚挙にいとまがない。 そして 近所に必ずいた 仕事をしない怪しげなおとな。  昭和をすごした自分の小学生時代を思い出す格好の題材になりそうだ。

    お店の料理待ちで読んでいても「ぷっ」と吹き出してしまうような面白さ。 馬鹿だねー と思いつつ自分の子供時代に重ねて想像している。

    最後の2節は、しみじみとした話。 この2節で いい本だったなーと思える。

  • 落語家 立川志らくさんの自伝・・・ではなくて、自伝的エッセイ。
    あとがきで述べられているけども、いくらか脚色されているとのこと。

    志らくさんの本は「雨ン中の、らくだ」で楽しませてもらったけども、この本も面白い。
    幼少期から弟子入りまでのなかで、地で落語な人間であった志らくさんの様子がおもしろおかしく描かれている。
    何と言っても、昭和のノスタルジーというか、古き良き時代の描写と、決して類を見ないような志らくさんの子ども時代の様々なエピソードに笑えるし心打たれる。

    それぞれのエピソードが落語のネタや人物になぞらえて語られているので、落語初心者としては落語の勉強にもなってよかった。

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    【内容(amazonより)】
    勉強も女の子も苦手。与太郎のごとき少年は、やがて落語を天職と見定める。東京に自然が溢れていたあの時代。爆笑しつつもホロリ懐かしい自伝エッセイ。
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    【目次】
    与太郎
    湯屋番
    建具屋の半ちゃん
    元犬
    出来心
    火事息子
    たいこもち
    大工調べ
    宿屋の仇討ち
    源平盛衰記〔ほか〕
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  • 20/8/10

  •  「落語家になるよりしょうがねえ」と談志に言われただけあって。

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著者プロフィール

立川志らく
落語家、映画監督(日本映画監督協会所属)、映画評論家、劇団主宰と多彩に活動中。TBS「グッとラック!」MC「ひるおび !」コメンテーターと、月曜から金曜まで朝の情報番組に出演中。寅さん博士、昭和歌謡曲博士の異名も持つ。1963年8月16日東京都生まれ。85年10月立川談志に入門、95年真打昇進。父はクラシックのギタリスト、母は長唄の師匠という家庭に育つ。特技はダーツ、けん玉、ブルースハープ。「第73回(平成30年度)文化庁芸術祭」 大衆芸能部門 優秀賞受賞、著書多数。96年より『キネマ旬報』に連載中の「立川志らくのシネマ徒然草」は異例のロングラン連載となっている。


「2019年 『立川志らくの「男はつらいよ」全49作 面白掛け合い見どころガイド』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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