- Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
- / ISBN・EAN: 9784104711048
感想・レビュー・書評
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そこそこ薄暗くて生々しい
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2021.10.10 読了
昔は人がいっぱいだった団地に住む
何人かの話。
連作短編になっていて、
それぞれの視点で物語が進み、交錯する。
いろんな人生があり、ここにいる。
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*「家族」のかたちが見えればいいのに。壊れはじめたら、すぐに分かるから。借金まみれのキャバクラ嬢。猫の集会を探し求めるカメラマン。夫が死んだ日のことを忘れられない未亡人…ひとりぼっちの人生がはじまった、それぞれの分岐点。著者会心の傑作連作集*
面白かったー!
一見、優しくて善意ある人々が実は…と言う展開が良かった。
各々が抱える不幸や不運や自業自得を淡々と受け入れ、消化しつつ、その上でゆるやかな優しさを他者に向けられる登場人物たち。善悪混合、きれいごとだけではないのに、良きものを見せてもらったお話たちでした。 -
柴田よしきさんの短編集。
【家族】をテーマにした6つの短編とエピローグで構成された連作集です。
借金まみれのキャバクラ嬢、猫の集会を探し求めるカメラマン、夫が死んだ日のことを忘れられない未亡人…etc
それぞれの人物の描写が巧みで自然に物語の中に入って行けました。
連作集ですが、短編としても楽しめ、奥が深い作品に仕上がっています。
1人1人の孤独・寂しさの中でも、何故かしらこの団地に暮らす人と人との繋がりで、どこかほっとする優しさ・安らぎを感じられて読後感も良かったです。 -
寂れたニュータウンの団地に住む人々。ブラック金融から借金して、取り立てから夜逃げした絵里は友人の朱美を頼ってこの団地に転がり込んできた。そこで知り合った人々は、それぞれひとりにならざるを得ない過去があった…。
上手く行かない人生、愛する人との別れなど、辛い出来事が多いけど、誰も恨まず妬まず淡々と生きている人たちが妙に清々しい。古臭い近所付き合いの団地が羨ましく感じる。 -
読みやすくて面白かった。
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2016.12.12
家族、生まれたちを思い起こさせる内容でした。 -
昭和な雰囲気の団地が舞台。どの部屋にも、それぞれの人が住みそれぞれのドラマがある。なんか寂しいような、つながっているような絶望と希望を感じた。
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借りたものは返さないと。
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2014/9/14 読了
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不幸のオンパレード。
読んでいて憂鬱な気持ちになることも多々。
根っからの悪人は出てこない。誰しもが何かを抱えていて、何かのきっかけで
それが不幸のスパイラルへと落ちていく、すぐそばの闇を描いている。んだけど・・・。
正直ね、“誰でも落ちかねない闇”とは思えない。
もちろん、思いがけない悲しみが重なってやってきたとき、それを難なく乗り越えられるなんて思っていないけれど、今回のこの本では、“誰でも”という部分を強調して普遍的にとらえさせたい、という意図が見え隠れ・・というよりあからさまに見えて不快だった。
キレイにまとめすぎず、それでも小さな救いがあるところはこの筆者らしい。 -
あたしはどうなるのか、この先の人生がどこに向かうのか、何もわからない。
わからないけど、とにかく、あたしはまだ生きている。 -
今最初の 最後のブルガリを読んでいる 朱美のオンぼれマンションで留守の絵理は お金も食べ物もない いよいよ 最後のブルガリを売るしかない おまけに借金を踏み倒して夜逃げして追われる身だ なんかおかしな気配がする 捕まったら売り飛ばされて--- と ハラハラさせておいて 一気にパッと目出度しめでたしになるのが面白い
ところが読み進めるうち状況がちがってきた5000円おいていくの忘れたふりして朱美は絵理を飢餓状態になるようしむけて彼と旅行 帰ってきてごめんごめんだ 夫を電車に轢き殺させた静子 などが出てきて 人生の道を踏み外した人が住む吹き溜まりのような団地が浮かび上がってきた やたらに飛び降りたり風呂で手首を切って自殺する人が出てくる それも夫か男ばかり 人生の岐路を踏み外て筑後40年の団地にたくましく生きる女ばかりでてくる 根暗向きの本だね -
(収録作品)最後のブルガリ/黒猫と団子/遠い遠い隣町/いつか響く足音/闇の集会/戦いは始まる
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借金まみれのキャバクラ嬢。
猫の集会を探し求めるカメラマン。
夫に先立たれ一人暮らしの未亡人。
何故だか結婚についていない女性。
どこにでも居そうな、普通に地味に暮らしている人たち。
別に血なんか繋がってなくても、家族でいいんだ
この団地全部、家族でいいんだよ
寂れた団地で暮らす彼らが「家族」になって強く生きていく物語。 -
閑散としたニュータウンの団地にもそれぞれの人生、それぞれの物語がある。
借金、水商売、嫁姑問題、保険金、猫集会、興信所。
それでもちょっとだけおせっかいな気持ちを持ち寄れば、コミュニティができ、居場所ができた。
もうどん底と思えた状況も、一筋の光が見えてきた。 -
久しぶりに読んだ柴田よしきさん。相変わらず面白かった。
ある団地に住む、壮絶な過去を持った人達の人間模様。どの人生を見ても自分とは違うのですがどこか自分の事のように感じてしまうのは、きっともしかしたら自分の身にも起こりうるようなことだから?
読んでてすごくせつなく、悲しいのですが、どこか暖かくもあり。。。離別、死別、家出、とやたらと「別れ」と言うキーワードが飛び交います。その「別れ」からたどり着いた場所、そこがあの魔法の団地。。
ここに住み着く人はみんな自分の過去を隠し(と、言うよりは無視して)生きてます。決して順風満帆ではないけどそれでもそれなりの幸せを噛み締めて。
決して大きな事件とかサスペンスとか無いのだけどとてもそれでも退屈せず、最後までほっとする読み方が出来る。
柴田ファンはこういうの好きなんじゃないかな~個人的には、息子さん家族と疎遠になってしまった、里子さんのお話、「遠い遠い隣町」がせつなくて良かったです。 -
☆☆☆☆☆
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連作短篇集。
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「闇の集会」が好きでした。
最近ライトな作風が多いけれど、このひとのこういう、生きることの罪悪を抱えながら生きているひとの描き方が特に好みなんです。 -
団地を背景に、様々な人々の物語。ひとつひとつの話は、ナカナカ読みごたえ、あるけど、最終的に皆が繋がってる部分が、無理矢理な感じがした。
各々の話も、完結していないので、少し消化不良でした。 -
孤独な暮らしをする人々を主人公とした6つの短編とエピローグで構成された連作短編集。昭和の時代に建てられた古びたニュータウン、その寂れた4階建ての団地アパートに、家族を失った人々がひっそりと暮らしている。その人々の来し方と孤独な現在が次々と描かれるのだが、その一編毎にそれぞれのやるせない人生が詰め込まれていて、少々息詰まる思い。登場する人々に共通するのは、家族を失ったことへの自責の思いだ。配偶者や親の自殺、あるいは離別など理由は様々だが、不運ともいうべき孤独な暮らしぶりは共通する。そんな人々が、団地らしいおせっかいなコミュニケーションのおかげで、いつの間にか寄り添い酒を酌み交わし出す。『エピローグ』では、家族の結びつきを失っていた彼らが、団地暮らしを疑似的な「家族」を感じるところに救いを持たせていて語り口のうまさを感じさせる。
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これは誰の話なの?家族の話?団地の話?
人はいつでも、心を通じて一つになれる。でも、一人でも歩ける。
失ったものを数えていたらきりがないけど、それでも失ったものさえ思い出の一つなのかもしれない。 -
2010/10/17 アパート話。不幸の色合いが似てなくもないが。
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ひとつ団地に住む、色々な過去を背負った人々の人間模様が、重くならずザラッと描かれている。「闇の集会」 が特に良かった。
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古い団地の住民を繋いだ連作。時代と個人の生い立ちなどをテーマにしているが、人物に魅力が薄く過去に拘る言い訳はややしつこい。社会から置き去りになった人達の達観か闘いなら読み応えあったかもしれないが、諦めにたいな雰囲気。エピローグはとってつけた感じでむしろ読後感を損なう。設定は面白いんだけどな~
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とある寂れた団地に住む人々を描いた連作短編。
それぞれの事情は少しづつしかわからないし、嘘も抱えたままゆるやかに繋がる人情模様が上手い。
装画 / ヒロミチイト
装幀 / 新潮社装幀室
初出 / 『小説新潮』2008年2月号・5月号・8月号・11月号、2009年2月号・5月号、書き下ろし1本 -
読み始めた時「これは…マネしたくない人生コレクション…」と思ったのですが、読了時・最後のページで彼女達が羨ましくなってしまいました…。柴田先生マジック!女性だけが語られるかと思いきや、登場する男性陣も興味深かったです(カメラマンのみ浮いてる気もしましたが…社会的には成功しちゃったからかな…)。タイトルがコレなので、勝手にその後を想像してしまうのも仕掛けかな?とも。内容は全く違うのですが、村上龍の『最後の家族』をちょっと思い出しました。
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図書館の新刊の棚で名前を見つけると、たいがい借りる作家さん。
「花ちゃん」シリーズは予約するけども(^^)