中国セックス文化大革命

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (317ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784105056315

作品紹介・あらすじ

性を抑圧する闘争だった毛沢東の文化大革命から、「開放」政策の下、百花斉放に欲望が咲き乱れる二十一世紀まで。現代中国の秘部を初公開。

感想・レビュー・書評

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  • 中国人の書く、中国のエロ。

    国家主導で”エロ”を抑圧していた毛沢東時代、中国人はどのような性生活を送っていたのかや、現代中国における風俗や性サービス事業の実態、儒教や道教がもたらしたSEXに対する価値観などと言った盛りだくさんの内容。

    ちょこちょこ中国に伝わる性ジョークや小話を挟んでくれるのが面白いと感じた。

    この本が出たのは2007年ということで、最新の性事情として書かれた内容も、既に古くなっているものも多いと思う。
    近年のネットの発達は凄まじく、ここ日本でも男女の出会い方からセックスの楽しみ方まで、ありとあらゆる情報が溢れ、そして多様化していっている。

    エロは国境を越えるとはいうが、実際のところセックスや恋愛の思想というのは、その国や地域の歴史や風習によって大きく変わってくるようだ。

  • 2007年刊。著者は日本への留学歴(慶応と東京外大)、日本企業の勤務歴ある中国民間人。文化大革命期~現代中国までの性(夫婦、愛人、性風俗等)の実情を体験談・エッセイ風に叙述。◆文化大革命期を頂点とする歪な婚姻、恋愛、性道徳。すなわち極端な禁欲主義という表に対し、「黒五類」とされた最低ランク(知識人・元地主層ら)の結婚の困難さ、差別の現実とそのランクの女性への強姦・強制猥褻の横行という裏との乖離が顕著。◇毛沢東の死、文革終了⇒行き過ぎた拝金主義の時代。大卒女性の就職難⇒中華風三高男性との婚姻期待値の亢進。
    売春等のセックス産業の巨大化もまた拝金主義の一側面。◇前者は文革の生々しさを共和国内から暴露しており、一読の価値はあろう。個人的にはこちらに目が行った。一方、後者は他書にもあり目新しくはない。が、事件に巻き込まれる邦人の存在には注目。ホテルの一室を定宿にするデリヘル嬢を呼んでしまったため、美人局(警官もグル)による恐喝、あるいは殺人まで発展したケースは笑えない現実。◆PS.毛沢東の地位正当化プロパガンタは①列強の一掃、②不平等条約の完全消滅、③租界の奪還。
    ◆PS.著者は出版関係の職歴有。共和国内の出版タブーの一はSEX関係だが、別の一は日本問題。現代日本の実情の出版すら困難(北京外交部の審査・許可を要)という暴露は、民衆の対日悪感情の要因論として認識すべき(政治的には是正課題)。加え、ISBNの配分権を共産党が掌握しているとは、全書籍の検閲が常態化していることを物語る事実。頭に入れておくべき。◆PS.一人っ子政策は、文革により下放された青年層が、文革後、都市戸籍の回復を一斉に求め、都市の男性人口の増加、出生率の急上昇を懸念したためとは初見。

  • [ 内容 ]
    性を抑圧する闘争だった毛沢東の文化大革命から、「開放」政策の下、百花斉放に欲望が咲き乱れる二十一世紀まで。
    現代中国の秘部を初公開。

    [ 目次 ]
    第1章 毛沢東が歪めた性(共産党の革命は何をもたらしたのか;結婚も毛主席のために ほか)
    第2章 春の訪れ(豊かさと美しさを求めて;大学生たちの恋愛模様 ほか)
    第3章 性の自由化は加速する(エロスに酔う時代;男と女の婚姻狂騒曲 ほか)
    第4章 巨大性産業が動く(黄潮が大地を席巻する;「二〓(だい)」―地下妻の生態 ほか)
    第5章 性意識は揺れる(儒教と道教は現代にどう生きているか;張競生先生の「性交救国論」 ほか)

    [ 問題提起 ]


    [ 結論 ]


    [ コメント ]


    [ 読了した日 ]

  • 内容(「BOOK」データベースより)
    性を抑圧する闘争だった毛沢東の文化大革命から、「開放」政策の下、百花斉放に欲望が咲き乱れる二十一世紀まで。現代中国の秘部を初公開。

  •  著者は1955年上海の生まれ。著者の若い時代の恋愛や性事情は著者の体験とかかわって迫るものがあり、面白く読める。たとえば、学内の恋愛、外国人との結婚、離婚できない事情等はぼく自身その時代に中国にいたからよくわかる。女性が当時生理用のナプキン(当時は衛生紙と言った。今は衛生巾といってでトイレットぺーパーと区別する)を配給でもらうためには先月使用したものをもっていかなければならなかったというのはすさまじい。勝手に妊娠してはいけなかったからだ。確かに、最近のことを紹介したあたりはいろいろわかって便利ではあるし、興味もそそるが今一迫力に欠ける。

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