- Amazon.co.jp ・本 (334ページ)
- / ISBN・EAN: 9784105191153
感想・レビュー・書評
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ジョン・アーヴィングの作品は全部読んでいるはずだが、この人は「語りなおす」のだなと再認識。セクシャルマイノリティ、ディケンズ、レスリング、不条理な大量の死、熊も少し。これらを織り込みながら、主人公の人生と成長を饒舌に綴りながら、テーマを浮かび上がらせる。村上春樹もこのタイプだと思っている。既読感はあるのだが、作家は言いたいことを伝えるために何度でも語りなおす。
本書のテーマはLGBT(あー私もアルファベットの正しい順番を考えてしまった)。しかし本来的には、愛に翻弄される人間のクロニクルだ。バイセクシュアルの作家となった主人公は、田舎町で美しい司書に、トランスセクシュアルと知らず恋をする少年時代から、数々の出会いや別れを経た現在までを振り返る。
時制が自由に行き来し、親友や父を巡るミステリー的な謎解きも含み、そのストーリーテリングのうまさが上質の読書体験を保証する。田舎町のLGBTへの偏見、エイズによる死は禍々しいが、アーヴィング流の暖かいユーモアで包まれている。 -
アーヴィング「ひとりの体で」http://www.shinchosha.co.jp/book/519115/ 読んだ。よかったけど辛い。アーヴィングの小説でおなじみの要素、父の不在、死と暴力、レスリング、弱き者、は同じだけど、ここまで死が怒濤に描かれたものはあるか。身内友人知人愛した人までが次々に死ぬ(つづく
上巻のエピソードが下巻で別の形になり重みを持って再登場する。無数の伏線とそれを結実させる構成力は見事だけど読んでいて本当に辛い。泣いてしまうので電車の中では読めなかった。老作家の一人称文体は手記ではなく人生話を吐露するような口語体で、相手の想定が気になる、読者ではなさそう(つづく
女装、同性愛、バイ、身体上精神上の性転換、構音障害、とマイノリティが次々に登場する。キリスト教由来のソドミ法、自由を謳いつつマッチョで硬直したアメリカという国におけるエイズ。冒頭の、大嵐の船上でボヴァリー夫人を読み続ける本好きのエピソードと、ラストのジーの存在が唯一明るい(おわり -
アーヴィング「ひとりの体で」http://www.shinchosha.co.jp/book/519115/ 読んだ。よかったけど辛い。アーヴィングの小説でおなじみの要素、父の不在、死と暴力、レスリング、弱き者、は同じだけど、ここまで死が怒濤に描かれたものはあるか。身内友人知人愛した人までが次々に死ぬ(つづく
上巻のエピソードが下巻で別の形になり重みを持って再登場する。無数の伏線とそれを結実させる構成力は見事だけど読んでいて本当に辛い。泣いてしまうので電車の中では読めなかった。老作家の一人称文体は手記ではなく人生話を吐露するような口語体で、相手の想定が気になる、読者ではなさそう(つづく
女装、同性愛、バイ、身体上精神上の性転換、構音障害、とマイノリティが次々に登場する。キリスト教由来のソドミ法、自由を謳いつつマッチョで硬直したアメリカという国におけるエイズ。冒頭の、大嵐の船上でボヴァリー夫人を読み続ける本好きのエピソードと、ラストのジーの存在が唯一明るい(おわり -
【選書者コメント】セクシャルマイノリティーに興味があったため
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ミス・フロストは何者かまだよくわからない。年上のソプラノ歌手と付き合ったり、レスラーの美少年に惹かれたり展開が早くて面白かった。下巻も楽しみ!
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これ以上の赤裸々な文章を読むことはもうないだろうな。主人公のビルみたいに思春期の頃にミス・フロストの様な司書に出会っていたらなと少しビルが羨ましく感じた。
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ある作家の問わず語り。アメリカの小さな町で、離婚した母と祖父母の家で暮らす少年時代から話は始まる。構音障害で時々発音ができない単語があったり父親を知らなかったりと、ちょっと複雑な様子。母の再婚相手や図書館の美しい司書と教養ある大人に惹かれるのが自然に感じた。そして私立高校で出会う冷酷なレスラーの魅力的な少年。自分とどこが似た少女にも惹かれながらも、ある人が大変な犠牲を払いつつも彼を受け止めてくれる。瑞々しい思春期の上巻であった。
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あらすじだけでどストライク。アーヴィングは2作目。
何故か今まで女性やと思い込んでた。ジョンやのに…。
下巻へ続く。 -
「ひとりの体」…なるほど、そういうことね。